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そもそも「ヨガ」って何?
日本にヨガブームがやってきたのは、2000年代。それからヨガ人口は右肩上がりに増え続け、今では400~600万人にものぼると言われています。単純に計算すると、国民の20人に1人はヨガをしていることになるのだからビックリですよね。
その一方で“ヨガとは?”と聞かれると答えに困ってしまう──というのは、その目的や効果が多岐にわたるからかもしれません。ここでは「そもそもヨガとは?」について、サクッとおさらいしていきましょう。
ヨガは「つながり」、まずはここを押さえておけばOK
ヨガの始まりは正確にはわかっていませんが、今から約4,500年前のインダス文明が起源だという説が広く伝わっています。
さて、ここからが本題の「ヨガとは?」です。
ヨガは、インドの古典語であるサンスクリット語で「つながり」という意味。心と体、自分の内側と外側がつながっている状態のことを表します。心身の「調和」「統一」「バランス」というと、わかりやすいかもしれません。
またヨガ=呼吸法でもあります。ただ酸素と二酸化炭素を交換するだけでなく、気をコントロールする意識でおこなうことで活力と集中力が増し、心と体を統合する―という考え方です。
ヨガの効果をおさらい! どんな人に向いている?
深い呼吸に意識を集中させたり、普段あまり使わない筋肉や関節を動かしたりするヨガには、次のような効果が期待されています。
・体の歪みやクセを直す:シェイプアップや姿勢改善
・自然治癒力を高める:内臓機能が活性化され、体内環境が整う
・内観性UP:集中力や感情のコントロール力UP
・慢性的な症状の緩和:体の凝り、冷え、便秘など
・自律神経のバランスを整える
※ これらは一例で、効果には個人差があります。
ヨガインストラクターの筆者のもとには、スタジオレッスンやオンラインレッスンを受講する生徒さんから「多忙でストレスフル」「リラックスしたい」「疲れを取りたい」「ハードな運動は苦手だけれど筋力をつけたい・体を引き締めたい」「体が硬いから柔軟性を高めたい」「冷えやむくみを改善したい」などといった声が多く寄せられます。このことからも、瞑想的な取り入れ方から健康法のひとつとしてヨガを習慣にする人が増えているようです。
※ ただし、健康上の問題や怪我がある人、医師から体を動かすことを止められている人の場合、ヨガはおこなえないので注意が必要。不安な点があれば、ヨガスタジオに問い合わせるなどしましょう。
ヨガ初心者さんが気をつけることは?
続いては、「ヨガが初めて」という人が知っておくと安心な注意点について。
食事は2~3時間前に済ませておく
スタジオレッスンだけでなく自宅でおこなう場合も、直前の食事は消化不良を引き起こすリスクが高いでしょう。前屈やねじりのポーズの最中に気分が悪くなる恐れもあるので、レッスン時間に合わせて食事のタイミングを調整すると〇。
動きやすい服装で
伸縮性があり、きつ過ぎない・ダボダボすぎないリラックスできる服装が望ましいです。
ポーズを頑張りすぎない
ヨガには特徴的なポーズがたくさんあります。まだ動き慣れていないときに頑張りすぎてしまうと、体を痛めたり、怪我をしたりする恐れがあるので、自分のコンディションを確認しながら無理のない範囲でおこないましょう。ポーズの形よりも、体の内側に広がる呼吸を大切に感じ取ることが重要です!
ヨガを始めたいと思ったとき、本を読んだり、オンラインで受講したり独学で知識を得ることも可能ですが、思い切ってスタジオレッスンを受けてみると、呼吸のリズムに乗った体の動かし方がわかったり、ほかにもさまざまな気づきがあったりして楽しめるでしょう。
それでも、レッスン中によくわからない言葉やポーズ名が出てくるのが不安…という場合は、以下のヨガ入門・基本のポーズを頭に入れておくと安心です。
基本ポーズ1:「安楽座/スカ・アーサナ」
日本語では「あぐら」と呼ばれる基本的な座法です。
STEP 1:両脚を曲げ、かかとが体の中央にくるように床に置く。手でお尻のお肉を外にかき出す。
▲どちらの脚を前にしてもOK。手でお尻のお肉を外にかき出し、左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて座ります。
STEP 2:手をひざに乗せる。
▲手のひらは上・下どちらを向けてもOKです。もしくは、親指と人差し指の先端を合わせて輪を作り、チン・ムドラーにしても〇。
あごの下のラインと床を平行にし、下腹部はリラックスさせましょう。
基本ポーズ2:「チャイルドポーズ」
首や背中、腰を緩めるポーズです。リラックスを促すときや、呼吸を整える休息のポーズとしてよくおこなわれます。
STEP 1:正座の姿勢からスタート。
▲足は重ねず、かかとを自然に開いて座ります。背筋をスッと伸ばし、手は太ももの上にセット。
STEP 2:手を体の前についたら上体を倒し、額を床につける。
▲ひじを緩め、首・肩がすくまないようにスペースを作ります。吸う息で背中に呼吸を送り、吐く息でお尻をかかとのほうへ引き下げましょう。
腕を体側に下ろしてもOK!
▲額をしっかり床につけたら、腕を体側に下ろします。手のひらは上に向けて、リラックスしましょう。
基本ポーズ3:「山のポーズ」
基本の立ちポーズです。
STEP 1:背筋を伸ばし、まっすぐに立つ。
▲親指の付け根を揃えたら、足の指を広げてかかと寄りに重心を移動させます。ひざは軽く緩めて、自分の筋肉で体を支えましょう。
尾骨(お尻の先のしっぽのような骨)を下に向けて下腹を引き込んだら、あごを引いて頭頂部を高くします。
余裕がある場合:胸の前で手のひらを合わせて、合掌する。
▲エネルギーを体の中心に集め、目を閉じて呼吸を繰り返します。
基本ポーズ4:「ダウンドッグ」
四つ這いのポーズのあと、立位へと移行するときによくおこなわれるポーズです。
STEP 1:四つ這いになる。
▲手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。手の人差し指を正面に向け、足はつま先を立てましょう。
ヘソを引き上げて、背中を平らに!
STEP 2:かかとの上にお尻を下ろす。
▲腕は肩幅に開いたまま、お尻を引き下げて座骨の下にかかとがくるようにします。
STEP 3:腰を浮かせ、ひざを伸ばす。
▲お尻をかかとから浮かせ、少しずつひざを伸ばしていきます。上腕は真上に引き、座骨は後方斜め上に引っ張りましょう。
STEP 4:ひざを伸ばす。
▲ひざをまっすぐに伸ばします。床についた手からお尻までが斜め一直線になるように、背筋を伸ばしましょう。手でしっかり床を押し、尾骨を高く! かかとを上げていてもOK。
脚背面の伸びがツラい場合:片脚ずつ足踏みをする。
▲ひざ裏やふくらはぎ、アキレス腱などの硬くなりやすい部分をゆっくり丁寧にストレッチします。
基本ポーズ5:「シャヴァ・アーサナ」
「屍のポーズ」と呼ばれることもあります。生命が尽きた屍のように静かに仰向けになり、心身の緊張を解くこのポーズは、レッスンの最後に5~10分ほどおこなわれることが多いです。
STEP 1:仰向けになりひざを立て、腰を伸ばす。
▲お尻の下に手を入れて、座骨を脚のほうに引き下げるように腰を伸ばします。
STEP 2:両手・両脚を伸ばして、全身の力を抜く。
▲腕は脇の下に卵1個分のスペースを開けて、手のひらを上に向けます。脚は腰幅より広げ、つま先を外側に倒して脱力させましょう。
額とあごの高さを揃え、首の前後を伸ばします。
最後に
以上、ヨガの基本についてご紹介しました。「ヨガを始めたい」「何から始めるべき?」とお悩みの人だけでなく、すでにヨガ経験のある人もおさらいに役立ててみてくださいね。
※ 「シャヴァ・アーサナ」以外の各ポーズは、5呼吸を目安におこなってみてください。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。