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「お手数をおかけしますが」の意味をわかりやすく解説
「お手数をおかけしますが」とは、相手に何かをお願いする際に、その手間をかけさせることへの配慮と謝意を示す表現です。「ご面倒をおかけして申し訳ありませんが」「お忙しいところ恐縮ですが」などと同じく、相手への敬意や思いやりを込めて使われます。
対面で会話をする際、「すみませんが……」という言葉をクッションとして使う人もいるかもしれませんが「お手数をおかけしますが」はそれより少し形式張った表現です。
ビジネスシーンでの一般的な使い方と背景
業務の中で、資料の確認やスケジュール調整など、小さな依頼でも相手の手を煩わせる場面は多々あります。そうした依頼に対して丁寧な印象を与える定番のフレーズ。
特に、目上の人や取引先など、立場が上の人に対しては、ただ確認をお願いするだけでなく、「お手数をおかけしますが」と一言添えるだけで、配慮が感じられますよね。相手の顔が見えず冷たく感じたり誤解を生んでしまいがちなメールなどの文章で使うと、文面全体がやわらかくなり、信頼感を高める効果もあります。
使いすぎると過剰に!上手に使うポイント・注意すべきポイント
「お手数をおかけしますが」は、相手とのやりとりに丁寧さを重視する日本人にとって、とても便利な表現。ですが、多用しすぎると丁寧すぎる印象を与えてしまったり、回りくどいと感じられたりすることも。上手に使えば、丁寧な気持ちが伝わる便利な言葉なので関、係性や場面に応じて、少しくだけた言い方と使い分けることが大切です。
ビジネスメールでの活用術。例文付きで分かりやすく紹介!

基本的な使用例
・お手数をおかけしますが、〇〇のご確認をお願いいたします。
・お手数ですが、今週中にご対応いただけますと幸いです。
『お手数をおかけしますが』と組み合わせて使うフレーズとの組み合わせ例
・ご確認のほどよろしくお願いいたします。
・ご教示いただけますと幸いです。
・ご対応いただけますと助かります。
メールで使う際の例文
<上司へのメール例>
お疲れ様です。
〇〇の企画案を提出します。
添付の資料をご確認いただき、ご意見をいただけますと幸いです。
お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
<クライアント向けメール例>
〇〇株式会社
△△様
いつも大変お世話になっております。
〇〇の案件について、見積もり書をお送りいたします。
内容をご確認いただき、ご不明点等ございましたらご連絡くださいませ。
お手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
「お手数をおかけしますが」の言い換えは?状況別に使い分ける方法も紹介!
相手との距離感や業務の緊急度、やり取りの頻度によっては、「お手数を〜」が少し重く感じられることもあります。また、いつも「お手数をおかけしますが」ばかり使っていると、時々表現を変えてみたくなりますよね。
そんなときには、やわらかい印象の言い回しや、より端的な表現に言い換えると、スムーズなやり取りにつながります。
言い換え表現の例|申し訳ないという気持ちを伝える表現
「ご負担をおかけしますが……」
→ 忙しさへの理解や配慮を示す場面に。
例:ご負担をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。
「ご面倒をおかけしますが……」
→ 親しみのあるやわらかいトーンにしたいときに。
例:ご面倒をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
「お手間を取らせてしまいますが……」
→ 少しくだけた表現で、口頭にも使いやすい
例:お手間をとらせてしまいますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
言い換え表現の例|ポジティブな印象を与える表現
「ご協力いただけましたら嬉しく思います」
→ 柔らかく前向きなお願いを伝えたいときに。
例:こちらのアンケートにもご協力いただけましたら嬉しく思います。
「ご対応いただけましたら幸いです」
→ 控えめながらも丁寧な依頼をしたいときに。
例:お忙しいところ恐縮ですが、本日中にご対応いただけましたら幸いです。
「いつも丁寧にご対応いただき感謝しております」
→ 日頃のやり取りに対する感謝の気持ちを添えたいときに。
例:いつも丁寧にご対応いただき感謝しております。引き続きよろしくお願いいたします。
「お手数をおかけしますが」を上手に使うコツ
回りくどすぎないように注意
丁寧に伝えたい気持ちが強いほど、つい文章が長くなってしまいがち。要点を先に述べたうえで「お手数をおかけしますが」を添えると、読み手にも負担をかけず、気持ちよく伝えることができます。
相手に気を遣わせすぎない工夫
何度も謝罪や恐縮の言葉を重ねると、かえって相手を緊張させてしまうこともあります。「いつもありがとうございます」「ご協力いただけて助かります」といった前向きな言葉を添えることで、心の距離がぐっと縮まります。

“お願い上手”な言葉選びで、心地よいコミュニケーションを
使い方ひとつで、丁寧にも、回りくどくも、冷たくも聞こえる可能性があるからこそ、“ちょうどいい”距離感を意識することが大切です。
相手や場面に応じた表現を選び、感謝や前向きな気持ちを添えることで、ビジネスシーンであっても自然で温かみのあるものに変わります。
少しの心配りを添えた言葉で、やわらかく信頼されるコミュニケーションを育てていきましょう。
TOP画像/(c) Adobe Stock
コマツマヨ
WEBサイトライティングをメインに、インタビュー、コラムニスト、WEBディレクション、都内広報誌編集、文章セミナー講師など幅広く活動。