「けったい」の意味と語源は?
皆さんは「けったい」という言葉を聞いたことはありますか? 方言として使われているので、聞き覚えのない方も多いと思います。まずは意味や語源について確認していきましょう。
意味
「けったい」は奇妙、珍しい、不思議、おかしいなどという様子を表す言葉です。「けったいなもの」「けったいな名前」など、形容詞として使われることがほとんどでしょう。関西の方言ですが、関西に住んでいても聞いたことがないという人もいるかと思います。つまり、「なんでやねん」のようなメジャーな方言ではないということですね。
語源
語源となった「卦体(けたい)」という言葉には、いくつかの意味があります。名詞的な意味としては、算木(さんぎ)に現れた形。これが占いの結果のように捉えられており、転じて縁起という意味でも使われていました。また、気分や気色という意味で使われることもあり、「卦体が悪い」は「縁起が悪い」「気分が悪い」のどちらの意味でも使えるようです。
また、形容詞的な意味では主に忌々しい、奇妙、不思議などと表現されています。一説には「希代(きたい)」の変化した語句であるとも言われているそう。関西の方言で使われている「けったい」は、この形容詞的な意味からきているものです。
使い方を例文でチェック
「けったい」の意味についてはご理解いただけましたか? 関西では実際どのように「けったい」が使われるのか、関西弁の例文とともに紹介していきます。あなたも関西人になったつもりでチェックしてみてくださいね。
1:なんかこれけったいな名前の商品やなあ
「けったい」な名前とは、おかしな名前、変わった名前のことを言います。商品や料理の名前で見たことのないようなものだったり、とても長い名前だと、このように言われることがあります。「けったい」は否定的な意味で主に使われますが、「ちょっとおかしいけど愛おしい」というような憎めない印象で使う人もいるようです。
2:私、こんなけったいなもん食べられへん
いかにも関西弁っぽい例文ですね。「もん」とは「もの」のことを、「食べられへん」は「食べられない」という意味です。「けったい」な食べ物といえば、見たことないもの、不思議なものを指しています。
3:それはけったいな話やな
「それはおかしな話だね」という意味です。理解しがたいような話や、不思議な話に対して「けったい」な話という表現をします。何か話し始める前に、相手の関心を引いたり、話に保険をかけるという意味で「けったいな話やけど…」と言うこともあります。
「けったい」の類義語
「けったい」の使い方はマスターできましたか? 次に「けったいの」類語について解説します。主に類語としてあげられるのは滑稽、奇妙、風変わりです。それぞれの意味や使い方を見ていきましょう。
1:滑稽(こっけい)
意味は、笑ってしまうほどのおかしいこと、おどけたこと。「彼は突然滑稽なダンスを始めた」というように使います。
「けったい」には面白おかしいという意味も含まれています。吉本新喜劇というお笑いの喜劇を見たことはありませんか? 関西では有名な、お笑い芸人による喜劇の名前です。それぞれのキャラクターに持ちネタがあり、それを披露していくのですが、そこでおかしな挨拶をする女性がいます。
その女性に対して、「そんなけったいな挨拶やめてくださいよ」とのツッコミがあるのですが、これは「そんな滑稽な挨拶はやめてくれ」という意味で使われています。
2:奇妙(きみょう)
珍しく不思議なこと。また、非常に趣やおもしろみがあるという意味です。「彼は奇妙な格好をしている」などの例文が挙げられます。「けったいな味」という表現は、「奇妙」というニュアンスが含まれていると言えるでしょう。
3:風変わり(ふうがわり)
様子や性質が普通とは違っている様子を指します。音楽の世界で「風変わりな美女」や「風変わりな店」という作品がありますよね。「そんなものを集めているなんて風変わりな趣味だね」というように使います。
「けったい」な人ってどんな人?
直訳すると、おかしな人、不思議な人、変わった人などを「けったい」な人と言います。一般的に「けったい」な人というのは、褒め言葉ではなくその逆の意味として使われることが多いでしょう。あなたのささいな行動も、もしかすると「けったい」と思われているかもしれません。ここでは「けったい」な人の特徴を紹介します。
1:公共のマナーを守っていない人
例えば、電車内で、大声で電話したり何か食べるという行動は、公共のルール違反に当たります。非常識な行動は「けったい」と思われる原因。皆が使う公共の場では、マナーを守ることを心がけましょう。
2:自分勝手に物事を進めてしまう人
周りの状況などを考えずに、自分の都合だけで物事を進めてしまう人は周りから非難されてしまいます。自分のことだけでなく、周りも見ようとする視野を持ちましょう。
3:場の空気を乱す人
周りの空気を読まず、自分のやりたいようにしてしまう人は浮いてしまいますよね。例えば職場の決まりを守らないだとか、秩序を乱してしまう人は「けったい」と思われてしまいます。ビジネスの場では特に気をつけたいですね。
最後に
今回は「けったい」について解説しました。「けったい」という方言には様々な解釈があるようです。同じ国に住んでいても、住んでいる場所によって話す言葉が変わるのが、方言の面白さですよね。今回は関西地方の方言について触れましたが、また色んな地方の方言も見てみたいですね。
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