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1日の終わりにグッタリ…疲れにくい体になるには?
仕事が終わって家に帰ると、「疲れ切ってしまい何もする気になれない…」なんてことはありませんか?
疲れには大きく分けて3つのタイプがあるといわれています。まず1つめが体を動かすことで起こる肉体的疲労。2つめはストレスや緊張が原因となる精神的疲労、そして3つめはデスクワークなどによる視神経の酷使・脳の緊張からくる神経的疲労。
今回は、1日の終わりにドッと体をダル重くグッタリさせる肉体的疲労にフォーカスしていきます。まずは、肉体的疲労によって現われる症状の特徴から見ていきましょう。
肉体的疲労時に見られる症状
次の項目は、肉体的疲労が起こっているときの代表的な症状です。
・体がだるい
・体が凝っている
・何かをするのが億劫/やる気がない
・すぐに座りたくなる
・朝すっきり起きられない
・いつも眠い
肉体的疲労は体を動かすことだけでなく、反対に同じ姿勢をずっと取り続けて筋肉が凝り固まり、血行が悪くなることでも起こります。また、肉体的疲労と精神的疲労、神経的疲労はそれぞれに独立しているわけではなく、体がダル重いうえにストレスもたまっている、さらにはパソコン作業で頭までヘトヘト…という複合的なケースも珍しくありません。
そんなツラい疲労を回復させるには、良質な睡眠と栄養バランスの良い食事、適度な運動が効果的です。
とはいえ、体が疲れているときに運動なんて…という日もあるでしょう。そんなときは、すでに感じている肉体的疲労をいたわるだけでなく、疲れにくい体を作るストレッチをおこなうのもおすすめです。
さらにもうひとつ大切なのが、深い呼吸。疲れているときは呼吸が浅くなりがちですが、ストレッチの最中にゆったりした呼吸をすることで、副交感神経が優位になり心身の緊張が緩んでリラックスできるばかりか、脳への血流が促されるといった効果も期待できます。
それでは早速、ストレッチを始めていきましょう。
【立ったまま】全身リフレッシュ! 凝り固まりがちな筋肉をまんべんなくほぐすストレッチ
はじめはお腹や背中に加えて、普段あまり動かすことがなく凝り固まりがちな腕、脇、脇腹、お尻・太ももの側面といった広範囲の筋肉をほぐすストレッチから。
STEP 1:脚を腰幅に開き、両腕は頭上に伸ばして手を重ねる。
▲足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)で床を押し、重心はややかかと寄りに預けます。女性は腰が反りやすい傾向があるので、尾骨を引き下げてカーブを緩めましょう。
両腕を頭上に伸ばし手を重ねたら、指先で天井を押すイメージで全身を縦に引き伸ばします。
STEP 2:上体を左右に倒す。
▲吐く息に合わせて上体を右へ。体を半月のように自然にカーブさせ、体側の心地良い伸びを感じながら呼吸を繰り返します。
吸う息で上体を起こしてきたら、次の吐く息で左へ倒しましょう。〈回数:左右各5呼吸〉
STEP 3:腰で円を描く。
▲足裏で床をしっかり捉え姿勢を安定させたまま、腰で円を描きます。骨盤を前後左右に滑らかに動かすようなイメージで、ゆっくりまわしましょう。〈回数:時計まわり・反時計まわり各5~10周〉
【仰向けで寝ながら】股関節周辺をほぐすストレッチ
股関節周辺のような大きな筋肉がある場所をストレッチすると、筋肉だけでなく精神的な緊張も一緒に緩んで、深くリラックスすることができます。
STEP 1:仰向けになり、ひざを立てる。
▲腕は体側に下ろし、かかとをお尻からやや離した位置にセットします。恥骨を軽く突き上げて、腰をできるだけ床につけましょう。
※ 腰が反りやすい場合、下に丸めたタオルやブランケットを置いてもOK。
STEP 2:【息を吐きながら】両ひざを外側に倒す。
▲両ひざを外側に倒したら、足の裏同士をピタッとつけてひし形にします。ひざは無理なく倒せるところまででOK、床から浮いていても大丈夫です。〈回数:5呼吸〉
【座ったまま】精神的な疲労には肩甲骨・内側のストレッチ
続いては、精神的な疲労がたまりやすいといわれている肩甲骨と肩甲骨の間のストレッチです。
STEP 1:両脚を前に伸ばして座り、左ひざを曲げる。
▲両脚を前に伸ばした長座(ちょうざ)で座ります。左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて背筋を伸ばし、体をL字にしましょう。
右足裏を前に突き出したら、左ひざを曲げて外側に倒します。左足の裏を右内ももに添えましょう。
STEP 2:左手で右足小指側面をつかむ。
▲左手で右足小指側面をしっかりつかみます。右脚の伸びがツラい場合、ひざを軽く曲げてもOKです。
STEP 3:【息を吐きながら】背中を丸め、左肩をうしろに引く。
▲吐く息に合わせて背中を丸め、左肩をうしろに引いて肩甲骨の内側をストレッチします。足裏と肩で引っ張り合うようにして、伸びを深めましょう。
反対側も同様におこないます。〈回数:左右各5呼吸〉
【立ったまま】ふくらはぎのストレッチで全身の血流改善
下半身の血液を送り返すふくらはぎのストレッチは、全身の血流改善や疲労回復につながります。
STEP 1:脚を揃えて立つ。
▲立位のときは足裏3点で床を押し、尾骨を引き下げて姿勢を整えます。手は腰に添えましょう。
STEP 2:左脚を大きく前に踏み出し、ひざを曲げる。
▲左ひざの下にかかとがくるように、姿勢を整えましょう。右足はつま先を正面に向けたまま、かかとを浮かせます。
STEP 3:右のかかとを上げ下げする。
▲右のかかとを床に近づける~浮かせる動きをゆっくり繰り返します。腰を軽く上下させながらテンポよく動き、右のふくらはぎに適度な刺激を与えましょう。
反対側も同様におこないます。〈回数:左右各10回〉
【ストレッチローラーを使用】筋肉の疲労が蓄積しやすい背面をほぐす
自宅にストレッチローラーがあれば、首のうしろや背中、腰など筋肉の疲労が蓄積しやすい体の背面をほぐすのもおすすめです。
首のうしろ:ほぐし方
▲ストレッチローラーを横向きにセットします。そこに首を乗せて、仰向けになりましょう。まずはそのまま頭の重さを使ってじんわり首のうしろをほぐし、あごを上げたり、引いたりします。
それから顔を右・左に向けて、首の両サイドをほぐしましょう。
背中:ほぐし方
▲ストレッチローラーを横向きに置いたら、仰向けになり背中を乗せます。ひざを立て、脚は腰幅程度に開いておきましょう。
体を前後に動かして、肩甲骨周辺~背中の広範囲をストレッチローラーでほぐします。
腰まわり:ほぐし方
▲左体側を下にして横向きになったら、腰の位置にストレッチローラー(横向き)をセット。腕は体の前につき、右脚はひざを立てて姿勢を安定させましょう。体を前後にゆっくり動かして、腰まわりをほぐしていきます。
反対側も同様におこないましょう。
ストレッチローラーを使っている部位には体重がグッとかかるため、同一ヶ所に長時間使用しないように注意が必要です。目安は、1パーツにつき20~30秒程度。
最後に
「体力がない」「疲れやすいのは体質だから」と、帰宅後すぐに寝てしまっては、疲れを翌日に持ち越すことになりかねません。すでに感じている疲れだけでなく、疲れやすい体質の改善にもストレッチは有効です。ぜひ、試してみてはいかがでしょうか。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。