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BEAUTY

2020.06.13

【医師監修】大人ニキビやニキビ跡の治療には保険がきく? 原因・種類・治療法を解説

大人になってできるニキビは思春期ニキビと違って、ニキビ形成の原因が複合的です。今回は、大人ニキビの特徴や治療法に加え、ニキビ跡の種類や治療法についても紹介。はなふさ皮膚科・花房火月先生が解説します。

はなふさ皮膚科 花房火月(はなふさ ひづき)先生

大人ニキビの特徴を知って適切な対処を

(c)Shutterstock.com

何歳になってもニキビで悩む人は多くいます。ニキビは思春期に最も多くみられますが、大人になってもニキビが治りきらないという方は多くいます。また大人になってからニキビができるようになったという方も珍しくありません。

思春期のニキビはいわゆるTゾーン(額は鼻周辺)にできやすいのに対し大人のニキビの特徴は、フェイスラインや顎のあたりにニキビができやすいのが特徴です。

思春期のニキビは、男性ホルモンの急速な増大により皮脂の分泌が急速に増えることと、毛穴の出口付近の角質が分厚くなり皮脂の通過が悪くなることの二点が主な原因として分かっています。思春期のニキビが比較的原因がはっきりしているのに対し、大人ニキビは原因が複合的で色々な要素が混じりあっています

◆大人ニキビができやすくなる原因って?

(c)Shutterstock.com

ホルモンバランスの乱れ
月経前にニキビが悪化する方が多いことがよく知られています。

化粧品
化粧品の中でも油分の多いものは毛穴の閉塞に繋がりやすく、長期間つけていたり、洗い忘れがあるとニキビの原因になります。また、最近の化粧品は防腐剤フリーであることも多く、化粧品が古くなれば雑菌が繁殖し、それを皮膚につけることでニキビの原因に挙げられます。

摩擦
顔をこするのはもちろんのこと、頬づえをつく、髪の毛の先が擦れる、シーツが擦れるといった微細な刺激でもニキビになりうることがあります。後述する通り、マスクの摩擦によるニキビも増えています。

食生活
一部の乳製品や甘いものの摂取しすぎると、ニキビができやすくなることが分かっています。バランスの良い食事を意識しましょう。

ストレス・寝不足・運動不足・便秘
これらもニキビの原因として有名です。

マスク
最近では、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、マスクをする方が増えています。マスクに伴いその蒸れや摩擦、さらにはマスク内での雑菌が繁殖し、ニキビができる方が増えています。

◆〈ニキビの治療法〉保険治療と自費治療

(c)Shutterstock.com

ニキビの治療は、保険治療である程度までは治療をすることができます。

保険が効く治療には以下が挙げられます。

・アダパレン外用薬
・過酸化ベンゾイル外用薬
・抗生物質外用薬
・抗生物質内服

これらの薬で半数以上の方は満足いく結果を得られると思います。

もしこれらの治療で十分改善しない、薬が肌に合わないという場合は、自費治療になります。

ニキビの自費治療は、以下が主です。

・ケミカルピーリング
・フォト治療
・レーザー治療

自費治療は保険が効かないので、料金を確認してから受診するといいでしょう。受診される際は、皮膚科専門医、もしくは形成外科専門医の在籍しているクリニックに受診するようにしましょう。

ニキビ跡の種類と治療法

(c)Shutterstock.com

ニキビ跡にも色々と種類があり、赤みが残ったものや塊になったもの、そしてクレーター状になったものなどがあります。

クレーター状のニキビは形状的に3つに分類されます。

ローリング型
ボックスカー型
アイスピック型

これらが単一で存在することは少なく、複数混じっていることが普通です。

◆ニキビ跡の治療法は症状によってさまざま

(c)Shutterstock.com

ニキビ跡の赤みは炎症後紅斑(えんしょうごこうはん)と呼ばれ、パルス色素レーザーフォト治療で治療をおこないます。ニキビ跡は、自然に改善することも多いです。

ニキビ跡が塊のなったものは、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)、ケロイドと呼ばれており、ステロイドの注射トラニラストの内服手術により治療をします。

これらの治療はそれほど難しいものではないのですが、ニキビ跡の中で、最も長期的に問題になるのはクレーター状のニキビ跡。これは陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)と呼ばれています。次の章で詳しく説明します。

◆高度な技術を要するクレーター治療

(c)Shutterstock.com

ニキビ跡のクレーター治療について、これは近年までは有効な方法はなかったのですが、現在ではCO2REというフラクショナル炭酸ガスレーザーの機械が厚労省の認可を取得し、その治療に大きな前進が見られています。

フラクショナルレーザーとは、点状にレーザーを照射することで、副作用を抑えながら皮膚の再生を促す治療法のことです。ニキビ跡に何度かフラクショナル炭酸ガスレーザーを照射することで、皮膚に微小な傷を作り、その再生を促すことでニキビ跡を平坦化させる効果があります。副作用は、腫れやカサブタ形成、赤みの持続、色素沈着といったものがあります。

その他にもクレーター(特にローリング型)に対してはサブシジョンという手術方法が考案されております。サブシジョンというのは真皮切断術とも呼ばれ、特殊な針を使って、真皮を切断し、ニキビ跡を盛り上げる手術方法です。

そのほか、様々な手術法があり近年目覚ましい進歩を遂げていますが、高度な技術が必要となり治療をおこなえるクリニックは限られていると思います。いずれも保険適応外となり治療料金はクリニックごとに異なりますので、治療をご検討中の方はホームページなどで確認するといいでしょう。

こちらも必ず皮膚科専門医、もしくは形成外科専門医の在籍しているクリニックに受診するようにしましょう。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

はなふさ皮膚科・花房火月先生

はなふさ皮膚科 花房火月(はなふさ ひづき)先生

1979年生まれ、大阪府出身。東京大学医学部卒業。癌研究会有明病院、東京大学医学部附属病院、NTT関東病院などでの研修を経て、2011年、東京都三鷹市にてはなふさ皮膚科を開業。現在、都内近郊に6院を展開し月間の皮膚外科手術数200件以上、全国各地から患者さんがやってくる。

はなふさ皮膚科

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