【目次】
・夜眠気がこない… どうしたらいい?
・なぜ眠くならないのか? その原因は
・寝られないときに自分できる対処法
・寝つきをよくする生活習慣改善ポイント
・最後に
夜眠気がこない… どうしたらいい?
疲れているはずなのに眠気がなかなか起きなくて気がついたら朝… そのまま会社に行ってみるけれどやっぱりいつもよりしんどい。寝たいのに眠れないことの焦りから、ストレスもどんどん溜まってしまいますよね。眠れない原因や対処方法、改善すべき生活習慣をチェックして、いい眠りのリズムを手に入れましょう。身体をしっかりと休めて、スッキリした朝を迎えられるように対策してみて。
〈POINT〉
・何が原因で眠れないのか理解する
・眠りやすくする改善策に挑戦
・光や生活リズムが睡眠に影響を与えるので注意
なぜ眠くならないのか? その原因は
不眠症とは、睡眠の長さや質が低下する病気です。原因は多岐に渡りますが、成人の約20%が不眠症に悩み、15%が日中の眠気を感じているとのデータもあります。どのような原因によって眠れないなどの問題が発生するのでしょうか。考えられる理由を見ていきましょう。
夜眠れなくなる理由4つ
夜中に覚醒して眠れなくなる理由を調べたところ、どうやら以下のような原因が考えられそう。
1. 運動不足
2. 日光に当たらないことによるメラトニン不足
3. ストレス
4. 就寝前の飲酒
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考え事や悩み事などのストレス
考え事や悩み事などのストレスがあると、交感神経が刺激され寝付きが悪くなるといわれています。
仕事で嫌なことがあったり、重要な試験を控えていたりすると、少なからず心はストレスを感じるもの。あれこれ考えているうちに目が冴えてしまい、寝付き悪くなってしまいます。
生理前や更年期などホルモンが乱れている
生理前や更年期など、女性ホルモンのバランスの乱れも寝付きが悪くなる原因といわれています。
女性ホルモンのひとつである「エストロゲン」が減ることにより、睡眠の質が落ち、寝不足の症状が出てしまうことがあるようです。
【医師監修】女性ホルモンって何もの? 美活に影響! チャンスはいつ?
就寝前にスマホやパソコンを見ている
スマートフォンやパソコン画面からは、ブルーライトが放たれています。内科医の成田亜希子先生によると、このブルーライトは脳を活性化させ入眠を妨げる作用があるのだそう。
就寝前にこうしたブルーライトを発する機器をしばらく使っていると、入眠が妨げられいざ眠ろうとしたときになかなか眠れない… ということになってしまう可能性が。
ストレスが溜まっている
成田先生曰く、ストレスというのは交感神経を刺激して入眠や熟睡を妨げてしまうといいます。
あまりにも強いストレスを日常的に受けていたり、日々積み重なるストレスを上手に発散できず溜め込んでしまったりしている人は、夜なかなか寝られないということになりやすいのかもしれません。
生活リズムの乱れ
寝付きが悪くなる原因として、本来の生き物としての生活のリズム(サーカディアンリズム)の乱れも挙げられます。
太陽光や月の光しかなかった時代は「日が昇ることで目を覚まし活動し、日が沈むことで眠りにつく」というリズムがありました。
しかし、現代社会では朝から寝る直前まで、スマホやコンピューターの光「ブルーライト」を浴び続けています。このブルーライトは目から「強い刺激」として脳に伝わり、サーカディアンリズムを乱すのだそう。
寝付きが悪くなる理由のひとつは、ブルーライトによる生活リズムの乱れかもしれません。
【医師監修】ブルーライトは睡眠の質を下げる? 皮膚の老化も? 光と脳は関係していた!
カフェインの摂取
カフェインが原因で寝付きが悪くなる人も多いといわれています。
人によって排出力は異なりますが、カフェインが体外から排出されるまで通常8~14時間かかるといわれています。昼に飲んだコーヒーの影響で寝れないなんてこと、ありますよね。
寝付きが悪い人は、一度カフェインを断ってみるのと効果が感じられるはず。
不眠症対策! 医者監修の眠れないときの対策は? 薬以外でできる効果的な対策
暑さなどの室内環境
季節によっては熱帯夜で寝付きが悪くなります。電気代の節約や冷えを気にして、就寝時に網戸にしたり冷房を消したりすると、ムシムシと暑い部屋では寝付きが悪くなったり、寝苦しさを感じてぐっすり寝れなかったりするのだとか。
冷房をうまく活用することで改善できる可能性があります。
寝られないときに自分できる対処法
いざ寝ようと布団に入ったにもかかわらず眠れないとなると、焦りや不安に駆られることがあります。そんな時にその場で自分でできる対処法があると嬉しいですよね。ここでは、簡単に取り入れられるセルフケア方法を紹介します。試しやすいものからやってみて♡
寝つきをよくする習慣
教えてくれたのは… 池谷医院院長 医学博士:池谷郎先生
(東京医科大学循環器内科客員講師。日本循環器学会循環器専門医)
1. ゆったりした衣服を着用するようにしましょう。
衣服をうまく活用して、体から出る熱と汗を上手に逃がすようにするのが重要です。吸汗・速乾に優れた素材や、ゆったりして通気性がよい衣類を選びましょう。
2. 寝る前にコップ1杯の水を飲むようにしましょう。
睡眠中の脱水状態を防ぐため、就寝前に冷たい水をコップ1杯分飲むのがおすすめ。ただし、アルコールは脱水を促し、利尿作用もあるため体から水分を奪って危険なので控えましょう。
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音楽を聴く
就寝の30程前から音楽を聴くことは、寝つきをよくするのに有効です。ただし好きな音楽を好きな音量で聴けば良い、というわけではなくスローテンポで音の数が多くない「クラシック音楽」がおすすめ。パッヘルベルの「カノン」やラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」などが良いでしょう。
また、弱い音量で聴くのがポイントですが、音楽をかけたまま寝てしまうと眠りの浅いレム睡眠時に目を覚ましてしまう原因に。そのため就寝時に音楽をかけるときは、タイマー機能などをセットしておくことをおすすめします。
ハーブティを飲む
睡眠が浅い時や眠れないときには「夜寝る前専用ハーブティー」を飲む。寝る前には副交感神経が優位に働くようにしなければいけませんが、ベッドに入る直前までテレビやスマホを見ていたりするとうまく働かないこともそんな時には、ハーブティでリラックスしてみましょう。
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アロマに触れる
▲バッチフラワーレメディ|レスキューナイト 10ml
精神的なストレスや緊張を解放し、深い眠りへと誘ってくれるフラワーエッセンス。寝る前に数滴口に含むか、ハーブティー、もしくは水やお湯にたらして使って。マッサージオイルに混ぜて体に塗るのもおすすめです。
ストレッチをする
運動して、一度深部体温を上げて、体温を下げやすい環境をつくることも効果的。かといって、激しい運動は逆に眠りにくくさせてしまうことも。おすすめなのは「快眠ストレッチ」。寝返りしやすくなるよう、ストレッチで筋肉をほぐすと、血液循環促進や寝床内の温湿度調整にも役に立ちます。
≪上半身のストレッチ≫
1. 肩幅に開いてタオルを持ち、腕を上に伸ばしながら体を左右に曲げ、体側を伸ばします。
2. 背中を丸めたまま腕を体の前に下ろし、背中の筋肉をグーッと伸ばします。
3. 腕を後ろに伸ばし上げ、胸を開きます。
4. タオルの端を持ったまま、両サイドに開き下ろして、背中の筋肉をほぐします。
≪下半身のストレッチ≫
仰向けになり、足の裏にタオルをかけたまま、膝を伸ばして足を上げ、タオルをグーッと下に引っ張ります。左右1回ずつ、各2セット。下半身の血流が良くなって、体がポカポカしてきます。
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吹くだけで眠気が?「吹きもどし睡眠法」
『疲れない大百科 – 女性専門の疲労外来ドクターが教える –』の著者で、メディアでも活躍中の女性専門疲労外来ドクター・工藤 孝文先生によると、吹きもどしをフーッと吹くだけで腹式呼吸が自然とできるのだそう。
腹式呼吸は、肺の下の横隔膜を上下させ、自律神経を刺激して、副交感神経を優位にすることで、入眠を助けてくれます。吹きもどしは寝る直前、ベッドに入った状態で行いましょう。
100均の「吹きもどし」でできる!? 不眠に効く【吹きもどし睡眠法】
どうしても眠れないときは、諦めるのも効果的な快眠への道
「何をしても眠れない、そんなときは『眠れない、眠れない』と思い悩むのではなく、寝ることを諦めて、朝、起きる時間を守ることを重視してみましょう。朝、起きたい時間に強制的に起きる習慣がつくと、自然にカラダのリズムが整い、夜も眠れるように。
そして、朝起きたら日光を浴びることが大切。そうすることで、眠りのために必要なセロトニンが、夜に分泌されるようになります。また、休日は寝坊したい、と思っても、いつも起きる時間の2時間以内に収めて。それを過ぎるとカラダのリズムが乱れやすくなり、夜に眠りにくくなってしまいます」
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寝つきをよくする生活習慣改善ポイント
入眠時に寝つきが悪い状態が続くという場合には、睡眠リズムを整えるために生活習慣をみなしてみましょう。1日の約1/3を占める睡眠、それは日中の活動状況によっても質が変化します。運動や入浴、スマホやテレビなど何気ない生活動作に意識を向けてみて。
よく眠るためのポイント4選
≪おススメ改善方法≫
■1. 規則正しい生活を送る
良質な睡眠に関与する「メラトニン」の分泌を安定させるためにも、起床・就寝時間は規則正しく、起床時にはカーテンを開けてしっかりと日光を浴びることが大切です。
■2. 食事は就寝3時間前までに
就寝前に食事を摂ると、入眠時に胃や腸が活発に動いた状態となるため、睡眠が浅くなってしまうことがあります。また、脂肪分が多い食事は消化に時間がかかるため、夕食時はほどほどにすることも大切です。食事は、就寝の3時間前までに済ませ、入眠時は心身ともに休める体制を整えましょう。
■3. ストレスをためない
ストレスは交感神経を刺激して入眠や熟眠を妨げることがあります。日常生活からストレスを完全に排除することはできませんが、ストレスを発散できるような趣味を持ったり、就寝前にアロマを焚くなどして心を穏やかに就寝できるよう心がけましょう。
■4. 就寝前のスマホやパソコンは控える
スマホやパソコンの画面から放たれるブルーライトは、脳を活性化させ入眠を妨げる作用があります。就寝前はスマホやパソコンなどをいじらないようにしましょう。
夕方から夜の光は落とす
夕方を過ぎたら、光を落とすこともおすすめです。
日が沈むと脳は夜だと判断し、メラトニンという睡眠ホルモンを分泌します。強い光はこのメラトニンの生成を妨げると言われているので、寝る3時間くらい前には間接照明を利用するなど部屋の光を落とすことを意識してみましょう。
また、夜すぐに寝れるかどうかは、朝光を浴びたかどうかも関わってきます。
人間は朝、光を浴びることで体内時計がリセットされます。そして朝日を浴びた14〜16時間後にメラトニンの分泌が増加し、眠くなってくると言われています。
つまりいい眠りは朝から始まっているとも言えるのです。
食事から睡眠の元をチャージする
寝る前、すぐに実行できることではありませんが、タンパク質やアーモンドなど「トリプトファン」を多く含む食品を毎日積極的に摂ることで寝つきがよくなる可能性もあります。
メラトニンの材料がセロトニン、セロトニンの材料がトリプトファンだと言われていますが、このトリプトファンは人間の体で作ることができません。
そのため、赤身の魚や肉、卵などタンパク質の多い食品、アーモンドやバナナ、アボカド類などトリプトファンを多く含むものを日々積極的に摂取することが推奨されています。寝る直前なら、ホットアーモンドミルクなどが安眠に効果的。
「楽らくヘルシー」の第一歩、働く女子の“ぐっすり睡眠”の掟3つ
湯船につかる
人は体温がストンと下がるときに眠りにつくのですが、体温が低いとこれ以上は下がらず、冷えで眠れない、ということが起きるのです。
赤澤純代医師にお聞きしました。
赤澤先生がおすすめするのは、体内で熱を効率よく作り出すための筋トレと湯舟に浸かること。
「ストレスや不調を抱えている人、忙しい人、冷えに悩んでいる人ほど、たいがいシャワーのみ。しかし、シャワーでは身体を温めたり血流を改善することができないばかりか、寝る前のからだが冷えていると睡眠障害につながります。筋肉の7割は下半身に集中しているので、スクワットなどで下半身を鍛えると効率がよいでしょう。そして、夜は湯舟に浸かり、ゆっくり温まりましょう」(赤澤医師)
もしかして「シャワー」が原因? じっくり入浴で「睡眠障害」と決別しよう
睡眠の30分前までに入浴する
入浴後、すぐにベッドに入ってしまうと体が火照って深部の体温が下がらなくなってしまいます。かえって眠れない原因になってしまうので、入浴は睡眠の30分前までには済ませておくのが◎
「楽らくヘルシー」の第一歩、働く女子の“ぐっすり睡眠”の掟3つ
睡眠前のカフェイン摂取を控える
睡眠を妨げるものの代表がカフェイン。コーヒー・玉露・エナジードリンク・紅茶・ウーロン茶などのカフェインの積み重ねで、結構な量になっていることも。1日300mgを目安にし、寝る4~5時間前のカフェイン摂取は避けましょう。
決まった時刻に寝て決まった時刻に起きる
規則正しい生活に整えていくことが、睡眠の改善にはとても大切だとお伝えしましたが、中でも「同じ時刻に寝て同じ時刻に起きる」という睡眠のリズムを整えることが重要なよう。
東京睡眠医学センター長の遠藤拓郎先生によれば、これによりホルモンや体温の調整のリズムが決まった時刻に合うように調整され、結果的に睡眠の質も上がるといいます。
少ない睡眠時間でも疲労回復! 睡眠のプロが教える【驚きの快眠法】
睡眠薬は最終手段
「不眠の治療は現在、眠気を誘う脳内物質を調整する睡眠薬や不安などを和らげる抗不安薬などを用いた薬物療法が主体になっています。
これらは薬の作用によって人為的に眠気を引き起こしたり、心の乱れをストップさせたりすることで睡眠の改善を目指していますが、依存性や副作用が心配されているのも事実です」(内科医・成田先生)
まずは生活習慣の改善を行いつつ、漢方薬を服用するなどし、それでもダメならクリニックなどで相談し、適切に服用するのが良いかもしれませんね。
最後に
なかなか眠れない… そんな日は、焦ったり悲観的になる前に、今日紹介した改善方法をぜひ取り入れてみてくださいね。気持ちが落ち着いて、リラックスすることができますよ。もし、眠れない日々が続く場合には、意識的に生活習慣を改善したり、医師に相談してみましょう。こころとからだが休まる睡眠があなたに訪れますように…。