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たくさん歩くと腰が痛くなるのはなぜ?
運動の中でも、比較的気軽に始めやすいウォーキング。ダイエットや生活習慣病の予防、脳の活性化、ストレス解消・リフレッシュなどの効果が期待されています。
ところが、「ウォーキングを始めてから腰が痛い…」という方もいる様子。なぜ、ウォーキングで腰に痛みが現われるのでしょうか?
「ペタペタ歩き」には注意!
ウォーキング時のみならず、普段から「たくさん歩くと腰が痛い」という方は歩き方に原因があるかもしれません。
その代表的な歩き方のひとつが、ペタペタ歩き。これは、足を地面につくときにつま先や足裏の前側からつけてしまう歩き方のこと。
この歩き方は、着地をするとき、脚はもちろん腰にも強い衝撃が伝わりやすいため、腰痛を悪化させる原因になると考えられています。
ペタペタ歩きをしやすい人の特徴
・足の裏や下半身の筋力が低下している
・ハイヒールやサンダル、スリッパのような足指がうまく使えない履きものをよく履く
・足首の筋肉が弱く、かかとからつま先への重心移動が上手くできない
ペタペタ歩きに心当たりのある方は、「かかとから着地したら、体重を親指の付け根に移動させ、つま先で地面を蹴る」正しい歩き方に改善すると、腰痛の予防に役立つでしょう。
それと同時に、ウォーキング前後のウォームアップとクールダウンに腰まわりのストレッチを取り入れるのがおすすめ。腰の可動性・安定性を高め痛みの予防に効果的です。
【ウォームアップ】壁を使った腰まわりのストレッチ
運動前は、動きを加えながら体を伸ばすストレッチがおすすめ。
STEP 1:壁の横に立ち、手を壁につく。
▲壁に手をつき、反対側の手は腰に添えます。足裏3点(親指と人差し指の下、薬指と小指の下、かかと)で床をとらえ、背筋を伸ばして立ちましょう。
STEP 2:腰を壁側に突き出す。
▲手でひざを抱えます。頭頂からお尻までを一直線にして、背筋をスッと伸ばしましょう。
STEP 2:上体をうしろに倒して、背中を丸める。
▲息を吐きながら、上体をゆっくりうしろに倒していきアルファベットの“Cの字”になります。手でひざをしっかり持ち、お尻の上のほうまで床につけて腰を伸ばしましょう。〈回数:5呼吸〉
STEP 3:さらにうしろに転がる。
▲あまり勢いをつけずに、骨盤から腰、背中の順に上体をうしろに転がしていきます。体の力は抜いて、リラックスしておこなうと〇!
頭まで床についたら、強い反動をつけずにもとの姿勢に戻ってきましょう。〈回数:5~10回〉
【ウォームアップ】椅子に座っておこなう骨盤の前後傾
STEP 1:椅子に浅く座る。
▲尾骨を軽く引き下げて、腰が反りすぎない姿勢で座りましょう。手は腰に添えます。
STEP 2:骨盤を前傾させる。
▲息を吸いながら、腰を反らせて骨盤を前に傾けます。胸を突き出し、あごを上げましょう。
ポイントは、背骨を1つずつ丁寧に動かすこと!
STEP 3:骨盤を後傾させる。
▲息を吐きながら、腰を丸めて骨盤をうしろに傾けます。ヘソをのぞき込むように、目線を下げましょう。STEP 2~STEP 3を呼吸に合わせて繰り返します。〈回数:5回〉
【クールダウン】椅子に座っておこなう体側のストレッチ
運動後は、ゆっくりと筋肉を伸ばしたところで静止するストレッチがおすすめ。
STEP 1:椅子に浅く座る。
▲ここでもスッと背筋を伸ばして座ったら、後頭部で両手の指を組みます。ひじをうしろに引き、左右の肩甲骨をグッと中央に寄せて胸を開きましょう。
STEP 2:上体を右・左に倒す。
▲息を吐きながら、上体を右に倒して左脇腹や腰のストレッチをします。上体や腕が前に倒れないように姿勢を保ちます。左右のお尻に均等に体重を乗せておくとgood!
反対側も同様におこないましょう。〈回数:各5呼吸〉
【クールダウン】ヨガ「ハッピーベイビーのポーズ」
ヨガ「ハッピーベイビーのポーズ」は、腰を気持ち良く伸ばすほか、股関節まわりやお尻の筋肉をほぐしたり、下半身の血行を促進したりする効果が期待されています。
STEP 1:仰向けになり、ひざを胸に引き寄せる。
▲両手でひざを抱えて、苦しくない程度に胸に引き寄せます。
STEP 2:足裏を天井に向ける。
▲脚を胸の幅に広げます。手でそれぞれのひざ裏を持ち、足裏を高く持ち上げましょう。足首は直角に曲げます。
STEP 3:手で足裏をつかむ。
▲足の内側に手を入れ、足裏をつかみます。すねは床に対して垂直。手で足裏を床のほうに引き、足裏は天井に向けて手を押し返すようにするのがポイント! それぞれに押し合いましょう。
抵抗する力で、股関節を内側に引き込みます。〈回数:5呼吸〉
最後に
ウォーキングを頑張っていても、正しくない歩き方をしてしまっては腰痛の原因になります。また、歩き方のクセが治るだけでも腰痛の予防・対策につながりますが、すでに腰が痛い方や急激な痛みがある方、しびれがある方などは自己判断をしないことが大事! 腰痛の原因はさまざまなので、専門の医療機関を受診することをおすすめします。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。