この花は何の野菜? 成長すると名前が変わる食材
出世魚のように、野菜にも成長すると名前が変わる“出世野菜”のような食材があります。
例えば、ヤングコーン→とうもろこし、枝豆→大豆→もやし、たけのこ→竹など。
今回ピックアップするのは、そんな野菜のひとつです。
この花は何の野菜か知っていますか?
正解は、「豆苗」の花です!
正解は、豆苗の花でした! 実は豆苗は以下のように成長します。
豆苗→サヤエンドウ→スナップエンドウ→エンドウ豆(グリーンピース)
「豆苗」は若い葉と茎を食べ、「サヤエンドウ」「スナップエンドウ」は若いサヤごと食べ、「エンドウ豆(グリーンピース)」は未成熟の実を食べます。
1年中出回るようになった豆苗ですが、元々は3月〜5月にかけて旬を迎える食材だったそう。
◆豆苗の歴史
豆苗(エンドウ豆)の原産地は南西アジアと言われています。その歴史は古く、紀元前7000年も前から栽培されていたそう。
豆苗のように若い葉と茎を食べるようになったのは、中国に渡ってから。しかし、当時は貴族や特別の行事にしか出されない食べ物だったようです。
日本に伝来したのは1970年頃。高級中華料理店のメニューになった後、1990年半ばに水耕栽培で生産できるようになって、一般家庭に普及しました。
◆豆苗の栄養
豆苗は女性に嬉しい栄養素が豊富。なんと50gで成人女性が1食で摂りたいビタミンA、ビタミンC、葉酸を7割以上、特にビタミンKは十分に摂取できます。
ほかにも、不溶性食物繊維、β-カロテン、タンパク質なども含まれています。
・ビタミンA… 粘膜の健康に役立ち、正常な免疫機能を維持
・ビタミンC… 皮膚や血管の老化を防ぐ抗酸化作用をもち、美肌にもひと役買ってくれます
・葉酸… 赤血球の生産を促し、貧血予防に。
・ビタミンK… 丈夫な骨づくりに役立つ。骨粗しょう症予防にも
・β-カロテン… 強い抗酸化作用をもち、体内に入ると、ビタミンAに変換。若々しい髪や皮膚の維持に役立つ
・タンパク質… 筋肉や臓器、皮膚など体づくりや健康維持に役立つ
・不溶性食物繊維… 便秘解消に一助
豆苗は加熱すると、ビタミンCや葉酸が失われやすくなるので、スープや味噌汁に入れたり、短時間で炒めたりすると栄養を損なわずに食べることができます。
◆豆苗の選び方
おいしい豆苗の選び方をまとめました。
・葉の色が濃いもの
・ツヤとハリがありみずみずしいもの
・葉がしっかり開いているもの
* * *
豆苗(エンドウ豆)の花から栄養・選び方まで紹介しました。葉酸は、特に妊娠中や授乳中の方は摂取しておきたい栄養素。ただし、食べ過ぎは禁物です。摂取しすぎると便秘を悪化させ、他の栄養素の吸収を邪魔してしまうこともあります。さまざまな食材を食べながら、おいしく食べていきたいですね。
参考:農林水産省「豆のこと、もっと知りたい」