手足は温かいのにお腹がひんやり…。女性に多い「内臓型冷え性」って?
冷え性といったら、どんな症状を思い浮かべますか? キンキンに冷えた手足だったとしたら、それは末梢の血液やリンパ液の流れが悪いことで起こる「四肢末端型冷え性」の症状だと考えられます。
では反対に、手足は温かいのにお腹が冷えるケースはどうでしょう。これは体の内側・臓器に冷えが蓄積した「内臓型冷え性」の特徴で、実は女性に多く見られる「隠れ冷え性」のタイプなんです。
具体的な症状は、腸の働きが低下して下痢や便秘になる、腹痛が起こる、ガスがたまる、膀胱炎、生理不順など。内臓の冷えによって、さまざまな不調が引き起こされます。
そんな「内臓型冷え性」になる主な原因は、生活習慣や食事、ストレス、ホルモンバランスの乱れ等々—。心当たりのある人は、次のセルフチェックリストを確認してみましょう。

「内臓型冷え性」セルフチェックリスト
自分が「内臓型冷え性」なのかを見極める簡単な方法は、下腹部に手を触れることです。ひんやりした冷感がある場合、内臓が冷えているというひとつの目安になります。
そのほかのチェック項目は、こちら。
●冷たい飲み物をよく飲む
●冷たい炭水化物が好き
●体を締めつける洋服・下着を身に着けている
●お腹を露出したり、薄着をしたりすることがよくある
●運動不足
●ストレスがたまっている
●姿勢が悪く、猫背(腹部を圧迫した姿勢)になりがち
「内臓型冷え性」を改善するには、体を温める飲み物・食べ物を取る、外側からお腹を温める服装をするほか、太い血管があるお腹まわりのストレッチや適度な運動で血液の流れをスムーズにすることが効果的です。
ここからは、現役ヨガインストラクターがおこなう「内臓型冷え性」対策・お腹まわりのストレッチと優しい筋トレメニューを4つご紹介。ヨガマット1枚分のスペースでおこなえる簡単な内容なので、ぜひ参考にしてみて!
猫背の姿勢が続いたら、お腹をグーンと引き伸ばすストレッチ【寝ながら】
STEP 1:うつ伏せになる。

▲脚を腰幅以上に広げます。ひじの位置は肩よりも前に置き、手を重ねた上に額を乗せましょう。肩が詰まる感覚があったら、腕の位置を前にずらします。
STEP 2:上体を起こす。

▲上体を軽く起こし、手のひらをひじの先につきます。前腕(ひじ~手首)と手のひらで床を押し、背中と腰を伸ばしましょう。
STEP 3:ひじを伸ばして、上体をさらに起こす。

▲ひじを真っすぐ伸ばします。手のつけ根で床を強く押し、上体をさらに起こしましょう。腰に違和感がないことを確認したら、お腹まわりが縦に心地良く伸びる感覚をじっくり味わいます。
吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でへこませる呼吸を繰り返しましょう。〈回数:5呼吸~〉
余裕がある場合:足先を持ち上げる。

▲STEP 3の姿勢がツラくなければ、ひざを曲げて足先を天井に向けてみましょう。お腹の伸びをよりしっかり感じられますよ。〈回数:5呼吸~〉
デスクワーク中にもできる! お腹をねじるストレッチで内臓機能を活性化【座りながら】
STEP 1:あぐらで座る。

▲手でお尻のお肉をかき分け、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せると腰がスッと伸びます。
STEP 2:【息を吸いながら】両腕を頭上に伸ばす。

▲腕を肩からスッと真上に伸ばします。手のひらは内側に向けましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】上体を左側にねじる。

▲背筋を伸ばしたまま、上体を左側にゆっくりねじります。腕を下げ、右手は体の前、左手はお尻のうしろにつきましょう。
吸う息でお腹を丸く膨らませます。お腹を動かしにくいようであれば、ねじりを緩めて丁寧な呼吸を繰り返しましょう。〈回数:5呼吸~〉
STEP 4:【息を吐きながら】上体を右側にねじる。

▲息を吸いながらSTEP 2に戻り、次の吐く息に合わせて上体を右側にねじります。〈回数:5呼吸~〉
ここでは床に座っていますが、椅子に座っている時にもおこなえるストレッチです。デスクワーク中にお腹まわりを動かしたい時にもおすすめ!
お腹を圧迫しながら腹式呼吸! ヨガ「ガス抜きのポーズ」【寝ながら】
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。

▲脚は軽く揃え、腕は体側に下ろします。
STEP 2:両ひざを胸に引き寄せて、手で抱える。

▲お腹に軽く圧をかけます。ただし、苦しくならない程度に加減すること! 背中全体を床に下ろし、肩が浮かないように姿勢を整えたら、お尻を床から浮かせましょう。
腹式呼吸を繰り返し、お腹の動きで腸のマッサージをします。〈回数:5呼吸~〉
STEP 3:頭を浮かせて、ヘソを見る。

▲肩甲骨を床から浮かせて、頭を持ち上げます。ヘソを見るようにして、あごとひざを近づけお腹への圧を高めましょう。〈回数:5呼吸~〉
STEP 4:体を左右に転がす。

▲頭を床に下ろしてSTEP 2に戻ったら、体を左右にゆっくり転がします。お腹に軽く力を入れたまま、コロコロ転がるのがポイント! 〈回数:10~15回〉
優しい筋トレで、体の中からポカポカ温める!【寝ながら】
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。

▲脚幅はこぶし1個分が目安。ひざの下にかかとをセットしたら、腕は体側に下ろします。腰が床から浮きやすい場合、下に丸めたバスタオルやブランケットを置いてもOK。
STEP 2:脚を持ち上げる。

▲ひざを曲げたまま、脚を持ち上げます。すねが床と水平になる高さが目安です。
STEP 3:【息を吐きながら】脚を左右に倒す。


▲上体はできるだけ動かさず、両方の肩を床につけた姿勢で脚を倒します。脚は床につかなくてOK、無理のない範囲で倒しましょう。
ゆっくりSTEP 2に戻ったら、次の吐く息で脚を左側に倒します。〈回数:20回~〉
以上、「内臓型冷え性」対策のストレッチと筋トレをご紹介しました。食後すぐにお腹を動かす運動をすると、消化不良を起こす恐れがあります。最低でも2時間は空けてからおこなってくださいね!