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基礎代謝とダイエットの関係
ダイエットをしているとき、よく目や耳にする“基礎代謝”という言葉。基礎代謝は高いほうがいいと言われる一方で、その理由はあまり知られていないかもしれません。
基礎代謝とはそもそも何のことで、ダイエットとはどのような関係があるのでしょうか。
基礎代謝とは
基礎代謝とは、生命活動を維持するために無意識のうちに消費されるエネルギーのこと。例えば、体温を調節する、心臓を動かす、呼吸をするなど、人が生きていくために最低限必要なエネルギーが基礎代謝です。
ちなみに、1日の総エネルギー消費量は、基礎代謝量が約60%、食事誘発性熱産生が約10%、身体活動量が約30%。基礎代謝量が占める割合は、なんと全体の半分以上! 基礎代謝量が高いと、1日のエネルギー消費量が増えるというわけなのです。
平均的な基礎代謝量
しかしながら、基礎代謝量は年齢を重ねることで低下していくのが一般的です。
30~49歳の女性(参照体重53.1kg)の基礎代謝基準値は1,150kcalですから、ピーク時の12~14歳(参照体重47.5kg)の1,410kcalから260kcalほど下がっています。これは、コンビニエンスストアで購入するおにぎり1個分(種類にもよる)以上のカロリーです。
参考: 「加齢とエネルギー代謝/e-ヘルスネット」 厚生労働省
このように基礎代謝の低下には年齢が大きく関係しています(性別や体格といった個人差のほかにも、さまざまな要因が絡んでいます)。その背景には、運動不足による筋肉量の減少が潜んでいるのです。
骨格筋で消費される基礎代謝の量は大きく、トレーニングで筋肉量を増やすことは、基礎代謝UPにも影響を及ぼすと言えるでしょう。
ここからは、基礎代謝を上げるパーツ別・筋トレの方法をご紹介していきます。ポイントは、体のなかでも大きな筋肉をトレーニングすることです。
【仰向けでおこなう】背中の筋トレ
まずは、背中のトレーニングから。
STEP 1:仰向けになり、両腕を胸の前でクロスする
▲仰向けになったら両脚を揃え、お腹の力を抜きます。腕は胸の前で交差させ、手をそれぞれの肩に添えましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】お尻を持ち上げる
▲両かかとと肩をしっかり床につけて、体を支えます。背中を中心に体の背面の筋肉が使われているのを意識すると◎! 〈回数:3呼吸キープ×3~5セット〉
首に負担がかからないように、肩や頭の位置を調節しておこないましょう。
【四つ這いでおこなう】お尻の筋トレ
次は、お尻のトレーニング。
STEP 1:四つ這いになる
▲手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。ヘソを引き上げて、背中を平らにしましょう。
STEP 2:右脚を持ち上げる
▲右脚をお尻の高さにUP。ひざを伸ばして脚を真っすぐにしたら、かかとを軽く突き出しておきます。
STEP 3:右脚を上げ下げする
▲【息を吐きながら】右脚をさらに高く持ち上げる~【息を吸いながら】右脚を床スレスレまで下ろす動きを、呼吸に合わせて繰り返します。
ポイントは、平らな背中をキープすることと、右ひざを伸ばしたままおこなうこと。〈回数:左右各10回×2セット〉
【椅子を使っておこなう】前ももの筋トレ
椅子が近くにあるときは、太もも・前側のトレーニングを!
STEP 1:椅子に座り、手を腰に添える
▲椅子に浅めに座ります。左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)で座面をとらえて骨盤を立て、背筋をスッと伸ばすと◎!
股関節とひざは90度に曲げ、足の裏をピタッと床につけたら手は腰へ。
STEP 2:【息を吐きながら】お尻を持ち上げる
▲座面からお尻を持ち上げます。太ももの前側の筋肉に刺激を感じられる位置で、ストップ。頭頂~お尻が斜め一直線の姿勢をキープしましょう。〈回数:3呼吸×3セット〉
【うつ伏せでおこなう】もも裏の筋トレ
最後は、太もも・裏側のトレーニング。
STEP 1:うつ伏せになる
▲腕は体の横で、手のひらは下向き。脚は腰幅に開きましょう。姿勢が整ったら、あごをソッと床につけます。
STEP 2:【息を吐きながら】左脚を持ち上げる
▲ひざを伸ばしたまま、左脚を床から持ち上げます。脚の高さは、左太ももの前側が床から浮くくらいが目安です。
STEP 3:【息を吐きながら】左ひざを曲げる
▲次の吐く息で、左ひざを曲げます。つま先で天井を押すようにして、太ももの裏側の筋肉が使われているのを意識しましょう。〈回数:左右各5呼吸〉
筋トレは無理のない種目・回数から始めて、徐々にセット数を増やしたり、組み合わせを変えたりしていくと負担になりにくく、続けやすいでしょう。
筋トレ以外で基礎代謝を上げるには?
トレーニングのほかにも、次のような方法で基礎代謝を上げる効果が期待できます。
・背筋を伸ばし、正しい姿勢を意識する
→不良姿勢を正すだけでも、姿勢の維持に筋肉が使われる。
・簡単なストレッチをする
→自律神経のバランスが整うことで、基礎代謝UPが期待できる。
・湯船に浸かる&体が温まる食べ物をとる
→入浴や食事で体が温まると血行が促されるほか、内臓の働きが活発化して基礎代謝UPが促される。おすすめの食材例は、根菜類、発酵食品、薬味、香辛料など。
「これまでと同じような運動・食生活をしているのに、ダイエット効果が得にくくなった」…という方は、基礎代謝の低下が関係しているのかも。運動方法や生活習慣など、ぜひ参考にしてみてください。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。