この記事のサマリー
・「機嫌」は気分の良し悪しだけでなく、人の意向やようすも表す言葉です。
・「機嫌を損ねる」は、相手の気分を害して不機嫌にさせる場面で使います。
・「機嫌をうかがう」は、気分だけでなく意向や反応を見る意味も含みます。
「機嫌が悪そう」「ご機嫌ですね」そんなふうに、私たちは日々ごく自然に「機嫌」という言葉を使っています。でも、いざ意味を説明しようとすると、どこかあいまい…。
相手の態度に振り回された日も、自分の気持ちがどうも整わないような日も、この言葉の輪郭がわかると、少し見え方が変わってくるかもしれません。何気ない会話にひそむ「機嫌」の意味と使い方を、あらためて見つめてみましょう。
「機嫌」とは?
まずは、「機嫌」の意味と由来から確認していきましょう。
「機嫌」の意味
「機嫌」とは、表情や態度にあらわれる気分の良し悪し、つまり快・不快などの感情を表す言葉です。また、人の意向や思わく、様子を表す場合にも使われます。
辞書では次のように説明されていますよ。
き‐げん【機嫌/×譏嫌】
一[名]
1 表情や態度にあらわれる気分のよしあし。快・不快などの感情。気分。「―がよい」「―を損ねる」
2 人の意向や思わく。また、安否やようす。「―をうかがう」
3 そしりきらうこと。嫌悪すること。
「時人の―をかへりみず、誓願の一志不退なれば」〈正法眼蔵・行持〉
4 時機。しおどき。
「病をうけ、子産み、死ぬることのみ―を計らず」〈徒然・一五五〉
二[形動][文][ナリ](多く「御機嫌」の形で)気分がよいさま。愉快なさま。「だいぶお酒が入ってご―なようす」→御機嫌(ごきげん)
[補説]もと「譏嫌」と書き、そしりきらうの意。仏教で、他人の「譏嫌」を受けないようにする戒律「息世譏嫌戒」から出た語。のちに「機」が、気持ちに通じる意を生じてから用いられるようになった。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
日常会話でよく使われるのは、「機嫌が良い」「機嫌が悪い」「機嫌を損ねる」のように、感情の良し悪しを表す使い方です。
一方で、「機嫌をうかがう」のように、相手の気持ちだけでなく、意向やその場のようすを見ながら接する意味合いで使われることもありますね。
「機嫌」の由来
「機嫌」は、もとは「譏嫌」と書かれた語で、そしり嫌うことを表したとされています。
仏教で他人の「譏嫌」を受けないようにする戒律「息世譏嫌戒」から出た語であること、その後、「機」が気持ちに通じる意を生じてから用いられるようになったといわれています。
参考:『日本大百科全書』、『デジタル大辞泉』(ともに小学館)

「機嫌」の使い方を紹介
機嫌の由来が仏教から来ていたことは、知らない人も多かったのではないでしょうか。言葉の歴史を遡ってみるのも面白いですよね。さて、続いては機嫌の使い方について紹介します。
「機嫌を損ねた上司の相手は大変だ。だから、必要な書類はすぐに提出できるようにしておこう」
機嫌とよく組み合わせて使われる表現に「機嫌を損ねる」があります。これは、相手の気分を害すること、もともと穏やかだった相手の機嫌を悪くしてしまうことを表す言い回しです。
単に「怒らせる」というよりも、相手の気分を害した結果、不機嫌さが表に出る場面で使われやすいでしょう。
「オーナーの機嫌をうかがいながら進めることが、交渉を成功に導くための秘訣だ」
「機嫌をうかがう」という表現もよく使われます。ここでいう「機嫌」は、単に相手の気分がいいか悪いかを見るだけではなく、相手の意向やその場のようすを見ながら振る舞うことまで含む言い方です。
そのため、「機嫌をうかがう」は、相手の反応を気にしながら出方を考える場面に使われることが多い表現だといえます。

「友人はお酒が入って、ずいぶんとご機嫌な様子だ」
「ご機嫌」は、他人を敬ってその機嫌をいったり、上機嫌な様子を表す言葉です。「ご機嫌うかがい」「ご機嫌取り」「ご機嫌ななめ」というような形で使われますね。
機嫌が悪い相手にはどう対処したらいい?
続いては、機嫌が悪い人との付き合い方について、考えていきましょう。機嫌の悪い人とは、どのように関わっていったらいいのでしょうか?
自分のペースを崩さない
機嫌が悪い相手を前にすると、相手の空気に引っ張られて、必要以上にこちらが合わせようとしてしまうことがあります。
けれど、相手の感情に過度に巻き込まれると、自分まで疲弊してしまいますよね。しかし、機嫌が悪いのは、相手の問題。あなたの問題ではありません。だから、まずは必要な会話や対応は落ち着いて行い、自分のペースを崩さないことが大切です。
放っておく
機嫌が悪い相手に対しては、無理に踏み込みすぎないことが有効な場面もあります。
ただし、いつまでも「放っておく」のが最適とは限りません。仕事上の連絡や確認が必要なときは避けて通れないため、距離を取りつつも、必要なやり取りは簡潔に行う姿勢が現実的です。
自分の機嫌はどうやって取る?
機嫌が悪い他者の接し方を紹介しましたが、最後に自分自身の機嫌の取り方についても見ていきましょう。
自分をよく知ること
まずは、自分自身を知るところから始めましょう。自分は何が好きで、どんなときに気分が落ちやすいのか、何をされると負担に感じるのかを言葉にして把握することが大切です。
そうすると、不快になりやすいきっかけを前もって避けたり、早めに休息を取ったりと、自分の機嫌が崩れないような工夫がしやすくなります。
ご褒美デーを設ける
毎日家事に仕事、限られた時間の中でたくさんのタスクをこなすのは簡単なことではありません。十分な休息が取れなかったり、過度なストレスが溜まりすぎて精神的にイライラしてしまったりすることもあるでしょう。
たまには、自分を甘やかしてあげることも大切です。自分一人のためだけにホールケーキを買うとか、ちょっと贅沢なホテルにステイするとか、日頃頑張っている自分にご褒美を上げる日を定期的につくって自分で自分の機嫌を取っていきましょう!

バランスのいい食生活と休息
体の調子が乱れると、些細なことでもイライラしたり、気分が沈んだりしやすくなります。食生活や睡眠時間を見直し、まずは体の負担を減らすことを意識してみましょう。
お風呂に浸かる、寝る前に軽く体をほぐすなど、無理なく続けやすい習慣を持つことも、気分を整える助けになりますよ。
自分の機嫌を立て直す方法は人それぞれですが、生活の土台を整えることは、気分の波を小さくするうえで見直しやすいポイントです。
「機嫌」に関するFAQ
ここでは、「機嫌」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「機嫌」とはどういう意味ですか?
A. 「機嫌」は、表情や態度にあらわれる気分のよしあしを表す言葉です。
Q2. 「機嫌を損ねる」はどんなときに使いますか?
A. 相手の気分を害して、不快さや不満が表情や態度に出るような場面で使います。
Q3. 「機嫌」のNGな使い方は?
A. 相手の心理を決めつけるように使うのは避けたいところです。
最後に
「機嫌」は、いつもの会話に自然にまぎれ込んでいるぶん、意味の広がりを意識する機会が少ない言葉かもしれません。だからこそ、ひとつずつ丁寧に見ていくと、使い方にも気持ちにも少し余裕が生まれる感じがしますね。
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