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「落ち込んでいる人」への接し方は? 実際にされたい接し方を調査
自分の周りにいる誰かの心が弱ってしまったとき、「何か手助けしたいけど、どうしたらいいかわからない」ともどかしさを感じる人もいるのではないでしょうか。今回は〝落ち込んでいるとき、実際にされたい接し方〟についてアンケートを実施し、結果を7つの項目にまとめました。一緒にチェックしていきましょう。
※アンケートは20〜39歳の日本全国の女性を対象にOggi編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数110名(未回答含む)。
そっとしておく
落ち込んだときは、ゆっくり自分と向き合いたいと感じている人も多いよう。そんなときは、ひとりになれる時間を設けるのも優しさです。ここで言う「そっとしておく」は、相手を気にかけないということではなく、ほどよく距離をとって見守る姿勢のことを指します。
「そっとしておいてほしい。美味しい食べ物をそっと買ってきてほしい」(30代・大分県)
「できるだけそっとしといてほしい」(30代・静岡県)
「接してほしくない。そっとしておいてほしい」(30代・東京都)
「関わらないでほしい」(30代・滋賀県)
「なにもしないでほしい」(30代・岡山県)
「人間は関わらなくて良い。猫や犬などに慰めてほしい」(20代・愛知県)
「ひとりにしてほしい」(20代・岡山県)
「浮上するまで放置してほしい」(30代・愛知県)
「放っておいてほしいが、自分が話したくなったら聞いてほしい」(30代・熊本県)
寄り添う
「あれ?」と思ったら、まずは声を掛けてみるのも◎。「いつもより元気がないね」「何かあった?」「忙しいの?」など、相手のいつもと違う雰囲気に気づいていることを伝えておくのが大事です。もし「大丈夫…」と言われたら「何かあったらいつでも頼ってね」と寄り添って様子を見るとよさそう。
「心配してほしい」(30代・茨城県)
「大丈夫? そばにいるよと言われたい」(20代・長崎県)
「共感してほしい」(30代・千葉県)
「誰よりも私のことを気にしているという雰囲気がほしい」(30代・新潟県)
「優しく寄り添ってほしい。たとえ自分に悪いところがあったとしても、最後まで自分の味方でいてほしい」(30代・大阪府)
「優しく接してほしい。慰めてほしい」(30代・愛知県)
「同調してほしい」(30代・千葉県)
話を聞く
ただただ、話を聞いてほしいという回答もありました。励ましの言葉やアドバイスではなく、そばにいて気持ちを聞いてほしいのが本音とのこと。自分の口から話をすれば多少はスッキリしますし、聞き手も感情の機敏や状況を把握しやすいため、お互いにメリットのある行為だといえます。
「そばにいて話を聞いてほしい」(30代・愛知県)
「解決策はいらないので話を聞いてほしい」(20代・北海道)
「ただ話を聞いて、励ましてもらいたい。それかこちらが話すまでそっとしておいてほしい」(30代・静岡県)
「親身に話を聞いてほしい。そばに居てほしい」(30代・兵庫県)
「話を聞いて共感してほしい」(30代・兵庫県)
「話を聞いてほしい。励まさなくていいので一緒に買い物に行ったり、美味しいご飯を食べてくれたらいい」(30代・愛知県)
「励ましはいらないから話を聞いてほしい」(30代・鹿児島県)
いつも通りの接し方
あまり悩みを相談しないタイプには、いつも通り接したほうがいいのかも。頼ったり甘えたりすることに不慣れだったり、カッコ悪い自分は見せたくないと考えて、ひとりで抱え込む傾向が強い人もいます。そういう相手に対して「悩みを共有しよう」とか「一緒に解決しよう」と声をかけても、気持ちを楽にしてあげることはできません。どんより落ち込んでいる様子でも、いつもどおりに振る舞っておきましょう。
「いつもと変わらず接してほしい」(30代・滋賀県)
「いつも通り」(30代・京都府)
「いつも通りの挨拶以外は、そっとしておいてほしいです」(20代・兵庫県)
「普通に接してほしい」(30代・埼玉県)
楽しませる
誰かが落ち込んでいる姿を見たら「なにか楽しんでもらう方法はないだろうか」考える人もいるでしょう。そんなときは、気分転換にいつもと違う遊びをセレクトしてはいかがでしょうか。近場でプチ旅行を楽しむ・行ったことのないカフェに行く・普段は見ないような映画やドラマを見るなどの行動は、気持ちが切り替わるきっかけになることも。日常の中に冒険を取り入れて、楽しい時間を一緒に過ごしてみてください。
「一緒に笑える動画を見てほしい」(30代・新潟県)
「楽しいことしよ! と言ってほしい」(20代・神奈川県)
「一緒に遊びに出かけてほしい」(30代・兵庫県)
「明るく接してほしい」(30代・千葉県)
「前向きになれる言葉だけをかけてほしい」(30代・福岡県)
美味しい物を食べる
美味しい食事をとることで、脳からドーパミンが分泌されるそう。ドーパミンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、〝落ち込んでいるときほど美味しいご飯を食べたほうがいい〟と言われているのだとか。相手が好きなものや、自分がおすすめしたいお菓子などを差し入れして、元気な気持ちになってもらいましょう。
「美味しい物を食べに行く」(30代・富山県)
「美味しいお菓子を渡してくれると嬉しい」(30代・東京都)
「美味しいもの(甘いもの)を差し入れしてほしい」(30代・東京都)
肯定する
ひと通り話を聞いたあとに「それは〇〇ってことだったんだよね」「△△したほうが上手くいくと思ったんだよね」など、相手の行動を理解して肯定するのも、皆さんが「こうされたい」と感じている接し方のようです。少し過剰かもしれないなと感じても、相手が落ち込んでいるときには思いきり甘やかしましょう。
「甘やかしてほしい」(30代・東京都)
「包んで」(20代・東京都)
「褒める」(30代・埼玉県)
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NG行為はこれ!「落ち込んでいる人」にやってはいけないことは?
前章では、落ち込んだ人が〝周りからどのような接し方をされたいと思っているのか〟を紹介しました。つづいては「落ち込んでいる人」にやってはいけないことについてアンケートした結果を5つの項目に分けてピックアップ。
理由をしつこく聞く
落ち込んでいる理由が知りたい、力になりたいという気持ちも理解できますが「調子はどう?」「少しは元気になった?」などとしつこく質問しすぎるのはNG。相手には話したくない事情もあるかもしれませんので、一回聞いてみて乗り気でない場合には、そっとしておくこともひとつの方法なのです。
「ガツガツ理由を聞いてくる」(30代・愛知県)
「根掘り葉掘り聞いてくる」(30代・千葉県)
「しつこく絡まれる」(30代・東京都)
「しつこく理由を聞いてくる」30代・東京都)
「やたら干渉されること」(30代・岐阜県)
「原因を根掘り葉掘り聞いてくること」(30代・愛知県)
「話したくないのに事情をしつこく聞き出してくること」(30代・東京都)
求めていないアドバイスや意見を言う
ポジティブな励ましの言葉で勇気づけるという考えもわかりますが、相手の気持ちが落ち込んでいるタイミングだと逆効果になってしまうことも。自分はそんな意図で発していなかったとしても、伝え方次第では不要なアドバイスや叱責と捉えられるので気をつけましょう。
「的外れな説教」(30代・兵庫県)
「それぐらいで落ち込むなよと言われること」(30代・大分県)
「あれこれ意見を言われること」(30代・愛知県)
「こっちの気持ちも考えずに責めたり、一方的な意見を言われたりすること」(30代・静岡県)
「強引に解決策を押し付けようとする」(30代・東京都)
「正論をまくしたてられる」(30代・兵庫県)
無責任な言葉を掛ける
「大丈夫」などの言葉は、場合によっては他人事に聞こえ、無責任な発言だと思われてしまうおそれが。たとえば頑張りが報われなかったと落ち込んでいる人へ、そのような言葉をかけたとしましょう。すると「私は私なりにベストを尽くしてきて、そのすべてが否定されたみたいで辛いのになにが大丈夫なんだろう。なにもわかってない」といったように、寄り添おうとする気持ちが足りていないと判断されてしまうかもしれません。
「根拠なく大丈夫だよって言われるやつ」(30代・鹿児島県)
「暴言、無神経に前向きになれと言われる」(30代・茨城県)
「大丈夫大丈夫。と声をかけられるのが嫌」(30代・京都府)
「元気だしてとばかり言われること」(30代・千葉県)
「なんとかなるっしょ! と聞いてくれない」(30代・東京都)
「無思慮」(30代・京都府)
「無責任な言葉」(30代・福島県)
「こちらの様子に気付きもせず気にもせず、余計で無神経な言動を取られること」(30代・福岡県)
空気が読めない
元気づけようと考え、ハイテンションで接するのは一見良い判断のように感じますが「空気が読めない人」と捉えられてしまうことも。相手がどのような雰囲気をまとっているのかなど、場の空気を読むことは必須です。「ふざけている」「からかわれている」と受け取られてしまわないよう要注意。
「テンションが高い状態で絡まれる」(20代・愛知県)
「うるさくされる」(30代・福島県)
「ポジティブすぎる」(20代・大阪府)
「あんまりベタベタされるのは嫌」(20代・神奈川県)
「距離が近い。必要以上に構われる」(30代・大阪府)
「からかわれる感じ」(20代・広島県)
「マウントをとられる」(30代・栃木県)
「上からなの」(20代・大阪府)
「心配ごとを軽視される」(30代・茨城県)
自分の話が多い
「落ち込んでいる人」への対応に限りませんが、悩みの内容を聞いた途端に自分の意見を話し始めることは嫌がられるようです。自分の武勇伝や思い出話をするばかりでは、相手も白けてしまいます。悩みを聞くならば、話し手よりも聞き手側に回って話を進めましょう。
「話を聞いてくれない」(30代・北海道)
「自分語り。話を聞かない」(30代・東京都)
「話を聞かないで話題をすりかえる」(30代・神奈川県)
「落ち込んでいる人」への励ましの言葉を紹介
落ち込んでいる人を見ると、どうにか元気づけたいと思うものです。ここでは「落ち込んでいる人への励ましの言葉」を6つに分けて紹介します。アンケート結果から、皆さんの嬉しかった言葉や具体的なエピソードを抜粋したので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
寄り添ってくれる言葉
すっかり気分が落ち込んでしまったとき、寄り添ってくれる「味方だよ」「そばにいる」などの言葉は心に響きますよね。アンケートでも、安心感と包容力あふれる温かいひと言に励まされたというエピソードが多々寄せられました。
「辛いことがあっても聞くし、側にいるからね」(20代・埼玉県)
「ずっと○○の味方でいるから」(30代・大阪府)
「私の味方だと言ってくれる」(30代・栃木県)
「味方だよということを伝えてくれた」(30代・富山県)
「なんぼでも吐き出してええから、飲んで食べて寝て忘れよ!」(30代・兵庫県)
「一緒に解決しよう」(20代・兵庫県)
「世界中が敵でも自分だけは味方であると言ってくれた」(30代・大阪府)
気楽になれる言葉
仕事での失敗は、多くの人を巻き込んでしまう場合があり、その分ショックも大きくなりがち。「そこまで思いつめなくていいんだよ」などの気楽になれるひと言で、心を救われたとの声が。
「いつでもやめていいし、仕事が人生の中心じゃないって言ってもらえて本当に救われた」(20代・岐阜県)
「いろんな仕事があるからひとつではない」(30代・広島県)
「仕事で失敗しても会社は潰れないと言われたこと」(30代・兵庫県)
「まだ見ぬ魅力的な仕事は、星の数ほど存在する」(30代・東京都)
「辞めてもこの世界に仕事は溢れているから、今の場所にこだわらなくて大丈夫」(30代・宮城県)
励ます言葉
NG行為の章にも出てきた「大丈夫」ですが、かえってそのようなシンプルな励ましが響いたとのエピソードも。使う人や状況さえ考慮すれば、十分なエールとなるようです。
「何の根拠もないが、大丈夫だよと言われると少し安心する」(30代・兵庫県)
「大丈夫」(30代・愛媛県)
「大丈夫だからまずは落ち着こう」(20代・大阪府)
「シンプルだけど大丈夫と言われたとき」(30代・東京都)
「無理しなくて大丈夫」(30代・神奈川県)
前向きになれる言葉
落ち込むと、目の前が真っ暗になってしまうこともありますよね。そんなときは、闇から救い出してくれるような言葉が必要です。アンケートでも「この選択は間違っていなかった」と思わせてくれた、前向きになれる言葉が強く印象に残ったとの回答がありました。
「そんな日もあるさ!の言葉は、心の区切りと気持ちの切り替えに最適な言葉でした」(20代・兵庫県)
「今は歯車が上手く回ってないだけで、底力はあるから大丈夫や! また絶対にうまくいく時がくる!」(30代・大阪府)
「そのときの状況に合わせたポジティブな言葉」(30代・静岡県)
「苦しみのあるところには希望がある」(30代・滋賀県)
「どうせ悪い方に転ぶって思っちゃうなら、自分がしたいようにしよう!」(20代・神奈川県)
認める言葉
気分がどん底のときには自己肯定感もグンと下がってしまうのか、自分を認めてもらえるような言葉がほしいと感じる人も多い様子。やっぱり頑張りを見ていてくれる、理解してくれる人がいると安心しますよね。そうした経験があるのなら、自分からも積極的に落ち込んでいる人へ同じ言葉を伝えてみましょう。
「頑張ってるよ」(20代・宮城県)
「自分を肯定する言葉」(20代・東京都)
「頑張ることは大事だけど、頑張りすぎはよくない」(30代・愛知県)
「かわいいから大丈夫」(30代・東京都)
「あんたは可愛くていい女だから大丈夫! もし今の人がダメでもすぐにいい人に出会えるよ!と言ってもらえて自信が持てた」(20代・愛知県)
共感の言葉
人によっては「正しいアドバイスをもらうより、共感してもらえるほうが嬉しい」とのこと。もちろん解決方法を求める人もいるかもしれませんが、話を聞いたときの第一声は「そうだったんだね、大変だったね」「その気持ちよくわかるよ」など同調するような言葉を選ぶと、より深い信頼関係が築けるかもしれませんね。
「わかるよと言ってもらえると気持ちが落ち着く」(30代・千葉県)
「つらかったね。大丈夫だよ」(20代・島根県)
「同感だと言ってほしい」(20代・東京都)
「自分も同じことがあったと、体験談を話してくれる」(30代・京都府)
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最後に
「落ち込んでいる人」への接し方はケースバイケース。話を聞いてほしいという人もいれば、少しの間放っておいてほしいと感じている人もおり、正直にいうと全員に当てはまる対応方法はありません。まずは相手の性格を考え、〝今どんなことで悩んでいて、どんな状況なのか〟を迅速に判断し、それに沿った接し方をするのがよさそうです。その際の言葉選びや態度などで今後の関係性が大きく変わるかもしれませんが、誤解されないよう丁寧に励ましの気持ちを伝えることを心がけていれば失敗も少ないのではないでしょうか。
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