「国際女性デー」の基礎知識
日本国内のみの記念日もありますが、「国際女性デー」はさまざまな国でイベントなどが開催されています。国際女性デーとは、「女性の権利運動を称え、社会参加や地位向上を訴える日」です。
それでは国際女性デーの詳細や制定された由来、ミモザの日との関係、日本におけるジェンダーギャップなどについて、詳しくチェックしていきましょう。
国際女性デーは「3月8日」
国際女性デーは「毎年3月8日」です。この日には、国や民族、言語などに関係なく、世界中で女性たちの功績を祝福し、ジェンダー平等について考えるイベントが開催されています。
女性は、世界の貧困層の多くを占めるなど、今でもジェンダーによる影響を受けやすい環境です。しかし、ジェンダーフリーの社会を実現することは、SDGs(持続可能な開発目標)の実現のためにもなくてはならないものです。
基本的な人権としての差別をなくすことの意味はもちろん、女性が本来持っているパワーを組織で発揮できるようにすることで、さまざまな波及効果が期待できます。
国際女性デーは国連などが由来
国際女性デー(International Women’s Day)は、1975年に国連が記念日として制定しました。そのルーツは、1904年にアメリカのニューヨークで起きたデモなど、1900年代初頭にあった女性の参政権や女性労働者に関する運動です。
1908年にも、ニューヨークで女性の労働条件の改善などを訴えて、縫製労働者がストライキをおこなっています。これらの影響で、まずアメリカで1909年2月28日に「全米女性の日」が制定されました。
1910年には、17か国が参加したコペンハーゲンでの会議で、女性の権利運動を称える国際的な「女性の日」が作られます。その後、1975年に国連が国際女性デーを制定し、さらに2年後に国連の定める公式な日に認定したという流れです。
国際女性デーとミモザの日の関係とは
国際女性デーと関連する記念日に、「ミモザの日」があります。ミモザの日とは、イタリアでの国際女性デーの別名です。
イタリアではもともと、3月8日に日頃の感謝を込めて男性から女性へとミモザの花を贈る習慣があります。3月8日ごろは、ちょうどイタリアでミモザが咲き始める時期です。
イタリアでは、ミモザに「感謝」という花言葉があります。さらに春の象徴であり、「幸せの花」とも呼ばれている花です。
このことから、ミモザの日と国際女性デーとの関連性がイタリア以外の国にも広がりました。実際に、ミモザは国際女性デーのシンボルとなり、ミモザの色である黄色がシンボルカラーとして使われています。
日本はジェンダーギャップ指数で下位!
このように、女性の権利やジェンダー平等などはよく取り上げられているものの、いまだに根強い性差別が存在します。とくに日本は、世界経済フォーラムが公表するジェンダーギャップ指数で下位に甘んじるなど、女性と男性の格差が激しいとされている国です。
「ジェンダー・ギャップ指数2022」によると、日本の順位は146か国中で116位、前回は156か国中で120位でした。これは、先進国のなかでは最低レベルの順位で、アジア諸国のなかでも中国などより低い結果です。
参考:男女共同参画局
近年の国際女性デーのイベント・取り組み
それでは、実際におこなわれた近年の国際女性デーに関するイベントや取り組みも解説していきます。
国連が発表した2022年の国際女性デーのテーマは、「持続可能な明日に向けて、ジェンダー平等をいま」でした。国際女性デーにあわせて、企業やメディアがイベントやキャンペーンを実施することが年々増加しており、注目度が高まっています。
そのような国際女性デーに関するイベントや取り組みについて、2023年に実施される予定のものと、2022年などに実施されていた内容をチェックしましょう。
2023年実施の国際女性デーのイベント
近年、国際女性デーに実施されているイベントは、以下のようなものがあります。
・日本各地で開催された「ウィメンズマーチ」
・HAPPY WOMAN実行委員会が主催する「HAPPY WOMAN FESTA」
・幸せを感じる黄色いアイテムをInstagramやTwitterに投稿する「HAPPY YELLOW®キャンペーン」
とくに「HAPPY WOMAN FESTA」は、日本最大級の国際女性デーイベントだといわれています。女性の社会課題がテーマのラジオ放送や、女性アーティストによる音楽祭などを開催するもので、2023年にも実施予定です。
2023年国際女性デーの企業の取り組み
国際女性デーに関しては、企業でも取り組まれています。たとえば、バービー人形を販売するマテル社は、ファッション以外の多様性を重視する「ロールモデル」シリーズを販売し、話題となりました。
また、EMILY WEEKの店舗で限定のノベルティキャンペーンをおこなうなど、企業においても近年さまざまな取り組みを実施しています。
2023年の国際女性デーには、世界中の女性の健康を願って、同じ公式Tシャツを着て走る「ホワイトリボンラン」が開催予定です。このチャリティランイベントは、さまざまな企業が協賛しています。
2022年の国際女性デーの広告
国際女性デーの広告は、2000年代のはじめごろから毎年注目され、大手企業も取り組むようになりました。数年前までは女性が実際に直面する課題を取り上げていましたが、次第に内容が変わってきています。
たとえば2022年の国際女性デーの広告では、女性の多様性を伝えたり、男性が作り出した問題であることに着目したり、無意識のジェンダーバイアスに焦点をあてたりしています。
国際女性デーの目的や取り組みを理解しよう
毎年3月8日の国際女性デーには、世界中で女性たちの功績を祝福し、ジェンダー平等について考えるイベントが開催されています。またイタリアでは、もともと3月8日に日頃の感謝を込めて男性から女性へとミモザの花を贈る習慣があったため、ミモザの日とも呼ばれています。
とくに日本は、ジェンダーギャップ指数で下位に甘んじるなど、女性と男性の格差が激しいとされている国です。国際女性デーの目的や取り組みを理解して、ジェンダーギャップをなくせるように、意識改革やイベントの参加などに積極的に取り組みましょう。
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