3月といえば|思い浮かべるイベント
3月の代表的なイベントには、以下のようなものが挙げられます。
・ひな祭り
・卒業式
・お花見
・ホワイトデー
各イベントの過ごし方や由来などを解説します。
ひな祭り
ひな祭りはひな人形を飾り、女の子の健やかな成長を願う行事です。旧暦の3月3日は桃の花が咲く時季であり、「桃の節句」と呼ばれることもあります。ひな祭りの由来は、古代中国の厄災を払うための行事といわれています。それが日本に伝わり、貴族の子女の遊びであったひな遊びと結びつき、やがて現在のひな祭りの形になったとされているのです。
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卒業式
3月上旬から中旬にかけては、一般的に卒業式シーズンです。卒業ソングを耳にする機会や、大学の卒業式で、晴れやかな袴を身にまとった学生を目にする機会が増えるでしょう。
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お花見
お花見も、3月の風物詩のひとつといえます。早い地域では3月中旬頃から桜が咲き始め、下旬になると西日本から桜の開花宣言が始まります。この時季は、お花見の計画を立てる方が多くなるでしょう。
桜以外の花を観賞しに行くことは、「梅見」や「観菊」といったように、その花の名前をつけて表現することがほとんど。その一方で、桜の花を見ることは「花見」と呼ぶことから、日本人にとって桜の花は特別な存在であったことがうかがえます。
しかし、奈良時代は花といえば梅や萩などを指していたようです。平安時代になると、貴族は花見の宴を開き、桜の花にまつわる歌を詠むようになりました。鎌倉・室町時代には貴族の花見の風習が武士階級に広まり、庶民の行楽になったのは江戸時代とされています。
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ホワイトデー
3月14日はホワイトデーです。バレンタインデーから1か月後のこの日は、バレンタインデーにチョコをもらった男性が、女性に対してお返しにマシュマロやキャンディーをプレゼントする日とされていました。
最近のバレンタインデーはジェンダー・関係性を問わずお菓子などをプレゼントしたり交換したりする日になりつつあり、ホワイトデーのお返しについての考え方も多様化しています。
ホワイトデーは日本が発祥のイベントのようです。明確な起源については諸説あるものの、昭和の後期に、バレンタインチョコにお返しをするイベントとして誕生したといわれています。
ホワイトデーという名称は、白いマシュマロを語源とする説や、当初は「マシュマロデー」だったのが、他の贈り物にも対応できるように現在のホワイトデーに変わった説などがあります。
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3月といえば|思い浮かべる食べ物
3月といえば連想するような、象徴的な食べ物には以下のものが挙げられるでしょう。
・桜餅・ぼた餅
・苺
・たらの芽・ふき
・春キャベツ
それぞれの特徴などを解説します。
桜餅・ぼた餅
桜餅は、桜をイメージさせるピンク色の餅を、塩漬けした桜の葉で巻いたお菓子です。2月から4月上旬頃に販売される、春を感じられるお菓子として知られており、春の季語でもあります。
桜餅の餅の形状は、おもに2パターンあります。関東風の桜餅は薄いクレープのような生地であんを巻くのに対し、関西風ではあんを巻く餅はつぶつぶとした道明寺粉の餅であることが多いようです。
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3月といえば、ぼた餅を思い浮かべる方もいるかもしれません。春彼岸の頃に販売されるぼた餅は、実は「おはぎ」とほぼ同じもの。しかし、春をイメージさせるのは「牡丹」、秋をイメージさせるのは「萩」であることから、呼び名の違いが生まれたといわれています。
形状や用いるあんこの種類、地域によって呼び方が異なることもあります。
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苺
3月は、ハウス栽培の苺が旬を迎える時季です。3月の苺は酸味と甘味のバランスがよいのが特徴といえます。苺は寒い時季ほど甘く、暖かくなるほど酸味が増していく傾向にあるためです。
本来の旬は春から初夏にかけての時季であり、夏の季語である苺ですが、ハウス栽培が主流になったことにより、3月と聞いて苺を思い浮かべる方も多いでしょう。
苺は、ビタミンCが豊富なことでも知られています。苺に含まれるビタミンCの量は、みかんやグレープフルーツの約2倍のようです。
たらの芽・ふき
たらの芽やふきは、気温が上がり始める3月頃に旬を迎えます。これらの野菜にやや苦味があるのは、暖かくなると活動的になる害虫から身を守るためといわれています。
たらの芽は、ウコギ科タラノキの新芽のこと。日本全国に自生しているため、広く知られている山菜といえるでしょう。おいしさや豊富な栄養価から「山菜の王様」と呼ばれ、親しまれています。
自生しているタラノキの新芽は4月から6月ごろが、栽培されているものは2月から3月にかけてが、とくにおいしく食べられる時季とされます。
ふきは、キク科フキ属の多年草です。北海道から九州まで全国の山谷で自生しており、天然物の旬は3月から初夏にかけてです。
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春キャベツ
3月といえば、春キャベツを思い浮かべる方もいるでしょう。3月頃から出回る春キャベツは、やわらかくて甘味があります。サラダなどにして生で食べると、おいしさを実感できるでしょう。
ビタミンCやビタミンK、カルシウム、食物繊維などを含むため、旬の時季に食べたい野菜のひとつです。春キャベツは、海洋性気候の、冬でも暖かな地域を中心に栽培されます。
3月といえば|思い浮かべる言葉
3月といって思い浮かべる言葉としては、旧暦の名称である「弥生」や季語の「水ぬるむ」、時効の挨拶の「弥生の候」「萌芽の候」などが挙げられます。ここでは、それぞれの言葉の由来や使い方をみていきましょう。
【旧暦の名称】弥生
3月の旧暦の名称は弥生で、「やよい」と読みます。弥生は、「木草弥生い茂る月(きくさいやおいしげるつき)」が詰まったとする説が有力とされています。「弥」には、ますます・さらに、「生」は草木が芽吹き生い茂るという意味があるため、「木草弥生い茂る月」は草木がますます生い茂る月という意味です。
3月は花が咲き始める季節でもあります。そのため、弥生以外にも「花月(かげつ)」や「花見月(はなみづき)」などの、花をイメージする美しい異称もあります。
【季語】水ぬるむ
水ぬるむは、春の季語です。寒い冬の間は氷が張っていた川も、春が訪れたことで水が温かくなったことを意味する言葉で、俳句の季語のほか、手紙の書き出しにも使われます。
一方、春なのに寒いことをあらわす季語としては、「花冷え(はなびえ)」があります。花見の季節に寒さが戻るという意味で、3月下旬頃から使われる季語です。
【時候の挨拶】弥生の候、萌芽の候
ビジネスで用いられる時候の挨拶には、かしこまった漢語調の言葉を使うのが一般的です。3月全般で使える時候の挨拶としては、「弥生の候(やよいのこう)」や「萌芽の候(ほうがのこう)」があります。
弥生の候は「弥生、3月となりましたが」、萌芽の候は「草木の新芽が芽吹き始める頃となりましたが」という意味です。たとえば、弥生の候であれば「弥生の候、ますますご清栄のこととお慶び申しげます。」などと使います。
3月といえば思い浮かべる風物詩を知ろう
3月といえば、冬の寒さが和らぎ、春の足音が近づいてくるのを感じ始める月。ひな祭りや卒業式、お花見などのイベントもあります。3月ならではのイベントを計画したり、旬の食べ物を食べたり、季語や時候の挨拶を覚えたりして、3月の風物詩を満喫してください。
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