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「ご担当者様」が役立つシーンは多い
「ご担当者様」は、相手の名前が分からない場合に使える便利な呼びかけとして定着しています。
たとえば、窓口やサポートセンターに問い合わせをするときや初めての取引先に提案を送るときなどに万能なフレーズとして多用されています。
アラサー赤っ恥!「ご担当者様」で失敗したエピソード

ところが、便利なフレーズだからと安易に使いすぎてしまうとうっかり赤っ恥… な展開も。
筆者が実際に見聞きしたものから、アラサー世代が経験した失敗エピソードをピックアップしました。
♦︎赤っ恥:名前がわかっていたのに使ってしまった
「相手の名刺がすでに手元にある関係なのに、疲れていたのか、なぜか『ご担当者様』でメールを送ってしまったことがあります…。後から返信で『△△です。次回からは私宛でお願いします』と返事がきて、すごく恥ずかしかったですし仕事ができないと思われただろうな… と大反省でした」(20代後半)
>>どうすればよかった?
名前が分かっているなら「〇〇様」と個人名を使うのが基本!
うっかりを防ぐために、送信前には落ち着いて見直しを。
♦︎赤っ恥:「御中」と合わせてしまった
「新しい取引先に送るメールに『〇〇株式会社御中 ご担当者様』と書いて送信しました。後から上司に『二重敬語みたいで不自然だよ』と指摘されて青ざめました…」(30代前半)
>>どうすればよかった?
「御中」と「ご担当者様」はセットでは使わないのが通例です。
部署宛なら「御中」、担当者が不明なら「ご担当者様」とシンプルに使い分けましょう。
♦︎赤っ恥:社内メールで多用してしまった
「社内のメールで、相手の名前の漢字が旧字体で…。調べるのを面倒に感じてしまってつい『ご担当者様』と書いていたら『なんか、さすがにおかしくない(笑)?』と同僚に突っ込まれました。どんなときも宛名代わりに使っていい言葉だと勘違いをしていたので、勉強になりました」(30代前半)
>>どうすればよかった?
社内宛であれば、宛名は個人名で書きましょう。
名前の漢字を調べるのが面倒でも、そのひと手間を怠らないのがマナーです。
もう「ご担当者様」で失敗しない! 正しく使うポイント

「ご担当者様」を正しく使うポイントを整理しておきましょう。
♦︎ポイント1:名前が分かるなら必ず個人名を優先する
メールで一番スマートな宛名の書き方は「〇〇株式会社 人事部 △△様」のように、相手の名前を明記すること。
相手の名前が分かっているのに「ご担当者様」と書いてしまうと「私の名前を覚えてもらえてないの?」「マニュアル的に対応されている気がして不快」など、悪い感情を抱かせかねません。
名刺交換をした取引先や、やり取りが続いている相手に「ご担当者様」と送るのはNGと心得ましょう。
相手の立場になれば「ちゃんと名前で呼んでほしい」と感じるものです。
♦︎ポイント2:件名に「ご担当者様」とは書かない
意外とやりがちなのが、件名に宛名を書いてしまう“うっかり”。
初回のメールで件名に何と書けばいいのか迷った挙句、件名欄に「ご担当者様」と記してしまうと、メールの内容がわかりにくいだけでなく、メールのマナーを心得ていない印象も与えかねません。
「ご担当者様」を使う際には、本文の宛名部分に記すようにしましょう。
♦︎ポイント3:一斉送信感をなるべく抑える
「ご担当者様」は、どうしても形式的かつ事務的に見えやすい言葉です。そのため、メールの内容や相手によっては「一斉送信かな?」と感じさせてしまうことも。
送り先にきちんとメールを読んでもらいたいならば、本文に一言だけ相手に合わせた要素を入れるなどして人のぬくもりを加えましょう。
「ご担当者様」は自分に宛てられているメールだという意識を持ちにくい言葉なので「このメールは、あなたに宛てて書いています」と感じられる一文があるだけで、読んでもらえる可能性だけでなく返信が届く可能性も上がります。
相手の名前がわからないときの「ご担当者様」の言い換え方

相手の名前がわからないけれど「ご担当者様」だけでは形式的すぎると感じるときには、言い換えることもできます。アラサー世代が使いやすい表現をまとめました。
♦︎「○○部の皆様」
「ご担当者様」よりも柔らかいトーンで送れる言い回しです。
社内メールでも使いやすく、ラフな関係性にある取引先にも用いられます。
♦︎「△△窓口ご担当者様」
相手の名前はわからないけれど、宛先にすべき部署やグループはわかっているというシチュエーションでは「ご担当者様」だけでなく、その前に「△△窓口」や「■■部」などの部署名を入れると、より丁寧な印象に。
「ご担当者様」だけで送るよりも、より丁寧な印象です。
♦︎「■■ご参加の方々」
「〜の方々」という言い回しも「ご担当者様」と比べて柔らかな印象を与える表現です。
特定のプロジェクトに関わっている人に宛てて送りたい場面や、特定のイベントに関わる相手にメールを送りたいシーンで役立ちます。
「ご担当者様」をスマートに使いこなそう
「ご担当者様」は便利な表現である一方で、使いどころを間違えると事務的すぎる印象や気遣いが足りないイメージを与えかねません。せっかくメールを送ったのに、相手をイラッとさせるのも避けたいところです。
アラサー世代にとってメールは日々の信頼を積み重ねる大切なツールなので「ご担当者様」を使うときにはスマートに使いこなしていきましょう。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。