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2017.05.12

【医師監修】白血球増加って? 血液検査・尿検査…知らなかった健康診断の数値の見方|杏奈先生のなでしこ健康相談室

<2018.3.8更新>

こんにちは、産業医の加藤杏奈です。しごとなでしこの皆さんが、健やかに&しなやかに働けるよう健康相談室を開設しています。

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健康診断の結果が「異常なし」と書いてあっても、それで安心せずに、せっかく受診したのですから、最大限に活用しましょう。

血液検査、尿検査etc.それぞれが示す数値には重要な意味があります

前回の続きをお伝えしますね。

3.血液検査の結果を見て貧血や炎症がないかチェック

●貧血:赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット値が正常値を下回る場合は貧血。上回る場合は多血と言い、血液疾患による場合もありますが、ほとんどが脱水や喫煙が原因です。

●白血球:白血球が多い時はどこかに炎症や感染がある可能性。喫煙者でもあがることがあります。かなり高値のときは、急性白血病も疑います。一方、少ないケースはまれ。体質的に低値であることもあります。

●血小板:出血を止める働きをします。血小板が少ないと血が止まりにくくなります。肝機能が悪い時は減少。その他、低値だと再生不良性貧血など血液疾患が疑われます。

4.血液検査の結果 肝機能、腎機能をチェック

●AST、ALT:肝臓に多く含まれる酵素。高値は肝臓の細胞が破壊されていることを示します。

●LDH:全身の細胞に含まれる酵素。肝臓の他、筋肉や心臓へのダメージを示します。

●γ-GTP:肝臓や胆道に障害があることを示します。特にアルコールに敏感に反応し、アルコール性肝障害の目安になります。

これらの値の上昇は、肝臓への影響が一番に考えられます。多くは飲酒が原因で、肝炎ウイルスや薬剤性が原因のこともあります。

●尿素窒素(BUN)、クレアチニン:腎臓から排泄される老廃物。両方が上昇していると腎機能の低下が疑われます。BUNのみ上昇していれば脱水が疑われます。

5.血液検査の結果を見てメタボ項目をチェック

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●総コレステロール、中性脂肪:コレステロールは血管の強化、中性脂肪はエネルギー源として大切です。しかし、どちらも多すぎると動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中のリスクとなります。大酒飲みの人は中性脂肪が高い傾向になり、また前日の食事の影響も受けやすいので、正確に検査をするために、前日は肉類や脂っこいものの食べ過ぎには注意してください。

●HDLコレステロール:善玉コレステロールとも呼ばれ、動脈硬化を阻止する働きがあります。低値の場合、喫煙、肥満、運動不足を原因として考えますが、生まれながらに低いこともあります。HDコレステロール血症は動脈硬化を促進しやすいので、禁煙やダイエットをしても良くならない場合は治療が勧められます。

●LDLコレステロール:総コレステロールが多少高くてもHDLも高ければ心配しなくてOK。ただし、LDLが高い場合、またはHDLが40mg/dl未満の場合は脂質異常症が考えられます。まずは食事や運動習慣の改善が必要ですが、高い状態が続く場合は、内服治療が勧められます。

●血糖値、HbA1c:血糖値は食事によって変動するため、空腹時に採血する必要があります。食後に採血する場合でも140mg/dlを超えるようであれば糖尿病の可能性も。HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は直前の食事に影響されず、過去1,2か月の血糖値の平均を示します。通常は5.8%、治療中の方は6.5%以下が目標です。

6.尿検査が示すこと

●尿蛋白:陽性の場合は、腎臓や尿路の異常を疑います。しかし、激しい運動後や痩せ型の人、立ちっぱなしの後なども陽性になることがあります。

●尿糖:陽性の場合は糖尿病が疑われます。

●尿潜血:尿路(膀胱、尿管)の異常により血が混じっている可能性があります。肉眼的にわからない尿潜血もあります。ただし、月経中は陽性反応を示すことが多いため、正確な診断ができません。

7.最後に画像検査からわかること

●胸部レントゲン検査
肺の異常(腫瘍、結核、肺気[いわゆるタバコ病])や心臓の腫大(心不全、高血圧)、大動脈の形、背骨や肋骨の異常などを確認します。妊娠中は受けられません。

●心電図検査
心電図は心臓の筋肉が収縮することで生じる微弱な電気信号を検出し、それを波形として記録したものです。不整脈や心臓の筋肉の異常(狭心症、心筋梗塞など)などをみます。心電図の「異常」全てが病的なものとは限りません。動悸や息切れ、脈が飛ぶなど自覚症状がある場合は必ず、症状がない場合も「異常あり」と診断された場合は、それが病的なものかどうか一度は循環器内科の専門医にきちんと判断してもらいましょう。

■婦人科検診は受けてますか?
健康診断の項目が充実している会社では、腹部エコーや眼底検査、婦人科検診などがセットでついていますが、ついていない会社もあります。恥ずかしい、コワい、という理由で、この「婦人科検診」を一度も受けたことがない人も多いんです。でも、本当にこの検査は、会社の健診についていない場合でも、自治体の検診を利用したり、婦人科を受診して、一年に一度は受けて欲しい。
ということで、次回は、なぜ受診すべきか、その理由も含めて、婦人科検診、中でも頸がん検診について詳しくお伝えしたいと思います。

初出:しごとなでしこ

加藤杏奈 産業医・労働衛生コンサルタント

産業医科大学医学部医学科卒業。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。専門は産業医学、予防医学、メンタルヘルス。産業衛生専門医。現在、某化粧品メーカーの産業医として勤務している。


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