20歳以上の男女に調査!「いびき」の対処法は?
◆44.5%がいびきの頻度分からず…
まず、「いびきをかいたことがあるか」を聞いてみると、「いびきをかいている」が43.5%であり、頻度の差はあるものの、男女ともにいびきをかいたことがあると自覚していることが判明。しかし、44.5%がどのくらいの頻度でいびきをかいているか分からないそうです。
中西先生によると、睡眠検査をすることが大切とのこと。
「スマートフォンでいびきを記録できる無料アプリがいくつか提供されています。アプリでは、いびき音の有無や時間、大小を記録することができます。しかしながら、いびきの原因や、それに合わせた対策、治療の必要性を判断することは困難です。
特にいびきをかいている方は、高い確率で睡眠時無呼吸を合併します。その睡眠時無呼吸が治療を必要とするかどうかを調べるには、病院で受診していただく睡眠検査が必要です。
しかし、現在は、自宅に検査機器を届けて行うこともできる検査もあります。いびきに加え、日中の眠気やすっきり起きられない、などの症状がある方は、ぜひ検査を受けることをおすすめいたします。」
◆いびきの原因は「疲れ」がトップ
次に、「どんなときにいびきをかいていると思うか」を質問したところ、男女ともに「疲れているとき」(男性:45.7%、女性:50.1%)がトップに。いびきの原因を「疲れ」と認識する人が多いようです。
中西先生にいびきの原因を聞いてみると…
「疲れているときや、お酒を飲んだ後にはいびきをかきやすくなります。その理由は、のど周辺の筋肉が緩んで気道(空気の通り道)が狭くなるためだと考えられています。
一方、「鼻が詰まっているとき」は必然的に口呼吸になるため、これもいびきをかきやすくなります。慢性的に鼻が詰まっている方は、鼻の治療をすることでいびきが改善することがあります。
また、女性の3位に「仰向けで寝ているとき」がランクインしています。仰向けに対し、横向き寝は気道が閉塞しにくく、いびきをかきにくい体位であり、いびきに対する有効な対処と考えられています。」
◆いびき対策のきっかけは「家族や親戚のすすめ」
最後に、実際にいびき対策をしている人に「いびき対策のきっかけ」を尋ねると、「家族や親戚のすすめ」(25.8%)が最も多く、その後、「テレビで見たから」(22.9%)、「友人や知人のすすめ」(15.0%)が続きました。
この結果に対し、中西先生は以下のように話します。
「テレビやインターネット上の情報は、視聴者の注意を引くように過剰な表現になっていたり、説明が不足していたりするものも散見されます。ネットやテレビの情報から治療に至る方もいますが、やはり身近な人からのすすめは、強い影響力をもっています。
大げさな内容に惑わされないように気をつけ、いびきに困っている人がいれば「医師に相談すればいろいろ良くなることもあるらしいよ」とお伝えいただければと思います。 特に睡眠や鼻呼吸に理解のある医師に相談するといびきに対する理解が深まると思います。」
悩ましい「いびき」…。そのままにしておくと「睡眠時無呼吸」を合併してしまうこともあるため、気になる人は早めに病院に! 医師に相談することで気持ちが楽になるはず。
【調査結果】
調査:株式会社セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ株式会社
調査期間:2019年1月22日~1月23日
調査方法:インターネットを利用し睡眠に関する実態をアンケートで調査
調査パネル:楽天web検索利用モニタ
調査対象:全国20歳以上の男女(計5,770サンプル※男性:50.5%、女性:49.5%)
集計方法:性年代別人口とネット利用率に合わせたウェイトバック集計
TOP画/(c)Shutterstock.com
教えてくれたのは… 耳鼻咽喉科サージクリニック 老木医院 耳鼻咽喉科専門医 中西悠先生
専門は耳科手術、鼻科手術。鼻閉、いびき、SAS(睡眠時無呼吸症候群)に耳鼻咽喉科医師の立場から取り組んでいる。近年はその領域を広げ、鼻づまりといびき・無呼吸から抗加齢(アンチエイジング)を考えるサイト「SASCARE」から情報を発信し、多くの人に支持されている。
一方で、学生時代に宮崎県で始めたサーフィンをこよなく愛し、長年サーフィンを続けたサーファーに生じる外耳道が狭くなる疾患「サーファーズイヤー(外耳道外骨腫)」の治療・手術に積極的に取り組んでいる。全国のサーフィン関連イベントで、サーファーズイヤー検診・予防法など啓蒙活動を行っている。