生活習慣とホルモンの関係を正しく知りましょう
もっときれいになりたい! そう思ったとき、「女性ホルモンのバランスを整える」といったことを耳にするのではないでしょうか。
皆さんは、そもそもこの「女性ホルモン」というのが何者かご存知ですか?
今回は、この「女性ホルモン」について解説していきます。
■女性ホルモンってどんなモノ??
体内には様々なホルモンが存在しますが、「女性ホルモン」というのは、「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」を指します。
この2つのホルモンは、「卵巣ホルモン」と呼ばれ、性周期の中で卵巣から分泌されるホルモンであり、多くの人に毎月のペースでおこる、「生理」や「排卵」に深く関係があります。
それぞれ、どのよう働きをしているのかを見ていきましょう。
《卵胞ホルモン》
卵胞ホルモンはエストロゲンと呼ばれています。
エストロゲンは、発育していく卵胞から分泌され、発育と共に分泌が高まっていきます。エストロゲンは内膜の厚みを増すように子宮内膜へ働きかけます。更に、排卵を促すホルモンが分泌されるように脳へも影響を与えます。
《黄体ホルモン》
黄体ホルモンはプロゲステロンとも呼ばれています。
プロゲステロンは受精卵が着床できるように、子宮内膜の増殖を止めるよう働きかけます。そして、妊娠すると、胎盤の完成や妊娠維持のために、大量に分泌されます。
この2つのホルモンは、妊娠しない、つまり、受精卵が着床しないとわかると、分泌が収まり、これを合図に、「生理」が始まります。
2つのホルモンが正常に働くことで、「生理」や「月経」が円滑に発生してくるのです。
■ホルモンと美容のカンケイは…?
では、実際にそれぞれのホルモンが分泌されているとき、美容とどのような関係があるのでしょうか。
卵胞ホルモンは俗に「美人ホルモン」とも呼ばれることがあるように、女性の美容の味方のホルモンです。卵巣ホルモンがコラーゲンの生成を促し肌や髪につやが出たり、女性らしいボディラインが生成されたり! また、分泌されると、新陳代謝も高まるので、運動がより適切な期間とも言えます。
逆に、黄体ホルモンは体温が高くなることによる身体のだるさや、皮脂の過剰分泌による肌荒れ、むくみといった女性の大敵の要因となり得るホルモンです。精神的にも不安定になりがちですし、ダイエットの時期としても特に苦労する期間となります。こういった症状が、「月経前症候群」と呼ばれているのです。
■それぞれのホルモンとの付き合い方
エストロゲンが美容やダイエットに良い効果をもたらすのに比べ、プロゲステロンは美容を妨げるような働きをしてしまいます。また、エストロゲンは20代をピークに年々分泌量が減少していくため、ずっとあるものではなく、閉経に近づくと「更年期」とのお付き合いが発生します。しかし、2つのホルモンがあるからこそ妊娠ができるため、不可欠なホルモンでもあるのです。
それぞれの上手な付き合い方の第一歩として、まずは自分の「周期」を知りましょう。毎月の生理を長期的に記録することで、体のリズムがわかり、それぞれの分泌時期がおおむね分かるようになります。
エストロゲンのピークは「排卵の直前」、プロゲステロンは排卵後5〜7日頃から次の生理まで多く分泌されます。時期を把握することで、ちょっとした不調が出ても、「ああ、この時期だから仕方ないな」と少し落ち着いて状態を見ることができるでしょう。
不調な時期、つまりプロゲステロンが分泌されているときには、休息をこまめにとる、睡眠時間をしっかりと確保する、といった生活習慣を整えることを特に意識してみましょう。
逆に、好調な時期、つまりエストロゲンが分泌されているときは、積極的に体を動かすなど「美活」に力を入れてみましょう。更に磨きをかけることができるかもしれません。
2つとも妊娠をするために必要な、大切なホルモンです。ご自身の周期を把握し、上手に付き合うことで、美容の強いミカタにしていきましょう。
⇒適切な周期を把握し、正確な予測をするためには「eggsLAB」で周期チェック!
TOP画像/(c)Shutterstock.com
医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。
東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。
監修する女性向けアプリ「eggs LAB」では、独自ロジックにより、アプリでの問診で自身の情報を入力することで、これまでにない高い精度での生理日・排卵日予測を実現。不安定な生理周期にも対応した適切なアドバイスや、妊活に関する情報まで、個々の身体の状態にフィットした「あなただけの/あなたのための/今欲しい情報」を発信中。