【目次】
・気になる身体の数値“コレステロール”
・コレステロールが身体に与える【影響】とは?
・血中脂質が気になるときの【飲み物】
・美味しく食べて身体も喜ぶ【食材・オイル】
・コレステロールにアプローチする【レシピ】
・最後に
気になる身体の数値“コレステロール”
善玉・悪玉・HDL・LDLなど、これまでの生活習慣が数値化されてしまうような印象のコレステロール。高いとどうなる? 改善するにはどうしたら? コレステロールの働きや、今すぐできる対策などを紹介していきます。
コレステロールが身体に与える【影響】とは?
健康診断でも分かるHDLやLDL…。コレステロールにはどんな働きがあるのでしょうか。それぞれがもつ役割や、気をつけるべきことを確認しましょう。
【1】コレステロールとは?
教えてくれたのは… 加藤杏奈先生
[産業医・労働衛生コンサルタント]
■【総コレステロール・中性脂肪】
血管を強化するコレステロール。エネルギー源として大切な中性脂肪。どちらも大切ですが、多すぎると動脈硬化を進行させて心筋梗塞や脳卒中のリスクとなります。
■【HDLコレステロール】
善玉コレステロールとも呼ばれるHDLコレステロールは、動脈硬化を阻止する働きがあります。低値の場合は原因として喫煙・肥満・運動不足を考えますが、生まれながらに低いこともあります。
■【LDLコレステロール】
LDLが高い場合、またはHDLが40mg/dl未満の場合は脂質異常症が考えられ、食事や運動習慣の改善から取り組む必要があります。
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【2】コレステロールの改善に運動を勧める理由
健康の維持には運動がいいと言われていますが、どのようにいいのでしょうか?
教えてくれたのは… 高橋怜奈先生
[日本産婦人科学会専門医]
運動をすることで身体的に期待できる主な効果は、次のとおりです。
・善玉コレステロールが増え、動脈硬化予防になる
・血行が良くなり、肩こりや冷えが改善する
・疲れにくくなる
・筋肉が増え、骨が丈夫になる
・抵抗力が高まる など
いつもより歩幅を大きくして歩く・ひと駅分歩いてみる・テレビを見ながらストレッチや筋トレをするなど、簡単なものでOK。息がはずむ程度の運動を週2回・30分以上を目安に取り入れましょう。
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血中脂質が気になるときの【飲み物】
仕事の休憩時や食事の際に取り入れられる“飲み物”でコレステロールケア。毎日の習慣にプラスしやすいのが嬉しいですね。
【1】緑茶
緑茶に豊富に含まれている“カテキン”は、抗酸化作用で知られているポリフェノールの一種。免疫力をアップしたり、脂肪とコレステロールの吸収を抑える効果が期待できます。
また、悪玉コレステロールの低下をサポートするクロロフィルや、生活病のサポートをするビタミンCなど、多くの成分が緑茶に含まれています。
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【2】抹茶
そんな頼もしい“カテキン”は、抹茶にも多く含まれています。
カテキンには糖質や脂肪の吸収を抑える働きがあることが知られていて、特定保健用食品にも利用されている成分。悪玉コレステロールや中性脂肪といった血中脂質を減少させる作用があり、生活習慣病のケアにも有効です。
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【3】アーモンドミルク
教えてくれたのは… 井上浩義先生
[慶應義塾大学医学部科学教室教授。医学博士。理学博士]
アーモンドと水から生まれた植物性の飲料、アーモンドミルク。
アーモンドの栄養素をまるごと摂れるうえ、ヘルシーなのが魅力です。牛乳よりも低カロリー・低糖質で、コレステロールゼロのアーモンドミルクがおすすめ。
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【4】ココア
栄養学において、ココアに豊富に含まれているポリフェノールは、コレステロール値の改善・血圧の改善に役立つとされています。
大腸にも作用して整腸作用も期待できるので、便秘が気になる人にもおすすめ。
美味しく食べて身体も喜ぶ【食材・オイル】
毎日のおかずに取り入れたり、いつものオイルをチェンジしたり。食事の改善・食事療法を意識したい人はコチラ! また、フルーツをおやつにするのもおすすめです。
【1】高野豆腐
ダイエット食としても人気の高野豆腐。
高野豆腐の33.2%を占める成分が脂質。脂質といっても、そのおよそ8割は中性脂肪や悪玉コレステロールを減らしたり、血管の健康を維持しつつ血栓や高血圧を防ぐ働きのある不飽和脂肪酸です。
大豆のタンパク質に含まれている“レジスタントタンパク”は、高野豆腐の凍結・熟成などの製造の過程で増えることがわかっており、コレステロールからつくられる胆汁酸と結合して外に排出されるため、血中のコレステロールを減らす作用があると考えられています。
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【2】貝類
しじみ・アサリ・はまぐりなどの貝類に含まれている成分“オルニチン”は利水作用のほかに、コレステロールを抑制したり高血圧予防の作用があるとされています。
食べ過ぎ飲み過ぎで肝臓や胃に負担がかかっている時にもおすすめ。
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【3】椎茸・舞茸
気力や元気の「気」を補ってくれる椎茸や舞茸。気力がないと感じる時には、同じく補気作用が高い鶏肉との料理がおすすめ。いずれも血中コレステロール値の抑制への効果が期待できます。
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【4】桃
桃に含まれる“水溶性食物繊維”は、血糖値の急上昇を防いだり、コレステロールなどの余分な脂質を吸着し排出する作用があります。
桃は、基本的に低カロリー・低脂肪な果物ですが、フルーツに含まれる“果糖”の過剰摂取は中性脂肪の蓄積を招くこともあります。そのため、桃を食べるタイミングは、夜よりも朝や日中に食べるのがおすすめ。
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【5】キウイフルーツ
ビタミンCが豊富で、美肌づくりなどにも役立つキウイフルーツ。コレステロール値の上昇を抑える食物繊維や、高血圧の予防・改善に効果が期待できるカリウムも多く含みます。
【6】みかんの○○
みかんの皮をむくと表れる白い筋。これは“アルベド”という組織で、果実へ養分を運ぶ役割があります。
また、食物繊維やビタミンPが豊富に含まれているアルベドは、毛細血管を強化し、コレステロール値を改善するなどの効果があるとされています。
【7】オイル類
レシピに取り入れて楽しみたいオイル類。コレステロールが気になる人にはどんなオイルがおすすめなのでしょうか?
元素の結合の仕方の違いから「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられるオイル。必須脂肪酸と呼ばれるオメガ3系・6系は、体に必要不可欠でありながら、体内で作ることができないオイルです。
■オメガ3(青魚の油・亜麻仁油・エゴマ油 など)
血中の善玉コレステロールを高め、中性脂肪を低下させて血液をサラサラに。
■オメガ6(べに花油、コーン油、ひまわり油、サラダ油、ごま油 など)
身体機能の維持に欠かせないものの、善玉コレステロール濃度を下げてしまう一面もあるので注意。
■オメガ9(オリーブオイル、アボカド油、菜種油 など)
血中の善玉コレステロール濃度はキープし、悪玉のみを下げる。
※調理加熱用には、悪玉コレステロール濃度を下げるオメガ9系オイルがおすすめです。
コレステロールにアプローチする【レシピ】
血中の悪玉コレステロールを上昇させるトランス脂肪酸(TFA)を含まない「ココナッツオイル」や、糖尿病の予防・コレステロール低減などダイエッターからも注目の的の「もち麦」を使ったレシピ等を紹介します。
【1】ゴーヤの味噌漬け
【材料】
ゴーヤ:1本
塩:ゴーヤの1%
<A>
味噌:40g
シュガー:10g
酒:10g
鷹の爪:1/2本
リキッドココナッツオイル:50g
【作り方】
1. ゴーヤは縦半分に切り、種・わたを取り除き2~3mmに切る。塩をまぶし30分ほど置く。
2. ボウルに[A]を混ぜ合わせ、[1]の水気を切り、[A]とあえる。
3. 1日漬けたら出来上がり。
【2】糸こんにゃくのヤムウンセン風
【材料(2人分)】
糸こんにゃく:200g
いか:50g
干しえび:大さじ1
セロリ:1/2本(50g)
紫玉ねぎ:1/4個(20g)
塩:少々
デシケイテッドココナッツ ロング:少々(なくてもよい)
<A>
ナンプラー:大さじ1(12g)
レモン汁:大さじ1(10g)
鷹の爪:1本
リキッドココナッツオイル:大さじ1
【作り方】
1. いかは食べやすい大きさに切り、さっとゆでる。
2. 糸こんにゃくをゆで、ざるにあげ冷まし、3等分に切る。
3. セロリ、紫玉ねぎを薄切りにする。
4. ボウルに[A]の材料を混ぜ、具材を入れて和える。
5. 最後に塩で味を整え、ローストしたデシケイテッドココナッツ(ロング)をかけて出来上がり。
【3】トマトとキヌアのスープ
【材料(2人分)】
紫玉ねぎ:25g
トマト:100g
パプリカ(赤):25g
エキストラバージンココナッツオイル:大さじ1/2
水:150g
<A>
塩:小さじ1/2
薄口しょうゆ:小さじ1/2
こしょう:少々
ココナッツミルクパウダー:5g
ゆでキヌア:15g
デシケイテッドココナッツ ロング:少々(なくてもよい)
【作り方】
1. 鍋にエキストラバージンココナッツオイルをひく。紫玉ねぎ、パプリカ、トマトを乱切りにし鍋に入れ、甘味を出すよう炒める。
2.[1]をミキサーにかけ、液状にこす。
3.[2]を鍋に戻し、水を加えて[A]を入れる。
4. 最後にゆでたキヌアを入れ、ひと煮立ちさせる。
5. 仕上げにデシケイテッドココナッツ(ロング)をかけて出来上がり。
ゴーヤ、トマトなど夏野菜×ココナッツオイルの簡単レシピで、残暑をヘルシー乗り切ろう♡
【4】高菜ごはんの梅昆布だし麦とろ
【材料(2人分)】
梅昆布茶粉末:10g
水:2カップ
高菜漬け:50g(細かく刻む)
もち麦ごはん:茶碗2杯分
山芋:200g(皮をむきすりおろす)
【作り方】
1. 梅昆布茶、水を混ぜ、だしを作る
2. 高菜漬け、いりごまをもち麦ごはんと合わせ、どんぶりに盛る
3. [2]に山芋をのせ、[1]のだしをかける
【5】もち麦と野菜のトマトポット
【材料(2人分)】
赤、黄色パプリカ:各1/4個(1cm角切り)
なす:1/2個(1cm角切り)
ズッキーニ:1/4本(1cm角切り)
塩:小さじ1
こしょう:適量
オリーブ油:大さじ1
もち麦:30g
トマト:2個(上を切り、中をくり抜いて冷やしておく)
<ドレッシング>
酢:大さじ1
塩:小さじ1/2
こしょう:適量
オリーブ油:大さじ3
<コンソメゼリー>
水:1と1/4カップ
コンソメ顆粒:5g
粉ゼラチン:5g
【作り方】
1. フライパンにオリーブ油を入れ中火で熱して、パプリカ、なす、ズッキーニを炒め、塩・こしょうで味付けをする
2. ドレッシングを作る。ボウルに酢、塩、こしょうを入れよく混ぜる。オリーブ油を加え白っぽくなるまで混ぜる
3. ドレッシングの半量とストックゆでもち麦を合わせる
4. もう半量のドレッシングと[1]を合わせる
5. コンソメゼリーを作る。鍋に水を入れ火にかける。コンソメ顆粒を入れ、溶けたところで粉ゼラチンを入れ粗熱をとる。容器に入れ、冷蔵庫で固める
6. トマトの半分まで[3]を入れ、その上に4をのせる。最後にコンソメゼリーをのせる
【6】つぶつぶもち麦とバナナのチェー
【材料(2人分)】
ココナッツミルク缶:1/2缶(200ml)
水:1/2カップ
砂糖:大さじ2
もち麦:30g
バナナ:1/2本(輪切り)
市販のあん:20g
【作り方】
1. 厚手の鍋にココナッツミルク、水、砂糖、大麦を入れ、弱火で焦がさないように約20分煮る。冷やしておく
2. 器にバナナ、1、あんを盛る
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【7】アボカドトースト
アボカドは「森のバター」と呼ばれるほど果肉に脂肪分が多く含まれています。その脂肪分は身体の中で酸化されにくく悪玉コレステロールを減らしてくれるオレイン酸。栄養たっぷりのアボカドをつかった簡単レシピをご紹介!
【材料(1人分) 578kcal】
・食パン(4枚切り):1枚
・アボカド:1/2個
・マヨネーズ:大さじ1
・卵:1個
・塩:適量
・こしょう:適量
・レモン汁(酸化止め用):適量
【作り方】
1. 食パンの片面にマヨネーズを均一に塗る。
2. 皮を剥いたアボカドを縦3mmにスライスする。少しずつずらして円状に形をつくる。1 のパンの上にへらなどを使い乗せてから、真ん中がくぼむように形を整える。酸化して変色しないようアボカドに、レモン汁を塗る。
3. 真ん中に卵を割り入れて500Wのトースターで約6~7分焼く。
※トースターによって異なるので、卵白が白く固まってくるまでを目安に焼く。
4. 器に盛り、塩・こしょう、お好みでマヨネーズをかける。
カンタンで栄養たっぷりなアボカドトースト【キレイになれる旬の食材レシピ】
最後に
身体が悲鳴をあげる前に、出来ることから調整・改善したい! そんな、コレステロール値が気になる人におすすめの対策やレシピなどを紹介しました。「人間の体は食べ物で出来ている」などと言われていますが、食事や運動を意識して健康美を目指しましょう。