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ヨガで腰痛が治った? それとも悪化した?
ヨガは腰痛改善に効果的といわれています。しかし、その一方で「ヨガで腰痛が悪化した…」なんて声も聞こえてきたりして、一体どっちが本当なの?と思ったことがある人も多いのでは。
まずヨガが腰痛に効くといわれる理由ですが、いろいろなヨガポーズを通して腰まわりの筋肉の柔軟性を高めたり、筋肉の緊張を緩和したりして血流を良くすることがひとつ。
そして、腰部や腹部の筋肉を強化して、姿勢の安定感とバランス力を高めることで、腰への負担が軽減するなどがあげられます。
続いてヨガで腰痛になるといわれる理由ですが、これは実にさまざま。
例えば、先にあげた柔軟性の高さですが、これも過剰になると腰椎の過伸展(関節が必要以上に反ってしまうこと)が起こって腰を痛める原因になります。
また、腹筋と背筋のバランスの崩れや、反り腰のような日頃の姿勢のクセ、ヨガポーズが正しくおこなえていない…などもそう。
やや極端ではありますが、「人によって腰痛が悪化するポーズと改善するポーズは異なる」といえるでしょう。
それを踏まえたうえで、ここではヨガや運動初心者さんにも腰への負担が少なくおこなえるヨガポーズをご紹介。特に、普段から腰が反り気味な方におすすめです。
【寝ながらおこなう】「ガス抜きのポーズ」
〈ガス抜きのポーズ:特徴〉
腰のストレッチに加えて、全身の緊張が緩みやすくリラクゼーション効果の高いポーズです。仰向けで寝たまま腹部に適度な圧をかけるため、内臓機能を高めるポーズでもあります。
STEP 1:仰向けになる。
▲腕は脇の下に卵1個分のスペースを開けて、体の横。脚はまっすぐに伸ばしておきます。恥骨を軽く突き上げて、腰の広範囲を床に近づけると〇!
STEP 2:ひざを立て、【息を吸いながら】胸に引き寄せる。
▲両ひざを揃えた状態で、胸に引き寄せましょう。手で床を押すと、お尻が浮いてひざを引き寄せやすくなります。
STEP 3:手でひざを抱える。
▲呼吸の妨げにならない程度に、手でひざを抱えます。お腹が苦しい場合、ひざを少し開いてもOK。〈回数:5呼吸〉
【寝ながらおこなう】「仰向けのねじりのポーズ」
〈仰向けのねじりのポーズ:特徴〉
仰向けになって両脚を左右に倒し、腹部・腰部をねじるポーズ。
内臓機能を高めるため、毒素排出効果が期待できるポーズのひとつです。体幹や脇腹の筋肉を刺激するので、腹部の引き締めにも〇。
STEP 1:仰向けになり、両腕を横に広げる。
▲腕は肩の高さに広げて、手のひらを下に向けます。脚は揃えておきましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】両脚を持ち上げる。
▲両脚を揃えたまま、真上にUP。体がアルファベットの“Lの字”になるように、股関節を90度に曲げましょう。
STEP 3:【息を吐きながら】両脚を右に倒し、顔は左に向ける。
▲両脚を伸ばしたまま右に倒し、床に下ろします。両方のかかとを揃えられるとgood! 顔は脚と反対側に向けて、ねじりを深めましょう。
反対側も同様におこないます。〈回数:各5呼吸〉
姿勢がツラい場合
ひざを軽く曲げてもOK。
▲ひざを曲げても、脚は重ねた姿勢をキープ!
【座りながらおこなう】「合せき(がっせき)のポーズ」
〈合せきのポーズ:特徴〉
股関節を開き、骨盤の左右のバランスを整えるため腰痛の改善にも効果的なポーズ。上体を丸めることで、腰まわりのストレッチ感がさらに深まります。
STEP 1:足の裏を合わせて座る。
▲両ひざを曲げ、足の裏同士をつけて座ったら、手で足先を持ちます。両ひざはなるべく床に下ろし、かかとは股関節に引き寄せましょう。
左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて骨盤を立てたら、下腹部からスッと引き上げます。
STEP 2:【息を吐きながら】背中~腰を丸くする。
▲吐く息に合わせて、上体をアルファベットの“Cの字”にして丸くなります。〈回数:5呼吸〉
【四つ這いでおこなう】「キャットアンドカウ」
〈キャットアンドカウ:特徴〉
四つ這いの姿勢で背中を反らせる~丸める動きを交互に繰り返します。腰まわりを滑らかに動かして、筋肉の緊張を緩めるポーズです。
STEP 1:四つ這いになる。
▲手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。ヘソを引き上げて、背中を平らにしましょう。
STEP 2:【息を吸いながら】背中を反らせる。
▲吸う息に合わせて骨盤を前傾させ、背中を反らせます。目線は斜め上!
STEP 3:【息を吐きながら】背中を丸める。
▲吐く息に合わせて骨盤を後傾させ、背中を丸めます。頭も下げ、目線はヘソです。背中が均等なアーチを描くように、丁寧な動きを繰り返しましょう。
ポイントは、腰だけを反らせないこと! 〈回数:STEP 2~STEP 3を呼吸に合わせて3~5回〉
ヨガの最中、腰痛になったら…
女性に多く見られる反り腰の姿勢に心当たりがある人は、次の「ラクダのポーズ」のような体を大きく後屈させるポーズに注意しましょう。
後屈は体の前面のストレッチには効果的ですが、腰への負担が大きいので痛みがあるときにやってはいけないポーズのひとつです。
次に紹介するヨガ「チャイルドポーズ」は、首や背中、腰を丸めて緩め、リラックスを促すポーズ。
ヨガのレッスンでは、後屈のポーズのあとや立位のポーズが続いたあとなどに、呼吸を整える休息のステップとしても取り入れられます。
腰に負担がかかったな、と感じたときは「チャイルドポーズ」でお休みしましょう。
STEP 1:正座の姿勢からスタート。
▲足は重ねず、自然に開いて座ります。背筋をスッと伸ばしましょう。
STEP 2:両手を体の前につき、上体を倒す。
▲額を床につけたら、ひじを軽く緩めてリラックス。両手を前方に伸ばすことで、背中や腰がストレッチされやすくなります。
お腹が苦しい場合は、ひざを軽く開くと〇。〈回数:5呼吸〉
腕は体側に下ろしてもOK。
▲両腕を体側に下ろして、手のひらを上に向けてもいいでしょう。どちらか楽なほうを選びます。
最後に
腰痛の原因は、人それぞれ。
「どのヨガポーズで良くなった、悪くなった」も、人によって異なります。痛みや違和感を覚えたら痛い方向に動かさず、安静にして、それでもよくならない場合は専門の医療機関を受診しましょう。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。