ココナッツ製品、ココナッツオイルを専門に扱うココウェルが運営するカフェ「ココウェルカフェ」の松原陽子さんに魅力を教えてもらいました!
ココナッツオイルは、代謝が早くエネルギーになりやすい中鎖脂肪酸
「ココナッツオイルにはラウリン酸をはじめ、天然の中鎖脂肪酸が豊富に含まれています。中鎖脂肪酸は体内で燃焼しやすく、消化吸収が早く脂肪になりにくい優れた脂肪酸で、一般的な植物油に含まれる長鎖脂肪酸と比較して消化吸収は4倍、代謝は10倍のスピードで分解・燃焼されます。
中鎖脂肪酸は、体内に取り入れられたのち長鎖脂肪酸とは異なった経路で肝臓まで運ばれます。長鎖脂肪酸は腸管からリンパ管、静脈を通って脂肪組織、筋肉、肝臓に運ばれ体内に脂肪として貯蔵され、その後必要に応じてエネルギーとなります。
一方、中鎖脂肪酸は腸管から門脈を通って直接肝臓に運ばれるため、脂肪として蓄積されずに効率良くエネルギーに変換されます。長鎖脂肪酸と比較して、中鎖脂肪酸は消化吸収が4倍、代謝が10倍早いのが特徴です。
カロリーも、通常脂肪は1gあたり9kcalとされ、食品などではそのように計算されますが、実際のところ中鎖脂肪酸は1gあたり6.9kcalしかないという研究報告がされています」
ココナッツオイルはトランス脂肪酸ゼロ
「血中の悪玉コレステロールを上昇させ、動脈硬化や心臓疾患の等のリスクがあると言われるトランス脂肪酸(TFA)も全く含んでいません。
トランス脂肪酸は、水素添加された硬化油や精製植物油、加工油脂などで発生します。デンマークでは2004年に工業用トランス脂肪酸を脂肪の2%以内にする法律を施行したり、アメリカ・カナダでも表示義務が課され、カリフォルニア州では飲食店などでトランス脂肪酸(TFA)を全面規制する州法が成立するなど、世界で規制の動きが広がっています。
日本でも、2011年になり消費者庁からトランス脂肪酸の含有量表示に関するガイドラインが発表され、セブン&アイグループがトランス脂肪酸を使った製品を排除すると発表するなど、トランス脂肪酸の摂取を抑制する動きが起こっています。
酸化安定性が高く、加熱料理に適しています酸化安定性が高く熱に強いココナッツオイル。それはココナッツオイルが植物性油脂には珍しく、飽和脂肪酸を非常に多く含んでいるからです。ココナッツオイルは90%以上が飽和脂肪酸です。
油脂の成分は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分かれますが、飽和脂肪酸は酸化に強く、不飽和脂肪酸は酸化に弱い性質を持っています。一般的に料理に利用されるオイル(油脂)の脂肪酸組成は以下のようになっています。ほとんどの植物油や魚の油は不飽和脂肪酸が大部分ですが、ヤシ油(ココナッツオイル)は90%以上が飽和脂肪酸で非常に安定したオイルなのです」
なるほど! 確かに体によさそう! ではココナッツオイルを使ったレシピも教えていただきましょ。
ココナッツオイル×夏野菜レシピ1:ゴーヤ味噌漬け
「この時期、お手ごろな価格で手に入るゴーヤを使った一品。おつまみにもご飯のおともにも最高です。味噌とココナッツオイルのまろやかさで、ゴーヤ特有の苦味も気になりません」
【材料】
ゴーヤ 1本
塩 ゴーヤの1%
(A)
味噌 40g
シュガー 10g
酒 10g
鷹の爪 1/2本
リキッドココナッツオイル 50g
【つくり方】
1.ゴーヤは縦半分に切り、種・わたを取り除き2~3mmに切る。塩をまぶし30分ほど置く。
2.ボウルにAを混ぜ合わせ、1.の水気を切り、Aとあえる。
3.1日漬けたら出来上がり。
ココナッツオイル×夏野菜レシピ2:糸こんやくのヤムウンセン風
「暑さに疲れたときに食べやすいのがエスニックな味わい。糸こんにゃくを使ったヘルシーメニューながら、魚介でたんぱく質も補給できます。乾燥ココナッツを最後にトッピングすると、風味が増し、子供でも食べやすい優しい味に」
【材料】(2人分)
糸こんにゃく 200g
いか 50g
干しえび 大さじ1
セロリ 1/2本(50g)
紫玉ねぎ 1/4個(20g)
塩 少々
デシケイテッドココナッツ ロング 少々(なくてもよい)
(A)
ナンプラー 大さじ1(12g)
レモン汁 大さじ1(10g)
鷹の爪 1本
リキッドココナッツオイル 大さじ1
【つくり方】
1.いかは食べやすい大きさに切り、さっとゆでる。
2.糸こんにゃくをゆで、ざるにあげ冷まし、3等分に切る。
3.セロリ、紫玉ねぎを薄切りにする。
4.ボウルにAの材料を混ぜ、具材を入れて和える。
5.最後に塩で味を整え、ローストしたデシケイテッドココナッツ(ロング)をかけて出来上がり。
ココナッツオイル×夏野菜レシピ3:トマトとキヌアのスープ
「栄養価豊富なトマトとヘルシーフードのキヌアを使ったスープです。ココナッツオイルやココナッツミルクを使い、材料すべての旨味をまろやかに調和させています。目にも鮮やかで老若男女に親しんでもらえるメニューです。ココナッツミルクはパウダー状のものを常備しておくと便利ですよ」
【材料】(2人分)
紫玉ねぎ 25g
トマト 100g
パプリカ(赤) 25g
エキストラバージンココナッツオイル 大さじ1/2
水 150g
(A)
塩 小さじ1/2
薄口しょうゆ 小さじ1/2
こしょう 少々
ココナッツミルクパウダー 5g
ゆでキヌア 15g
デシケイテッドココナッツ ロング 少々(なくてもよい)
<手順>
1.鍋にエキストラバージンココナッツオイルをひく。紫玉ねぎ、パプリカ、トマトを乱切りにし鍋に入れ、甘味を出すよう炒める。
2.1をミキサーにかけ、液状にこす。
3.2を鍋に戻し、水を加えてAを入れる。
4.最後にゆでたキヌアを入れ、ひと煮立ちさせる。
5.仕上げにデシケイテッドココナッツ(ロング)をかけて出来上がり。
体にいいココナッツオイル、買ったはいいけど持て余していた女子も多いのでは? 今夏は料理に取り入れて、積極的に摂取してみは?
初出:しごとなでしこ