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2024.03.23

「エッセイ」って何? 小説や作文との違いは? 書き方のコツもまとめました

現代では、ブログやSNSで気軽に自分の文章を書き記すことができますが、中には好きなことや体験したことについて「エッセイを書いてみたい」と思う人もいるのではないでしょうか? 本記事では、「エッセイ」とは何なのか、小説や作文との違いや、書くうえでのコツについて解説していきます。

「エッセイ」ってどんな文章?

自分らしい視点で物事の一面を切り取ってみたり、”推し”を情熱的文章でさらに推して、より深く沼ってみたり。「エッセイ」にはそんな、自分の好きなことを心赴くままに記せる良さがあります。

(c)Shutterstock.com

というわけで本記事では「エッセイ」について深掘りしていきます。まずは改めて、意味の確認から。

「エッセイ(essay)」の意味を辞書で調べてみると、

自由な形式で意見・感想などを述べた散文。随筆。随想。(<小学館デジタル大辞泉>より)

となります。つまり「自分が感じたことや体験したことなどを、自由な形式で書いたもの」が「エッセイ」と呼ばれます。「エッセイ」とはもともと、「試み」を意味するフランス語が由来となっており、フランスの思想家モンテーニュの『エセー』が有名です。

日本では一般的に「随筆」という意味で使用され、文学のジャンルの一つとして確立しました。日本での「エッセイ(随筆)」の歴史をたどってみると、平安時代中期の清少納言が書いた『枕草子』から始まっています。日常生活で起きるさまざまな物事を、女性ならではの目線で観察し、機知とユーモアに富んだ文章で書き綴っているのが特徴です。

また、鎌倉時代後期には吉田兼好が『徒然草』を書き、世俗を離れた隠遁者として生活を送る中で、人生のあらゆることを筆にまかせて考察しました。その後時代は下り、1951年に日本エッセイストクラブが設立され、賞が設けられています。

それから、エッセイの書き方などのマニュアル本も多く出版され、雑誌や本などで自分の日常や感じたことを綴る「エッセイスト」という職業も認知度が上がりました。エッセイスト以外にも、俳優やモデル、芸術家など多くの人から人気や注目を集める人たちの私生活を綴ったエッセイも人気がありますね。

近年は、ブログやSNSの発達で、プロでなくても自分の文章を世界中の人に発信することができる世の中になりました。

「エッセイ」と小説や作文との違い

文学のジャンルには、「エッセイ」の他にも小説や作文などがありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか? 文章を書きたいけれどどんなジャンルを書くか迷っている方は、参考にしてみてくださいね。

(c)Shutterstock.com

「エッセイ」と小説との違い

まず、「エッセイ」と小説の違いから説明していきましょう。「エッセイ」は先述したように、自分の体験したことや考えを文章で書き綴ったものとされています。大抵は事実をもとにした話が書かれているため、ノンフィクションと言える内容のものもあるでしょう。

反対に「小説」の場合は、物語の主人公が体験する架空の話なのでフィクションといえます。近代文学のジャンルの一つで、主人公の体験や事件など物語を通して、人間の生き方や社会へのメッセージを伝える表現方法です。

「エッセイ」と作文との違い

「エッセイ」と作文は非常によく似ているため、違いがわからない方も多いはず。辞書で作文の意味を確認してみましょう。

1. 文章を書くこと。また、その文章。2. 小・中学校などで、国語教育の一環として、児童・生徒が文章を書くこと。また、その文章。(<小学館デジタル大辞泉>より)

主に、学校などで生徒が書く感想文を「作文」ということが多いですね。夏休みの出来事や運動会などのイベント、読書感想文などがその例です。「〜して楽しかった」「〜だと思った」など、体験をして感じたことを書くのが「作文」で、あくまでも自分がしたことを自分目線で書き綴るところが特徴です。

体験や感想を綴るという点で「エッセイ」も同じものなので、両者に明確な違いはありませんが、ニュアンスとしては、出来事や思ったことを淡々と書き綴っていくのが「作文」で、読者が共感する事柄を織り交ぜたものが「エッセイ」と呼べるかもしれません。

「エッセイ」の書き方におけるコツとは?

「自分の感じたことをエッセイにしてみたい!」と思う方も多いはず。ここでは、実際に「エッセイ」を書くときのコツを紹介します。興味のある方はぜひチェックしてみましょう。

(c)Shutterstock.com

テーマを決める

「エッセイ」を書いてみたいけれど、漠然としている… という方は、まずは「エッセイ」のテーマを考えてみましょう。食べ物のことや恋愛、育児など自分が興味のあることや体験して面白かったことなどを紙に書き出してみるのがおすすめです。例えば、食ベることが好きなので食べ物にまつわる話を書きたいという場合は、「食べ物」というテーマをさらに掘り下げてみましょう。

その次に、自分が日々作った料理やレシピについて書きたいのか、それともカフェやレストランなど食べ歩きをしたことの感想を書きたいのか?など、具体的に絞り込んでいきます。そして、「子供に作った朝ごはん」や「レトロな喫茶店巡り」などのテーマが決まったら、それに関する本を読んで参考にしてみたり、喫茶店にいくたびに文章や写真をまとめて、ブログで発信したり、賞に応募してみましょう。

テーマを絞ることも、読者に伝わりやすい「エッセイ」を書くコツですよ。

読者を意識する

自分の感じたことを書く、というと日記を思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、日記は個人的なもので、自分だけが読む場合が多いでしょう。それに対して、「エッセイ」は、自分の思いや体験を人に読んでもらうための文章となります。そのため、例えば、「今日は仕事が休みだったので、友達とカフェに行けて楽しかった」という文章は日記であり、エッセイとはいえません。

出来事を淡々と記述するだけではなく、「どうしたら読者に面白さが伝わるか?」「読者が共感できることはなんだろう?」など、読者の立場に立って文章を作っていく客観性を持つことも、面白い「エッセイ」を書くコツですよ。

ひたすら書いてみる

テーマを決め、ある程度エッセイについて学んだら、あとはひたすら書いてみましょう。最初は、うまく書こう面白く書こうとは思わずに、一つ作品を書き上げることを目標にどんどん書いて回数を重ねることが大切です。書いていく中で、自分の独自の表現方法やオリジナリティを発見できるでしょう。

何作か仕上がったら、今度はそれを読者目線で読み返して、言葉選びを変えてみたり、感想の中に読者が求める情報などを書き加えてみましょう。次に生かしていくことで、より魅力的なエッセイが書けるようになるはずですよ。

最後に

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「エッセイ」の意味や小説・作文との違い、「エッセイ」を書くコツなどは理解できましたか? 自分の感情や体験したことなどを、素直な感性で形にできることが「エッセイ」の魅力。書くことでより自分の日常を大切に思えるようになったり、自分らしさを発見できるきっかけにもなるはずです。

また、エッセイを書くことを通じて、好きなもので繋がる仲間もできそうですね。文章は書くことが一番の上達の秘訣。まずは気負わず楽しく書くことから始めてみましょう。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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