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「完璧主義」の意味とその種類について
あなたは「完璧主義者」でしょうか。完璧を目指すことは素晴らしいことなのですが、いつもそればかりだと自分も周囲も疲れてしまいます。本記事では、完璧主義のメリット・デメリットを考えてみました。
まず、「完璧主義」の正しい意味をおさえておきましょう。
◆完璧主義の意味
「完璧主義」とは、ひとつも欠点がなく、完璧であることを目標基準にしている人のことをいいます。「完璧」を目指すだけではなく、「完璧」でないと納得がいかない人、と言ったほうがわかりやすいかもしれません。程度によっては、精神的な疾患とされる場合もあります。
【完璧(かんぺき】
[名・形動]《傷のない宝玉の意から》欠点がまったくないこと。また、そのさま。「―を期する」「―な演技」
(小学館 デジタル大辞泉より)
完璧主義にも種類がある
「完璧主義者」には3つのタイプがあると言われています。
自己指向型
自分が完璧であることを目指すタイプです。かなりストイックな精神の持ち主で完璧にこなすことができない場合、自分を強く攻めたり、落ち込んだりします。
社会規定型
自己指向型と似ているのですが、違うのが「周囲から完璧であることを求められている」と考えていること。自分自身で完璧を目指すだけでなく、周囲からの目線を気にしてしまうタイプです。ゆえに、できないことでも「できる」と言ってしまったりして、自分を追い詰めてしまうのです。
他者指向型
自分ではなく、他人に対して完璧を求めるタイプです。他人に厳しく、ミスを許しません。さらに、完璧でない人を見下したり、おとしめたりもします。
完璧主義の人の特徴
では、完璧主義者とはどんな人でしょうか。完璧主義者の特徴を挙げてみましょう。
決まりやルールを守る
完璧主義者は決まりやルールをきっちり守ります。堅物と思われようとも、ルールは絶対だと考えていて、自分からルールを破ることはありません。
なにごとにもストイック
たとえば、グルテンフリー生活をしようと決めたら何がなんでも守り抜き、ランニングを始めたら、大雨でも走ります。完璧主義者はいつでもストイック。こうと決めたことは絶対にやり抜きます。
緻密に計画を練る
完璧主義者は行き当たりばったりが嫌いです。何かを成し遂げるためには、徹底して情報収集を行い、緻密なスケジュールを組みます。そのスケジュールの遂行のストイックさは、上で述べたとおりです。
細かい
完璧主義者は、往々にして神経質です。先のストイックさにもつながるのですが、細かな点まで徹底して取り組みます。ちょっとした変更も許さない傾向があります。
独立独歩
何かを成し遂げようとする時、人と一緒だと妥協せねばなりません。妥協が嫌いな完璧主義者は、ひとりでものごとに当たることが多いのです。人に頼ることを好まず、協調することもほぼありません。
人のミスも許さない
完璧主義者は自分に対してストイックなだけでなく、人に対しても自分と同様の意識を求めます。なので、人のミスやだらけた態度が許せません。完璧主義者を上司に持つと部下はたいへんです。
常に忙しそう
完璧主義者はいつも何かを抱えています。完璧を目指すがゆえに、たくさんのことを抱え込んでしまうのです。どんなことでも、ひとりで完璧にこなさないと気が済まないので、いつも何かに追われがちです。
完璧主義でいることのメリット
なんだかたいへんそうな完璧主義ですが、メリットもあります。
結果のクオリティが高い
完璧を目指してたゆまぬ努力をするのですから、完璧主義者の出す結果のクオリティの高さはすばらしいものです。類まれな責任感と向上心の持ち主だからこそ、コンスタントに高い質で結果を出すことができるのです。
細部まで目が行き届いている
完璧主義者は、緻密な計算能力と判断力があります。なので、その仕事ぶりは、細かなところまでしっかり目が行き届いており、ヌケがありません。完璧主義者がひいた計画に乗ると、企画は成功する可能性が高いのです。
周囲の信頼が厚い
完璧主義者は、ちょっととっつきにくい部分もありますが、がんばり屋さんであることは確か。その点に関して、周囲からは厚い信頼を得ています。「彼に任せておいたのだから大丈夫だ」「彼女がそう言うのだから間違いない」。そう思わせてくれる力が完璧主義者にはあるのです。
完璧主義でいることのデメリット
逆に、デメリットも挙げてみましょう。
大局を見失うことがある
完璧主義者は緻密な人ですから、ひとつひとつの工程に深く向き合います。そうして細かな点に集中しすぎるがゆえに、大局を見落とすという大きなミスをやらかすことがあります。木を見て森を見ず。俯瞰することを忘れてはいけません。
他人に厳しすぎる
自分に厳しい分、人にも厳しい傾向があります。自分と同じテンションでものごとに立ち向かってくれないと許せないのです。特に仕事などでは、複数でチームを組む場合も多いでしょう。そんな時、完璧主義者は全員に完璧を求めることから、人のミスや欠点にばかり目が行って、前に進まなくなってしまうことがあります。
諦めてしまった時、すべてを放り出す
完璧主義者は目的を達成するまで通常は努力を惜しみませんが、何かの拍子にポンと投げ出してしまうことがあります。本人が、「もうだめだ!」と思った、ということなのでしょうが、完璧主義者がこうなると、手がつけられない場合も。
結構引きずる
完璧主義者は、過去を結構引きずります。いつも精一杯の力でがんばっているわけなので、それも無理はないのですが、それでも周囲は困ってしまいます。仕事はもちろん、恋愛などのシーンでもその傾向が。本人が「だめだ」と決めてしまうと曲げないので、それ以上前に進まなくなってしまうのです。
変化に対応しつつほどほどに向き合って
完璧を目指すのはとてもいいことです。けれど、世の中にはさまざまな人がいて、状況も刻一刻と変化していきます。そんな中で、最初に設定した目的だけを一心不乱に追いかけてしまうことは、自分にとっても周囲にとっても、すこし無理があるように思います。
とはいえ、最初から適当なところを目指すのも違うので、ほどほどの完璧主義でものごとに向き合うのがいいのかもしれません。
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