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運動不足な日は「お風呂時間」にちょこっと筋トレ!
「今日は体をあまり動かさなかった」と、運動不足を感じる夜。ダイエット中であれば、なおさら強い罪悪感に襲われてしまうかもしれません。
でも大丈夫! そんなときは、お風呂時間を使って簡単な筋トレをするという手があります。まず、湯船に浸かりながら体を動かすとどんな効果が得られるのか、見ていきましょう。

湯船に浸かると受けられる「3つの恩恵」
湯船に浸かるだけで、3つのうれしい恩恵が受けられます。
1:温熱作用
温かい湯船に浸かると、血管が拡張して血行が良くなります。それによって、体の隅々まで酸素や栄養が運ばれるほか、老廃物・有害物質を迅速に排出できるようになります。
2:水圧作用
お湯の中では体に水圧がかかり、末梢血管から心臓へと血液が押し戻されて全身の血行がよくなると言われています。冷えやむくみ対策に効果的です。
3:浮力作用
お湯の中でフワッと体が軽くなる感覚のこと。首までお湯に浸かった場合、体重は約1/10になります。筋肉や関節組織が弛緩して、体を支える負担が軽減されます。
お風呂での筋トレは、少ない力でも負荷がかかる!
簡単にまとめると、湯船に浸かっているときの体は関節の可動域が広がり、筋肉の強張りも緩みやすくなった状態。そのうえ、浮力によって関節・筋肉への負担が軽減された中で体を動かすことができるんです。また、お湯の適度な抵抗は、少ない力でも負荷がかかるため運動効果UPを期待できます。汗をかいてもすぐにシャワーで流すことができて、タイパも抜群。
ただし、お風呂の中は普段筋トレやエクササイズをおこなっている環境とは異なるため、いくつかの注意点があります。
お風呂で筋トレをするときの注意点
・湯温はぬるめの38~40℃を目安に設定し、のぼせないようにする
・体を動かしやすい湯量に調整する
・運動は4~5分以内、短時間で切り上げる
・呼吸が乱れるようなハードな運動はしない
・浴槽の中は滑りやすいので、危険な動きや複雑な動きは避ける
・体調が悪いときはおこなわない、または運動の最中に体調の変化を感じたら、すぐに中断して涼しい部屋で休む
・入浴の前後に水分を補給する
・寒い日は脱衣所を暖めておき、入浴前に体を冷やさないようにする
ここからは、お風呂でできる簡単な筋トレをパーツ別に5つご紹介。注意事項をしっかり確認してからおこなってくださいね!
座りながらおこなう易しい【腕の筋トレ1】
STEP 1:脚を前に伸ばして座る。

▲体がアルファベットの“L”の字になるように、脚・腰を伸ばして座ります。脚は揃えておきましょう。
STEP 2:両手を体のうしろにつく。

▲両手は体のうしろ・肩の下あたりを目安につきます。上体をややうしろに倒し、腕に負荷をかけた姿勢をキープ。〈回数:5~10呼吸〉
脚を完全に伸ばせない場合は、ひざを曲げてもOKです。
洗面器を使って腕の曲げ伸ばし【腕の筋トレ2】
次は、お風呂グッズのひとつ・洗面器を使った腕の筋トレをしていきます。
STEP 1:ひざを立てて座り、胸の前で洗面器を持つ。

▲両脚を前に伸ばしたらひざを立て、姿勢を安定させて座ります。洗面器の底を前に向け、手で両端を持ったら胸の前に引き寄せましょう。
STEP 2:腕の曲げ伸ばしをする。

▲腕を伸ばし、洗面器を前方に押し出しましょう。それからひじを曲げ、胸の前に引き寄せます。
水圧を感じながら、ゆっくり繰り返しましょう。〈回数:20回〉
洗面器を使って腕をねじる【腕の筋トレ3】
洗面器を使った腕の筋トレの別バリエーション、ポイントはねじる動きです。
STEP 1:洗面器の両端を持ち、腕を前に伸ばす。

▲ここでも洗面器の底を前に向け、手で両端を持ちます。ひじは完全に伸ばしておきましょう。
STEP 2:腕をねじり、洗面器を左右に回転させる。


▲自動車のハンドル操作のイメージで腕をねじり、洗面器を左右交互に回転させます。二の腕を中心に、脇腹への刺激も感じながらおこなうと◎。〈回数:20回〉
洗面器がお湯に浸かった状態だと適度に負荷がかかり、運動効果が高まります。
【お腹の筋トレ】浴槽の縁を持って「ニートゥチェスト」
続いては、下腹の引き締めに効果的な「ニートゥチェスト(ひざを胸に引き寄せる)」。浴槽の縁を持ってバランスを取りながら、安全におこないましょう。
STEP 1:ひざを立てて座り、両手で浴槽の縁を持つ。

▲左右の座骨に均等に体重を乗せてお尻を安定させて座ったら、両手で浴槽の縁をしっかり持ちます。
STEP 2:両脚を持ち上げる。

▲バランスを取りながら、両脚をゆっくり持ち上げます。脚の高さは無理のないところでOK。首や肩はリラックスさせ、腰が丸まらないように注意しましょう。
STEP 3:ひざを胸に引き寄せる~離す。

▲脚を浮かせた状態で、「息を吐きながら前に伸ばす~息を吸いながらひざを胸に引き寄せる」動きを交互に繰り返します。下腹にグッと力を入れておこなうのがポイントです。〈回数:20回〉
【むくみすっきり】浴槽の中で足を重ねて正座
脚のむくみが気になるときは、足の甲を反対のふくらはぎに重ねて座り、適度に加圧してみましょう。
STEP 1:ひざ立ちになる。

▲脚は腰幅に開き、足の甲を寝かせます。
STEP 2:右足の甲を左ふくらはぎに乗せ、腰を下ろす。


▲右足の甲は、左ふくらはぎの筋肉が盛り上がっている部分に乗せます。体のバランスを取りながら、腰をゆっくり下ろしましょう。姿勢が不安定な場合、手で浴槽の縁を持ってもOK。
左ふくらはぎに適度な刺激が加わるように、上体の角度・体重のかけ具合いを調節します。〈回数:5~10呼吸〉
反対側も同様におこないましょう。
以上、お風呂でできる筋トレとむくみ対策を紹介しました。体の様子をしっかり観察し、体調の変化やけがなどにはくれぐれも気をつけて安全におこないましょう。

ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。