春を代表する3つの花、見分け方は?
厳しい寒さを乗り越え、春の花が少しずつ咲き始めました。ふと顔を上げると、きれいな花が咲いている…! ところが、その種類がぱっと分からないことってありませんか?
今回は、知っているようで知らない春を代表する3つの花、梅・桃・桜の見分け方を解説します!
注目すべきは花びらと軸の長さ
特徴的なのは花びらの形です。梅の花は先が丸く、桃の花は比較的先がとがっているのが特徴です。また、桜は先が割れています。また梅の花は軸がほとんどなく、枝にくっついているように見えます。
桜は軸が長く、その先に5~6輪ほどの花を咲かせます。桃の花は梅と桜の中間で、軸はあるものの短いです。
花の咲く時期
見た目が似ている3つの花ですが咲く時期は一斉ではありません。一般的には梅が開花したあと、同じくらいの時期に桜と桃が開花します(早咲きの品種はもっと早く咲くものもあります)。
気象台が観測している梅の開花の平年日は東京で1月22日と冬真っただ中で、桜の開花の平年日は約2ヶ月後の3月24日。また桃の花は3月3日の桃の節句のイメージが強いですが、これは旧暦のため。新暦ですと大体4月上旬ごろと、桜と同じころに咲きます。
花言葉の違い
梅:「上品」「忠義」「高潔」
梅の花言葉は、厳しい寒さの中で咲く凛とした姿をイメージしたものが多いのが特徴。「忠義」という花言葉に関しては言い伝えがあり、菅原道真が太宰府に左遷されたとき、自宅に植えられていた梅の木が、主を慕うあまりに一夜のうちに後を追って太宰府まで飛んで行ったという「飛び梅」伝説に由来しています。
桃:「気立ての良さ」「私はあなたのとりこ」「天下無敵」
昔から女性のシンボルで、そのイメージから「気立ての良さ」が生まれ、また「天下無敵」は桃に不老長寿の力があると信じられていたことに由来するそう。
桜:「精神の美」「優美な女性」
「精神の美」は、アメリカの初代大統領のジョージ・ワシントンが子供のときに、誤って父が大切にしていた桜の枝を切ってしまい、それを正直に告白してほめられたというエピソードからきています。
* * *
春は、これまで寒さで丸まっていた背中を伸ばして、見上げた先にある花を愛でるにはぴったりの季節です。それぞれの花の特徴や美しさの違いをぜひ楽しんでくださいね。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。