「感慨無量」という言葉を聞いたことはありますか? 耳にしたことはあるけれど、意味をうまく説明できない人もいるのでは。本記事では知っていそうでよく知らない「感慨無量」という四字熟語について、深く掘り下げていきましょう!
「感慨無量」の意味は? 感無量とは違う?
「感慨無量」とよく似た言葉で「感無量」という言葉があります。感無量の方が、聞き馴染みがあるかもしれませんね。よく似た2つの言葉ですが、意味や使い方は違うのでしょうか?
読み方
まず、「感慨無量」の読み方をチェックしておきましょう。「感慨無量」は「かんがいむりょう」と読みます。感無量は「かんむりょう」。特に難しい点はないので、覚えやすいですね。
意味
「感慨無量」とは、しみじみとした気持ちが、はかり知れないほど大きいこと。感慨と無量の2つの言葉に分けることができ、感慨とは「深く感じ、しみじみとした気持ちになること」、無量とは「はかりきれないほど多いこと」という意味。
「しみじみした気持ち」という部分からも、悪いことよりも、いいことや嬉しいことがあった時に、よく使われている印象があります。
感無量との違い
よく似た「感無量」という言葉ですが、実は「感慨無量」と同じ意味。「感慨無量」を略した言葉で、まったく同じように使えます。「感無量」の方が若干短くシンプルで、普段から耳にする機会も多いですね。
使い方を例文でチェック!
「感慨無量」という言葉、どんなシチュエーションで使うのが正しいのでしょうか? 具体的な例文を用いてチェックしましょう! どの使い方も、感無量と言い換えてOKですよ。
1:最愛の娘がついに結婚し、感慨無量だ
「感慨無量」という言葉は、結婚や出産など、ライフイベントにぴったり。人生の中でたった1回、あるいは数回しかない大きなイベントでは、さまざまな感情が大きく揺れ動き、涙が浮かぶことも…。そんな時にはぜひ、「感慨無量」を使ってください。
2:ずっと大好きだったアイドルに会えて、感慨無量だ
「感慨無量」は、普段はあまり見たり会ったりする機会がない、自分の大好きなものや珍しいものに出会えた時にもぴったりな言葉です。俳優、アイドル、キャラクターだけでなく、山頂からの景色や、満天の星空などの「絶景」も、目にした瞬間感動して言葉を失ってしまいますよね。「感慨無量で、言葉につまる」というフレーズもよく使います。
3:何年も前から準備してきたプロジェクトが無事に終わり、感慨無量だ
長い年月をかけて準備してきたものが、無事に完了・成功した時にも、「感慨無量」はぴったり。いままでの苦労や努力が一気に思い出されたり、ほっと安堵したり、言葉にできない感情が湧き上がりますよね。また、長年会っていなかった友人に会えた感動の瞬間なども、「感慨無量」はぴったりです。
類語や言い換え表現は?
「感慨無量」について詳しくわかったところで、類語や言い換え表現もチェックしておきましょう! 新しい言葉を知る時は、他の言葉も関連づけて覚えると覚えやすく、とっさの時にも使いやすくなりますよ。
1:感慨深い
「感慨無量」と同じ「感慨」が含まれる、「感慨深い」という言葉があります。意味は、「しみじみと、心に強く感じること」。「感慨無量」よりもよく耳にしますね。書く時も話す時も、「感慨無量」よりも気軽に使えそうです。
2:感慨多端
「かんがいたたん」と読む四字熟語。あまり見慣れない言葉ですね。「感慨」と「多端」の、2つの言葉に分けることができます。「多端」とは、「複雑で多岐にわたり、多いこと」という意味。「感慨無量」の「無量」も「はかりきれないほど多いこと」を意味する言葉でしたね。若干のニュアンンスの違いはありますが、ほとんど同じ意味で使えますよ。
3:万感
「ばんかん」と読み、意味は「心に沸き起こる、さまざまな思い」。あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、短く覚えやすいですよね。「万感の思いだ」「万感胸に迫る」のように使います。
英語表現は?
最後に、英語表現を確認しておきましょう! 言語や文化が違っても、同じものを見て感動することがあるはず。その時の気持ちを、相手とも共有できると楽しいですよね。例文も踏まえて見ていきましょう。
1:be deeply moved
「be deeply moved」で、「感慨無量」と同じ意味を表します。deeplyは「深く」、movedは「心を動かされる、感動する」という意味。「君の卒業に感慨無量だ」と言いたい時は、「I am deeply moved because of your commencement.」と言うと伝わりますよ。
2:be overwhelmed with emotion
overwhelmedは「圧倒された」という意味の形容詞。emotionは「感情」という意味なので、「be overwhelmed with emotion」で「感情に圧倒された」つまり、「感慨無量」と同じような意味で使うことができます。「full of emotion」と表現してもいいですね。
「大きな仕事が終わって感慨無量だ。」と言いたい時は「I am overwhelmed with emotion after completing a big job.」と言ってみましょう。
3:be speechless
「感慨無量」な時、言葉が出ないことがよくありますよね。その様子を表した「be speechless」という表現も便利です。speechlessは「大きな感情で何も言えない」「言葉では言い表せない」という意味を持ちます。良いことだけでなく、悪いことにも使えるフレーズ。
「憧れの人に会った時、感慨無量で言葉に詰まった。」と言いたい時は、「I was speechless when I met the person I admire.」と表現できます。
最後に
「感慨無量」という四字熟語について、意味や使い方、言い換えや英語表現まで紹介しました。「感無量」は「感慨無量」の略で、同じ意味でしたね。
感動している時の気持ちは、なかなか言葉に表すことが難しいもの。しかし、他の人ともその気持ちを共有できれば、感動もひとしおです! 「感慨無量」や「感無量」を使って、うまく伝えてみてくださいね。
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