目次Contents
この記事のサマリー
・「健全なる精神は健全なる身体に宿る」とは身体が健康であれば、精神も健全であるということ。
・ユウェナリスの「風刺詩集」に由来します。
・詩の一部が訳されて広まりました。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」は、体を整えると心も前向きになる、という意味で使われがちです。けれど原典では、「心身の健やかさが授かるよう願う」という趣旨だったことをご存知ですか?
この記事では、「健全なる精神は健全なる身体に宿る」の意味と由来、日常での使い方と無理なく続けられる生活の整え方を紹介します。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」とは?
この名言は、古代ローマの詩人ユウェナリスの風刺詩集に登場する一節です。風刺詩集は社会のひずみを風刺する内容でした。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」の意味と由来、そして誤解
現在、「健全なる精神は健全なる身体に宿る」は、「体が健康であれば、心もそれに伴い健康になる」という意味で使われています。
しかし、この言葉の由来となった、ユウェナリスの風刺詩集の中では、そのようには登場していません。風刺詩集の中には、「健やかな身体に、健やかな魂が宿るよう祈るべきだ」という趣旨で書かれています。
詩句の一部だけが格言として広まったため、原意との間に隔たりが生じたのではないかといわれます。したがって、本来の言葉は「体が健全であるならば、自然と心も健全になる」とは断言していないのです。
辞書では次のように説明されていますよ。
けんぜん なる 精神(せいしん)は健全(けんぜん)なる=身体(しんたい)[=肉体(にくたい)]に宿(やど)る
(ローマの詩人ユウェナリス(Juvenalis )の風刺詩集から)
からだが健康であれば、精神もそれに伴って健康であるの意。詩句の文脈の中では「人は、神に対して『健全なる身体に宿った健全なる精神』(Mens sana in corpore sano )が与えられるよう祈るべきだ」の意である。
*白い壁〔1934〕〈本庄陸男〉五「健全な精神は健全な肉体に宿る…昔の人はいいことを云ったもんですなあ」
引用:『日本国語大辞典』(小学館)

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」の使い方を例文で確認
ここでは、現在の使い方を確認していきましょう。
最近よく眠るようにしたら気分が安定してきて、「健全なる精神は健全なる肉体に宿る」を実感した。
体調が整うと心も整いやすい、という広く認識されている意味での使い方です。睡眠・食事・運動の改善と相性がいい表現ですね。
忙しい時ほど運動の時間を確保したい。健全なる精神は健全なる肉体に宿るからだ。
メンタルを保つための「手段としての体のケア」を述べる用法。体を整えることが、集中力や判断力を支える、という流れで自然です。
大欲を追いかけて無理を重ねるより、健全なる精神は健全なる肉体に宿る… そうなれるように暮らしを整えたい。
「大欲を抱かず、そうなるように望むべきだ」という本来の意味を踏まえた用法です。単なる因果関係ではなく、「願いや姿勢」として語っています。
健全な身体づくりを意識したライフスタイルとは?
「健やかな体」を手に入れれば、自然と「健やかな心」も手に入るという考え方も一理ありそうです。ここでは日々の生活で取り入れやすい工夫を紹介します。

規則正しい生活をする
平日はともかく、休みになると一日中ダラダラしている… ということはないでしょうか? 健やかな体づくりの基本は規則正しい生活にあるといえます。
食事の時間を一定にし、睡眠時間は十分にとりましょう。日中に適度な運動も行うといいですね。規則正しい生活をするコツは、スケジュールを詰め込まないことです。
スケジュールがぎっしり詰まっていると、何か一つつまずきがあった時に、そのリカバーに時間がかかります。するとどうしても睡眠時間を削ったり、日頃のペースを変えたりする必要が出てきます。余裕があるスケジュールで動くことが、生活リズムを整えるコツといえます。
食事にこだわる
体は何でできているのでしょう? 言うまでもなく食物ですよね。ですから、健やかな体を手に入れるためには、食事にこだわることが大切です。
外食が多めの人は、自炊に挑戦してみましょう。自分で作れば、自分の好みに合わせた味にできますし、安心・安全な素材を吟味して選ぶことができます。
食事にこだわる際にオススメなのが、調味料を厳選すること。上質な調味料は少し高いかもしれませんが、1回あたりの量を考えれば、気にならないかもしれません。おいしい調味料を使うことでひと味違う料理ができあがりますよ!

ストレス解消法を持っておく
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」を精神の側から実践してみましょう。心を健やかに保つことで健全なる肉体を手に入れよう、ということです。
日々、職場や家庭で過ごしていれば、思い通りにいかないことはたくさんあります。それらが蓄積していくとストレスとなって、心に暗闇をもたらしますよね。
そこで、日々の小さなストレスをその日のうちに解消する方法を持っておきましょう。お気に入りの音楽を聴いてから寝る、好きな香りのバスオイルを入れて入浴をする、枕に鎮静効果のあるオイルを垂らす… など、少しの工夫で、気持ちを上に向けることができるはずです。
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」に関するFAQ
ここでは、「健全なる精神は健全なる身体に宿る」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「健全なる精神は健全なる身体に宿る」の本来の意味は?
A. 本来は「大欲を抱かず、健康な身体に健全な精神が宿るように祈るべきだ」という意味です。
Q2. 今よく使われる意味は、どういう意味ですか?
A. 身体が健康であれば、精神も健全であるという意味で使われます。
Q3. NGな使い方は?
A. 体調不良や気分の落ち込みがある人に向けて、「だからだめなんだ」「努力が足りない」と責める使い方は避けましょう。言葉で追い込むことになりかねません。
最後に
「健全なる精神は健全なる身体に宿る」は、心と体が深く結びついていることを伝える言葉です。どちらか一方を完璧に整える必要はなく、少し眠れた、少し体を動かせた、そんな小さな積み重ねが気持ちにも影響したりしますね。
無理をせず、自分のペースで心と体を整えていけたら、それで十分なのかもしれません。
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