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LIFESTYLE

2023.02.23

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」は本来の意味とは違う使われ方をしていた! その違いと現在での使われ方をご紹介

誰しも一度は聞いたことがある名言「健全なる精神は健全なる身体に宿る」。この言葉の真の意味を知っているでしょうか。体を健康にしておけば、心も自然と元気になる… そんなふうに思っている人も多いことでしょう。今回はこの名言について解説します。

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」とは?

この名言は、古代ローマの詩人デキムス・ユニウス・ユウェナリスの著作『風刺詩集』に登場する一節です。『風刺詩集』は社会のひずみを風刺する内容でした。

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」の意味

この言葉の意味は「体が健康であれば、心も自然に健康になる」というものだと思っている人が多いと思います。しかし、『風刺詩集』の中ではそのようには登場していません。『風刺詩集』の中には、「健やかな身体に、健やかな魂が宿るように祈ればいい」という趣旨で書かれています。「体が健全であるならば、自然と心も健全になる」とは断言していません。

つまり、この一節はユウェナリスの願望であり、実際はそうではないことをユウェナリスは憂いていたのです。

珈琲を飲みながら本を読む
(c)Shutterstock.com

解釈が変わったきっかけは

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉の意味が、元々の生まれと、現代の私たちの使い方とで違いがあることがわかりました。では、この解釈の違いはなぜ生まれてしまったのでしょうか?

いつごろから「体が健全であるならば、自然と心も健全になる」という断定形で解釈されるようになったかは定かではありません。一説によると、ヨーロッパの中世において既に断定形で用いられていた可能性があるとか。イタリア・ルネサンスの天才レオン・バッティスタ・アルベルティなどの人物らが、「健全なる精神は健全なる身体に宿る」を体育の最高徳目として信奉していたという指摘もあります。

もっとも、ユウェナリスが読者を獲得するのは紀元4世紀ごろだそうで、本人が没して数百年もたった後では、本来の趣旨が伝わるのが難しくなっていたことは否定できません。

その後、近代に入って、ナチス・ドイツや日本で「身体を鍛えることによってのみ健全な精神が得られる」「健全な肉体でなければ健全な精神は宿らない」という解釈の元、時の政権に都合のいいように利用されるという悲しい過去がありました。

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」の使い方を例文も用いて紹介

世界大戦を経て「肉体が健全であれば、精神も健全である」「肉体を健やかにしておけば、心も自然と健やかになる」という意味で使われるようになった「健全なる精神は健全なる身体に宿る」。現在での使い方を紹介しましょう。

1:「健全なる精神は健全なる身体に宿る」とはよくいったもので、ケガをして入院している間はネガティブなことばかり考えていた。

ケガをして調子が悪かったのは肉体の方だけだったのに、入院している間に心の方にも不調を来したという意味ですね。このような使い方はよくあります。何と何が連動するのかをよく理解しておけば、簡単に使いこなせそうです。

2:「健全なる精神は健全なる身体に宿る」とはよくいったもので、ダイエットに成功した彼女は性格まで明るくなったようだ。

基本的には1と同じ考え方ですが、こちらはポジティブなニュアンスで「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉を用いています。このように「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉はネガティブにもポジティブにも使うことができますよ。

3:一流のアスリートを見ていると、「健全な精神は健全なる肉体に宿る」は本当だと痛感した。

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という時の「健全」とはどの程度をいうのでしょうか。実際には、きちんとした定義はなく、「健やか」「健康的」「病気でない」などの意味合いで、幅広く用いられることが多いようです。

ランニングマシンでトレーニング
(c)Shutterstock.com

健全な身体づくりを意識したライフスタイルとは?

現代の使い方の通り、「健やかな体」を手に入れれば、自然と「健やかな心」も手に入るという考え方も一理ありそうです。では、「健やかな体」の手に入れ方を考えてみましょう。

1:規則正しい生活をする

平日はともかく、休みになると一日中ダラダラしている… ということはないでしょうか。健やかな体づくりの基本は規則正しい生活にあるといえます。

食事の時間を一定にし、睡眠時間は十分にとりましょう。日中に適度な運動も行えるといいですね。規則正しい生活をするコツは、スケジュールを詰め込まないことです。

スケジュールがぎっしり詰まっていると、何か一つつまずきがあった時に、そのリカバーに時間がかかります。するとどうしても睡眠時間を削ったり、日頃のペースを変えたりする必要が出てきます。少し余裕がありすぎるな、というスケジュールで動くことが、生活リズムを整えるコツといえます。

2:食事にこだわる

体は何でできているのでしょう。言うまでもなく食べ物ですね。ですから、健やかな体を手に入れるためには、食事にこだわることが大切です。

外食が多めの人は、自炊に挑戦してみましょう。自分で作れば、自分の好みに合わせた味にできますし、安心・安全な素材を吟味して選ぶことができます。

食事にこだわる際にオススメなのが、調味料を厳選することです。上質な調味料は少し高いこともありますが、1回あたりの量を考えれば、気にならないかもしれません。おいしい調味料を使うことでひと味違う料理ができあがりますよ!

たくさんの種類のおかずの食卓
(c)Shutterstock.com

3:ストレス解消法を持っておく

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」を精神の側から実践してみましょう。心を健やかに保つことで健全なる肉体を手に入れよう、ということです。

日々、職場や家庭で過ごしていれば、思い通りにいかないことはたくさんあります。それらが蓄積していくとストレスとなって、心に暗闇をもたらします。

そこで、日々の小さなストレスをその日のうちに解消する方法を持っておきましょう。お気に入りの音楽を聴いてから寝る、好きな香りのバスオイルを入れて入浴をする、枕に鎮静効果のあるオイルを垂らす… など、少しの工夫で、気持ちを上に向けることができるはずです。

最後に

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉が、本来の意味と異なることを知って驚いた人も多いのではないでしょうか?「健全なる精神は健全なる身体に宿る」は、本来の意味とは異なるかもしれませんが、一理あるような気もします。心と体を健やかに保って、笑顔で毎日が送れるといいですね!

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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