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ニキビのかさぶたは治りかけの状態？
「ニキビをひっかいてしまったらかさぶたになってしまった…」という経験はありませんか？これから、ニキビのかさぶたはどうしてできるのか、また、早く治す方法、上手な隠し方などについて解説していきます。
ニキビが治る過程
まずは、できたニキビがどのようにして治るのか、その過程を見ていきましょう。
ニキビの原因
そもそもニキビとは、毛穴に皮脂が溜まり、そこにアクネ菌などの細菌が増殖することによって炎症を起こすことをいいます。
ニキビの原因となるのは、過剰な皮脂、角層細胞（肌表面の角質を構成している死んだ細胞）によって引き起こされる「毛穴のつまり」や、アクネ菌などの「細菌」、アンドロゲン（男性ホルモン）が過活動することなどが挙げられます。
ニキビの出血
ニキビは毛穴が皮脂などによってつまり、アクネ菌が増殖して炎症を起こすことでできます。この炎症が起きた部分をひっかいたり、つぶしたりして傷つけると、出血します。
かさぶたになる
出血した血液成分の一部などが出血した部分で固まります。この固まった部分がかさぶたです。
かさぶたの下ではゼリー状の液がたまっています。このゼリー状の液の中で盛んに細胞の分裂が行われることで、傷が治っていくのです。
かさぶたが自然にはがれる
その後、かさぶたは自然に剥がれていきます。そして、ターンオーバーによって新しい肌が再生されていくことで、ニキビのできていない元の肌に戻ります。
「ニキビをいじった」ことが原因でかさぶたになる
前述したとおり、ニキビのかさぶたはニキビが治っていく過程でできるものです。ニキビが治る過程において、どの部分が原因でかさぶたができるのかというと、「ニキビをいじったこと」によります。
また、ニキビのかさぶたはスキンケアのときの刺激でもできることがあります。その場合は、「大きなニキビが小さくなったとき」や、「小さくなったニキビが少しずつ元の肌に戻っているとき」といった、ニキビがよくなっているときにできやすいです。
ニキビのかさぶたへやってはいけないNG行為
次のようなNG行為は、ニキビそのものを悪化させる、治りが遅くなることにつながります。やらないように気をつけましょう。
触る
スキンケアのときや、ふと顔に手を当てたときなど、ニキビのかさぶたについつい触ることがあるかもしれません。しかし、ニキビのかさぶたに触るのはNGです。
かさぶたの下では傷を修復している状態です。かさぶたをはがしたり、触ったりすることでニキビが悪化し、ニキビ跡になることもあります。
かさぶたは触らずそのままにしておきましょう。
紫外線を浴びる
ニキビのかさぶた部分は紫外線の刺激を受けやすくなっています。というのも、かさぶた部分の肌は傷ついていてとてもデリケートな状態だからです。ニキビのかさぶたには、日傘をさす、帽子をかぶる、日焼け止めを塗るなどして、万全の紫外線対策を行いましょう。
なお、日焼け止めは敏感肌用のものなら、かさぶた部分の刺激になりにくく、おすすめです。
乾燥
かさぶたを乾燥させると、かさぶた自体が厚くなったり、かゆみが出る場合もあります。乾燥させないためにも、保湿クリームなどで保湿をしっかりと行うことも大切です。
ニキビのかさぶたの上手な隠し方
ニキビのかさぶたを「見せたくない」という人は多いことでしょう。ここでは、上手に隠す方法をご紹介します。
ニキビパッチを使う
ニキビパッチとは、「ハイドロコロイド」という親水性ポリマーでできたニキビ部分に直接貼るパッチのことをいいます。貼るだけで、刺激や紫外線からニキビを保護できるのが特徴です。
ニキビのかさぶたにニキビパッチを貼れば、目立たなくさせるのはもちろんのこと、かさぶたをはがしたり、かさぶた部分に触れたりすることを防げます。
潤いを与える
ニキビのかさぶたは、かさつきがあることもあります。そのような場合に有効なのが「保湿」です。高保湿の基礎化粧品や保湿クリームといった保湿剤を使って、肌に潤いを与えることでニキビのかさぶたが目立たなくなります。
ポイントメイクをしっかりめに
ニキビのかさぶたを隠すのではなく、その部分に視線がいかないようにする方法をご紹介しましょう。それは、アイメイクやチーク、リップなどのポイントメイクをしっかりとすることです。ポイントメイクをしっかりすれば、そちらのほうに視線がいき、ニキビのかさぶたが気になりません。
ニキビのかさぶたを隠そうとファンデーションを厚く塗ったり、コンシーラーなどを使ったりすると、返って治りが悪くなります。ベースメイクは薄めにするのがおすすめです。
ニキビのかさぶたが早く治る方法
ニキビのかさぶたは、どうすれば早く治るのでしょうか。その方法をご紹介しましょう。
ニキビのかさぶたは何日で治る？
ニキビのかさぶたは、ニキビの状態が軽ければ1週間〜10日程度で治るでしょう。しかし、かさぶたが細菌を通してしまうと、かさぶたの下で細菌が増殖してしまうので、治るのに10日以上かかることもあります。
かさぶたに触らない
かさぶたはどうしても気になってしまい、はがしたくなったり、触ったりしてしまいがちです。しかし、これらの行為は治りを遅くしてしまいます。
かさぶたは、新陳代謝によって自然にはがれます。決してかさぶたに触らず、自然に剥がれるのを待つことが、ニキビのかさぶたを早く治す1番の方法です。
ニキビの予防をする
ニキビのかさぶたは、ニキビが発生したことによってできたものです。よって、そもそもニキビができないよう予防しておけば、ニキビのかさぶたもできることはありません。また、かさぶたができているニキビ自体を悪化させないためにも、ニキビの予防を行いましょう。
ニキビの予防には、次のようなことが有効です。
・ていねいなスキンケアを行う
・スポンジや化粧ブラシ、シーツや枕カバーといった直接肌に触れるものは清潔に保つ
・バランスのよい食事を摂る
・十分な睡眠時間を確保し、睡眠の質を高める
・ストレスを溜めない
保湿
ニキビのかさぶたには、保湿が重要です。保湿することでかさぶたに潤いを与え治りを早くし、かゆみも抑えることができます。
保湿剤を選ぶときには、にきびのもとになりにくい「ノンコメドジェニックテスト済み」の表記があり、低刺激のものを選ぶとよいでしょう。
ビタミンC・Eの摂取
ニキビのかさぶたは、新陳代謝によってはがれます。そのため、新陳代謝を促進する作用をもつ栄養素「ビタミンC」「ビタミンE」を摂取するのもおすすめです。
ビタミンCを多く含む食べ物には、キウイフルーツやブロッコリー、アセロラなどが、ビタミンEを多く含む食べ物にはアーモンドやアボカド、オリーブオイルなどがあります。なお、食べ物や飲み物で摂取できない場合には、サプリメントを活用すると手軽です。
市販薬の使い方
にきびのかさぶたに市販薬を使う場合には、ニキビの状態に合わせて市販薬を選ぶことが大切です。
白くぽつぽつとした「白ニキビ」には、アクネ菌の増殖を阻止するイソプロピルメチルフェノールやレゾルシンなどの殺菌成分が入った塗り薬を。
炎症が起きている「赤ニキビ」には、グリチルレチンなど炎症を抑える成分が配合されている塗り薬で対処しましょう。
黄色く膿んでいる「黄ニキビ」には、抗生物質、または抗炎症成分が配合された市販薬がよいでしょう。
なお、症状が改善しない場合には、医師に相談することをおすすめします。
ニキビのかさぶたは治る一歩手前
ニキビのかさぶたは、ニキビが治る過程でできるもの。触ったり、はがしたりすると治りが遅くなるため、自然にはがれるのを待つことが肝心です。上手に隠しつつ、早く治す方法を試して、元の肌に戻しましょう！
TOP画像／(c)Shutterstock.com
監修者：天下茶屋あみ皮フ科クリニック院長 山田貴博先生
名古屋市立大学医学部卒。NTT西日本大阪病院にて初期臨床研修。大阪大学医学部神経細胞生物学教室助教を経て、阪南中央病院皮膚科勤務。2017年6月天下茶屋あみ皮フ科クリニック開院。
