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「満月」ってどういう状態?
夜空に光る、丸いお月様の「満月」について、あなたはどんなことを知っていますか? 本記事では「満月」を軸に月齢のことから、月の満ち欠けの各呼び名、月と潮の満ち引きとの関係までを紐解きます。
地球や人間に少なからず影響を与えている月について、改めて学んでみましょう。
◆「満月」について
「満月」とは、全面が明るく輝いてまん丸に見える月のこと。英語で「満月」はfull moon(フルムーン)。月と太陽の黄経差が180度となった時に起こります。「満月」と呼ぶ以外にも、「望」(ぼう)、「望月」(ぼうげつ・もちづき)とも言いますよ。
「満月」と対となるのは「新月」。新月の日は、月と太陽が同じ方向にあり、月全体が太陽光線を背後から浴びます。したがって、地球から月は見えません。
新月の別名は、「朔月」(さくげつ)。「朔」は「はじめ」という意味で、月の満ち欠けはここから始まるということを表しています。ここでもう1つ、「朔望」(さくぼう)という言葉についても覚えていってください。「 朔望」は、新月と満月のことを指していますよ。
◆満月と言えば「中秋の名月」
「満月」と言えば、「中秋の名月」(ちゅうしゅうのめいげつ)や月見団子を連想する、という人もいるのでは? 「中秋の名月」とは、旧暦8月15日(新暦9月頃)の夜の月のことを指します。また、「秋の真ん中に出る月」という意味も持っているんです。
旧暦では、毎月15日の夜はほぼ満月ですが、中秋の名月の夜は完全な満月になるとは限りません。それは、月の軌道が真円ではないことや、旧暦では一年の日数が異なることが理由に挙げられます。
昔から、「中秋の名月」は1年の中で最も空が澄み渡り、月が明るく美しいと言われています。ちなみに、2024年の「中秋の名月」は9月17日(火)。「中秋の名月」は、月見団子やススキを始めとした秋の七草を用意して、お月見をするのが一般的です。一年の中で一番美しい月をゆっくりと堪能したいですね。
満月を含む「月の満ち欠け周期」は月齢カレンダーでわかる
月は日々位置を変え、満ち欠けを繰り返しています。昔の人は、月の満ち欠けの周期から暦を作り、生活に役立てていました。月齢とは、月の満ち欠けの状態を知るための目安のこと。新月から何日経過したのかを表しています。月齢は、新月を0として翌日を1、翌々日を2… としながら、数を増やしていきますよ。
月齢の数値によって、月齢が7前後であれば上弦、15前後であれば満月、22前後であれば下弦、30に近い数字であれば次の新月が近い、ということを知ることができます。月の動きは複雑なため、月齢と満ち欠けの状態は必ずしも一致しないのですが、月の位相の目安にするのにはとても都合のいい覚え方です。
「満月~満月までの周期」は何日?
月の満ち欠けは、新月から三日月、月の右側が輝く上弦の月、そして満月になり、今度は欠けていくサイクルで動いています。元の新月に戻るまでの日数はおよそ29.5日。したがって、満月から満月までの周期は、29日間もしくは30日間となります。
満月を含む「月の満ち欠けの呼び名」とは?
これまで「満月」と「新月」について紹介してきましたが、他の月の満ち欠けの呼び名について知っているものはありますか? ここでは、有名な月の満ち欠けの呼び名と意味を列挙します。
新月(しんげつ)
昼間の太陽の方角に月が出ているので、地球からは見られない月のことを「新月」と言います。新月は、月齢計算の起点となると先述しました。これから登場する月の満ち欠けの呼び名は、すべて新月を起点としていますよ。
三日月(みかづき)
新月から3日目の月は、三日月。円弧状の細い範囲が輝いています。初月(はつづき)、若月(わかづき)、眉月(まゆづき)など異称を多く持っているのも特徴です。
上弦の月(じょうげんのつき)
上弦の月とは、新月から満月に至る間の半月のこと。月の西半分が輝きます。弓の形に似ているので、「弓張月」(ゆみはりづき)とも言いますよ。
十三夜(じゅうさんや)
十三夜は、満月に次いで美しいとされる月。ほんの少しかけている姿に、風情を感じるのかもしれません。狭義には、旧暦9月13日を指します。
十五夜(じゅうごや)
旧暦の15日の夜、そして満月の夜を指します。また、特に旧暦の8月15日を指して、「十五夜」と呼ぶこともありますね。先述したように、旧暦の8月15日は「中秋の名月」とも言いますよ。
十六夜(いざよい)
旧暦16日の夜の月のこと。月の出が満月よりやや遅くなるのを、「月がためらっている」と見立て、「いさよう」と表しました。なんとも風流ですね。新月に向かって、少しずつ欠けていく月となります。特に旧暦の8月16日の月を指すことが多いですよ。
下弦の月(かげんのつき)
上弦の月とは反対の東側半分が輝く月を、下弦の月と言います。満月の後の半月で、現れるのは遅い時間(夜中の12時前後)。上弦の月と同じく、下弦の月も「弓張月」と言いますよ。
晦日(三十日)月(みそかづき)
月が太陽に近すぎて姿が見えないことから、「月隠」(つきごもり)が変化した晦日(つごもり)は、毎月の最終日のこと。旧暦の月の末日には月が出ないことから、晦日(三十日)月は、あり得ないことを例える際にも使われます。
月の満ち欠け(引力)が引き起こす「潮の満ち引き」について
地球上での潮の満ち引きは、月の引力が海水を引っ張るために起きている現象なのです。なんだか壮大な話ですよね。月に近い海は、いつも満ち潮(みちしお)になります。
また、その反対側にある海も同時に満ち潮になるんです。そして、その間にある海は海水が減るので、引き潮(ひきしお)になります。地球は1日1回自転するので、およそ6時間ごとに満ち潮・引き潮を繰り返しているんですよ。
ちなみに、潮の満ち引きは、太陽の引力も影響しています。しかし、太陽は月よりもずっと遠くにあるため、その引力は月の半分ほどしかありません。
新月や満月の頃になると、太陽と月と地球が一直線上に並ぶため、互いの引力がプラスされ、海面はいつも以上に大きく引き寄せられます。この現象は、大潮(おおしお)と呼ばれています。このように地球の潮の満ち引きは、月と太陽の影響を受けているのですね。
最後に
「満月」を中心に、月の月齢から満ち欠け、潮の満ち引きとの関係までご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか? 私たちが暮らす地球と月との密接な関係が伝わったことと思います。
旧暦では月の満ち欠けで日にちを数えていたため、昔の人は満月を目にしたら「今日は15日だ」と認識していました。月との結びつきが、今よりも強固だったのです。時には先人に倣って、夜空に輝く月を観察するのもいいですね。
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