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2025.10.18

「こだわりが強い人」とは? 本来の意味・心理・上手な付き合い方を解説

もともと「こだわりが強い人」とは、「些細なことを気にする」「難癖をつける」という否定的な意味でした。現代では「妥協せず追求する」という肯定的な意味でも使われています。今回は、「こだわりが強い人」の意味や定義、特徴、長所と短所、付き合い方のポイント、よくある疑問と回答を紹介します。

この記事のサマリー

・「こだわりが強い」は、もともと「些細なことを気にする」「難癖をつける」という否定的な意味。
・現代では「妥協せず追求する」という肯定的な意味でも使われるようになった。
・こだわりが強い人と上手に付き合うには、相手の価値観を尊重し、適度な距離感を保つこと。

「こだわりが強い人」と聞くと、あなたのまわりにも思い浮かぶ人がいるのではないでしょうか?

几帳面で、妥協を許さず、常に自分のやり方を貫く… そんな姿勢は一見ストイックでかっこよく見える一方、時に「扱いづらい」「頑固」と受け取られてしまうこともあります。

しかし、そもそも「こだわり」とは悪いことなのでしょうか? この言葉には、時代とともに変化してきた「本来の意味」と「現代的な使われ方」の両方が存在します。

本記事では、意味のを辞書や心理的視点から見ていきながら、「こだわりが強い人」と上手に付き合うためのヒントを紹介します。

「こだわりが強い人」とは? 本来の意味と現代の使い方

まずは、「こだわり」の意味を確認しましょう。

「こだわる」の語源と辞書的定義

名詞の「こだわり」の意味を理解するには、まず「こだわる」という動詞の意味を知る必要があります。

『デジタル大辞泉』(小学館)によると、「こだわる」には主に二つの側面があります。ひとつは「些細なことを必要以上に気にする」「気持ちがとらわれる」という意味(=拘泥すること)。

もうひとつは、「物事に妥協せず、とことん追求する」という意味です。

実はこの「追求する」という肯定的な意味は比較的新しい用法であり、本来は「難癖をつける」「けちをつける」といった否定的な意味が中心でした。

辞書には次のように記されていますよ。

こだわ・る〔こだはる〕
[動ラ五(四)]
1 ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。拘泥(こうでい)する。「些細(ささい)なミスに―・る」「形式に―・る」
2 物事に妥協せず、とことん追求する。「素材に―・った逸品」
3 つかえたりひっかかったりする。
「それ程―・らずに、するすると私の咽喉を滑り越したものだろうか」〈漱石・硝子戸の中〉
4 難癖をつける。けちをつける。
「郡司師高―・って埒(らち)明けず」〈浄・娥歌かるた〉
[補説]2は近年の用法。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

例えば「宿所(うち)ならこだわりを付けてやる」といった表現が明治期の文学にも見られるように、もともとは「文句を言う」というニュアンスだったのです。

近年は、「素材にこだわった逸品」「こだわりのある生き方」などのように、誇りや信念を肯定的に表す表現として広く使われるようになりました。つまり「こだわる」という言葉は、時代とともにネガティブからポジティブへと転じた稀有な日本語なのです。

褒め言葉・皮肉の両義性

現代において「こだわりが強い」という言葉は、文脈によって意味が大きく変わります。

例えば、カフェで豆の焙煎に情熱を注ぐバリスタに対して「こだわりが強いね」と言えば、これは「プロ意識の高さ」を褒める言葉です。

一方で、会議の場で些細な形式や手順に固執して議論を止めてしまう同僚に同じ言葉をかけると、そこには皮肉や困惑のトーンが含まれるでしょう。

このように、「こだわりが強い」は褒め言葉にも批判にもなり得る「両義的な表現」です。

SNSやメールなどでは文字だけが相手に伝わるため、「あなたってこだわりが強いですね」と書くと、意図せずネガティブに受け取られてしまうこともあります。ビジネスや人間関係で使う際には、「信念を持っている」「丁寧な人」など、相手を尊重する言い回しに言い換えると安心です。

会議で力説する年配の男性にうんざりする若い男女
(c)Shutterstock.com

「こだわりが強い人」に見られる具体的特徴

実際に「こだわりが強い」といわれる人の行動や思考パターンには、いくつか共通する傾向があります。ここでは、職場や日常の中で見られる「あるある」な場面を通して、こだわりの強さがどのように表れるのかを見ていきましょう。

仕事や日常で見られる行動例

例えば、職場での会議資料を作成する場面を想像してみてください。

こだわりが強い人は、資料の余白の幅やフォントの統一感、色のコントラストにまで気を配り、「少しでも読みやすくしたい」と思う傾向があります。上司から「もう十分だよ」と言われても、自分の中で納得がいくまで修正を続けてしまうことも。

また、日常生活では、朝の支度の順番や食器の配置など、自分なりの「最適な手順」が決まっていることがあります。その順番を変えられると落ち着かず、イライラしてしまう人もいるでしょう。

こうした行動は、一見すると頑固にも見えますが、根底にあるのは「いいものを作りたい」「気持ちよく過ごしたい」という向上心です。

筆者の職場にも、「メールの文面を何度も推敲してから送る同僚」がいました。彼女は「ミスがあったら相手に失礼だから」と話していました。つまり、「こだわり」は、単なる頑固さではなく、誠実さの表れでもあるのです。

他人との摩擦が起きる原因

こだわりが強い人が誤解されやすいのは、その信念の強さが「他人にも同じ基準を求める姿勢」に見えてしまう点です。

例えば、共同作業の中で「ここはもっと丁寧にやるべき」「そのやり方は効率が悪い」と指摘を繰り返すと、相手は「否定された」と感じてしまうことがあります。

本人は悪気がなく、むしろチーム全体の完成度を高めたいという意識から発言しているのですが、その真意が伝わらないまま距離を置かれてしまうケースも少なくありません。

また、こだわりが強い人は「予定外の変化」への耐性が低い傾向があります。会議の進行や作業手順が急に変わると、心の中で混乱が起きやすく、「なぜ今それを変えるの?」と強い違和感を覚えることも。

その結果、周囲からは「融通がきかない」と受け取られてしまうことがあるのです。

ただし、こうした反応の多くは「完璧に進めたい」「不安を減らしたい」という自己防衛的な気持ちから生まれるもの。決して攻撃的な意図ではなく、安心して動ける環境を求めているだけなのです。

必死に説明する女性の話に疲れる女性
(c)Shutterstock.com

長所と短所をどう生かす? 「こだわり」は武器にもなる

「こだわりが強い」と聞くと、頑固で扱いにくいイメージを持たれがちですが、視点を変えれば大きな強みにもなります。ここでは、こだわりの「長所」と「短所」を整理し、どう生かせば自分の魅力や成果につながるのかを考えてみましょう。

こだわりが強い人の長所

こだわりが強い人の最大の長所は、徹底的に突き詰める力です。

どんな小さな作業でも妥協せず、納得できるまで取り組む姿勢は、仕事やものづくりの現場で高く評価されます。実際、職人や研究者、デザイナーなど、「品質」や「精度」を重んじる職業では、このこだわりが成果を支える原動力になります。

また、こだわりが強い人は、自分の分野を深く掘り下げることで専門性や信頼性を積み重ねるタイプでもあります。周囲から「この人に任せれば安心」と思われるのは、まさに「信念を貫く力」の賜物といえるでしょう。

短所が表に出るとき

一方で、こだわりが強さが「裏目」に出てしまう瞬間もあります。

例えば、仕事のスピードよりも完成度を優先しすぎて締め切りに遅れてしまう、他人のやり方に強く口を出してしまう… こうした場面では、こだわりが「融通のきかなさ」として受け取られやすくなります。

また、自分の理想が高い分、他人の行動や結果に対して「もっとできるはず」と感じやすく、人間関係に摩擦を生むこともあります。このようなときに意識したいのは、「自分の基準は、他人の基準とは違う」という視点です。

「完璧」よりも「最善」を目指す柔軟さを身につけることで、短所を長所に変えることができますよ。

「こだわりが強い人」との上手な付き合い方・接し方

身近な人が「こだわりが強いタイプ」だと、対応に気を遣う場面もあるかもしれません。相手のこだわりを否定せず、ほどよい距離で関係を築くためのコミュニケーション方法を紹介します。

職場での接し方

職場で「こだわりが強い人」と関わるときは、まず相手の価値観を認める姿勢を持つことが大切です。

こだわりが強い人は、自分の仕事への責任感が人一倍強く、「ここは譲れない」という信念を持っています。そのため、頭ごなしに否定したり、「もっと柔軟にして」と言うと、かえって反発を招くことがあります。

例えば、会議で意見が食い違ったときには、「なるほど、そういう考え方もありますね」と一度受け止めてから自分の意見を添えると、相手も冷静に聞いてくれるものです。

恋人・家族関係での接し方

恋人や家族など、より近しい関係では、「こだわりの強さ」がトラブルの火種になることも少なくありません。

例えば、恋人がデートのプランを細かく決めたがる、家族が家事のやり方に強いこだわりを持っている… そんな場面では、つい「面倒くさい」と感じてしまうかもしれません。

しかし、こうした行動の背景には「相手を思いやる気持ち」や「安心したい」という感情が隠れていることも多いのです。相手のこだわりを「頑固」と決めつけず、「この人にとっては大事な安心の形なんだ」と受け止めることで、関係のトーンが変わります。

また、何か意見がぶつかりそうなときは、「あなたが大切にしている部分を尊重したいけれど、私にもこうした考えがある」と伝えるようにしましょう。

相手の信念を尊重しながら、自分の境界線を守る。こうした「共感と境界のバランス」が、こだわりの強い人との関係をスムーズに保つ鍵です。

笑顔でパソコンを見る女性たち
(c)Shutterstock.com

「こだわりが強い人」に関するFAQ

ここでは、「こだわりが強い人」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。

Q1:こだわりが強い人は、結局いい人? それとも面倒な人?

A:どちらとも言えます。

こだわりが強い人は、責任感が強く、仕事や人間関係に誠実なタイプが多い一方で、自分の価値観を押し通しがちな面もあります。重要なのは、「こだわり」が人のためにも生かされているかどうか。自分の満足だけでなく、相手を思いやる方向にこだわりを使える人は、信頼される存在になれます。

Q2:「こだわりが強い人」とうまく働くにはどうすればいい?

A:まず「相手の考えを尊重する」ことが第一歩です。こだわりが強い人は、否定されると心を閉ざしてしまう傾向があります。

「あなたの意見もわかります。そのうえで…」というクッション言葉を使いながら、自分の考えを伝えると円滑にコミュニケーションがとれますよ。

Q3:こだわりが強い人は恋愛に向いていない?

A:決してそんなことはありません。

恋愛においては、「自分なりの愛情表現」「ルール」を大切にするタイプが多く、信頼関係が築かれると非常に誠実です。ただし、相手のやり方を受け入れる柔軟さを持つことが大切でしょう。お互いのペースや考えを尊重し合えば、穏やかで安定した関係を築くことができますよ。

最後に

「こだわりが強い人」と聞くと、少し近づきにくい印象を持たれるかもしれません。けれど、そのこだわりの中には「よりよくしたい」「誠実でありたい」という想いが隠れています。

自分のこだわりを理解し、上手に扱えるようになると、それは人間関係にも、仕事にも、人生にも確かな自信をもたらしてくれますよ。

TOP画像/(c)Adobe stock

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