「享楽的」とは?
自分の思うままに楽しく生きられたら… そう憧れたことのある人も多いでしょう。最近はSNSなどで、他人の生活を写真で手軽に垣間見ることができますが、写真だけ見れば、華やかで充実していそうな人もいますよね。そんなふうに振舞っている人を、「享楽的」な人ということがあります。
本記事では、「享楽的」の読み方や意味を改めておさらいしたうえで、類語表現や、「享楽的」な人の特徴、「享楽的」な性格のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
「享楽的」の意味
まずは、「享楽的」の読み方から。「享楽的」は「きょうらくてき」と読みます。意味は、「思いのままに楽しむこと」または「楽しもうとする傾向があること」です。主にそのような特徴を持つ人に対して、「○○さんは享楽的な人だ」というように使われます。
また、辞書を引いてみると「享楽的」は「快楽にふけるさま」という意味も。そのため、欲に身を任せるニュアンスを含み、良い意味で使われない場合も多いのです。
「享楽的」の類語表現とは?
「享楽的」は、自由に人生を謳歌するというニュアンスがありますが、似たような意味を持つ言葉は他にどんな言葉があるでしょうか。皆さんもいくつ思い浮かぶか、ぜひ考えてみてくださいね。
1:即物的
「即物的」の読み方は、「そくぶつてき」です。意味は、「その場で判断すること」や「利害関係におけるメリットを優先して考えること」。「享楽的」は、日々を楽しく生きることや、欲に任せて行動することというニュアンスがありますが、「即物的」も同様に、その場の利益を優先させることを指すため、類語表現といえるでしょう。
2:エピキュリアン
「エピキュリアン」という言葉を知っていますか? 「エピキュリアン」は日本語訳すると「快楽主義者」といわれたりします。紀元前の古代ギリシャの哲学者、エピクロスの名前から由来した言葉です。エピクロスは、簡単にまとめると人生の目的を快楽に求めた人物として知られています。
3:快楽主義
「快楽主義」は、「己の欲に忠実に、快楽を追い求めることを人生の目的とする」考え方のことを指します。「享楽」は、楽しむことや満喫することに重きが置かれますが、「快楽」は、己の欲を満たすために楽しむことに重きが置かれ、少しニュアンスが異なると言っていいでしょう。
「享楽的」や類語表現の使い方とは?
日常生活において、「享楽的」という言葉を使う機会はそう多くないかもしれませんね。しかし、ふとした会話で使えると、理知的な印象を与えることができます。豆知識として覚えておくと、良いことがあるかもしれませんよ。
1:そんな享楽的なお金の使い方をして、後で後悔しても知らないよ。
日常会話の中で使うとしたら、このような例文が挙げられます。「享楽的」は、人以外にも事柄などの名詞の前につけて修飾することが可能です。「享楽的なお金の使い方」とは、その場の楽しみのために、計画性なく使うお金の使い方のこと。いざというときの貯蓄に手を付けたり、貯金をしない相手を諫めるときなどに使える例文です。
2:快楽主義の彼女は、自分の好きなことしかやらないため、様々なところでトラブルを起こしている。
「快楽主義」の人は、己の欲を満たすために楽しいことを好き勝手やる傾向があります。そのため、自分にとっては得で楽しいことでも、周りにとっては迷惑になることも。その結果、トラブルメーカーになってしまうことも少なくないのです。
「享楽的」な人の特徴とは?
「享楽的」の意味が分かったところで、続いては、「享楽的」な人について詳しく紹介します。ポジティブな人は周りにもいるかもしれませんが、「享楽的」と呼べる人はなかなかいないのでは? 当てはまる特徴があるかどうか、ぜひチェックしてみてくださいね。
1:後先を考えない
「享楽的」な人は、「今」を楽しみたいという気持ちが強い傾向にあります。そのため後先のことは考えずに、突っ走ってしまうことも。突っ走るだけならまだ良いのですが、計画性がないため周りを巻き込んで迷惑をかけてしまうこともあるため注意が必要です。
2:お金の管理ができない
楽しく生きるためには、それなりにお金がかかります。しかし、「享楽的」な傾向のある人は楽しく生きるためにお金をかけることはいとわないという人が多いです。
それは、カジノやギャンブルで大金をつぎ込むまではいかなくても、毎日外食をしたり、欲しいと思ったら多少高くても買ってしまったりという日々の無駄遣いも当てはまるかもしれませんね。
3:自分の気持ちに正直
「享楽的」な傾向のある人は、自分中心に物事を考える人が多いです。自分が楽しく生きることに重きを置いているため、他人の気持ちに無頓着なところも。自分がやりたくない、嫌だと思ったことはしないという自分の気持ちに正直である反面、他人に迷惑をかけてしまうことがあります。
「享楽的」な人のメリットやデメリットとは?
「享楽的」の使い方や「享楽的」な人の特徴を見てきましたが、なかなか個性が強く、社会で生きるには難しい面も多いです。しかし、「享楽的」であることは必ずしも悪いこととは限りません。最後に、「享楽的」であることのメリットとデメリットについて迫っていきましょう。
メリット
「享楽的」であることのメリットは、後悔しない人生を送れることではないでしょうか。その時自分がやりたいことを堂々とやれば、仮に失敗したりうまくいかなくなったりしても、きっと「これが自分の人生だ」と納得できるはずです。
デメリット
反対にデメリットはどうでしょうか。自由に生きる反面、他人の反感を買ってしまうことがあります。自分が好き勝手することで他人に迷惑をかけてしまう可能性があるということは、常に忘れないでおきたいですね。
最後に
「享楽的」とは、「思いのままに楽しむこと」を指します。悪い意味合いで使われがちな言葉ですが、一度きりの人生を充実させるためには「享楽」のエッセンスも必要なのかもしれませんね。
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