鰻にかける山椒。日常使いするすると体にいいことがあるかも?
山椒(さんしょう)といえば、鰻や丼ぶりにかけたり七味唐辛子に使われていたりなどが主な使い道ですが、それ以外ではあまり用途がなく、購入しても何年もそのままになってしまいがち。
しかし、これら定番の料理以外にもかければぐっと味が引き立ちますし、そして何よりダイエット効果のある成分が含まれているので、日常使いをしてみてはいかがでしょうか。
今回は舌がしびれるあの感覚、 鼻に抜ける爽やかな香りが特徴である、山椒に含まれる成分や使い方を紹介します。
■山椒の辛味成分にダイエット効果が!?
山椒はミカン科サンショウ属の落葉低木。山椒は実、葉、花、種のすべてを料理に使うことができる香辛料で、日本全国から朝鮮半島南部にかけて分布しています。
春ごろは「木の芽」とも呼ばれる新芽、若葉を料理の添え物などに使い、4~5月は「花山椒」を汁物に入れるなどで楽しむことができます。夏前には熟す前の青い実を「実山椒」「青山椒」として醤油漬けやちりめん山椒などに用い、秋になると実が熟して固くなり、実を包む外皮を乾燥させて使います。粉山椒はこの乾燥させたものを潰して粉状にしたものです。
山椒の特徴である辛味成分は「サンショオール」という不飽和脂肪酸アミドで、山椒独特の舌を痺れさせる作用があります。内臓器官の働きを活発にする作用、代謝を良くする作用、発汗作用、冷え改善などの効果があるとされています。
また、爽やかな芳香は「シトロネロール」「ジペンテン」という成分です。鎮痛作用、抗菌作用、リフレッシュ効果、虫よけ効果などがあります。
山椒は漢方としても利用されていて、冷えによる腹痛・膨満感の改善や鎮痛などの作用があると言われています。
■山椒の活用方法
木の芽や実山椒は旬がありますし使い方も限定されてしまいますが、粉山椒であれば一年中スパイスコーナーで販売されています。季節を問わず使うことができますし保存性も高いので、気軽に取り入れるならこうした商品を利用すると便利です。
山椒に含まれる成分は、冷え性やむくみやすい人の味方になってくれる香辛料ですので、普段の料理にもぜひ活用しましょう!
【山椒風味のカルパッチョ(4人分)】
すべての材料をボウルに入れて混ぜ、お皿に盛りつけるだけの簡単レシピ!
・サーモン、ぶりなどの刺身 300g
・しょうゆ 大さじ2
・オリーブオイル 大さじ1
・粉山椒 適量
【鶏の山椒唐揚げ(4人分)】
・食べやすい大きさに切った鶏もも肉 500g
・塩 小さじ1弱
・酒 小さじ1/2
・粉山椒 適量
・片栗粉 大さじ5
1. 片栗粉以外の材料をすべてボウルや袋の中などで合わせてよくもみ込み、10分ほどおいて味をなじませます。
2. [1]に片栗粉を加え、肉全体にまぶすようにし、180度の油でカラっとするまで揚げます。
【山椒パスタ】
カルボナーラ、ミートソース、ペペロンチーノなど、オイル感のあるパスタと好相性です。仕上げに数回振りかければ、いつもとひと味違うパスタの完成です。
その他、ラーメンやうどん、焼きそばなどの麺類、汁物全般などオールマイティーに合います。和食だけでなく、鮭のムニエルやほうれん草のバターソテーなど、洋風のメニューにも意外と相性が良いので、食べる前に数回振りかけてみてくださいね。
また、山椒の香りや辛味、しびれ感が加わることで、塩分を抑えて調理しても満足感が損なわれません。山椒は間接的に減塩効果も期待できます。
塩分は体に必要なものですが、摂り過ぎは禁物。むくみや高血圧、その他多くの病気の予防のためにも、塩分控えめは普段から心掛けたいものです。山椒をぜひ活用してみましょう。
山椒は香辛料として振りかける程度では摂取する量はごく少量ですが、過剰摂取をすると胃腸を刺激してしまいます。
山椒に限らず、唐辛子やわさびなど香辛料全般も同様に摂り過ぎはお腹を壊してしまう恐れがあります。
代謝アップや血流促進の効果があるからといってむやみに摂取しないように、あくまでも風味を利かせることを意識して、適量を心がけましょう。
情報提供/サニーヘルス
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初出:しごとなでしこ