今年は食で春を感じて! 和菓子の豆知識
こんにちは、気象予報士の太田絢子です。3月中旬頃からさくら前線はぐんぐん北上し、今は北海道のあたりまで進んでいます。みなさんのお住まいの地域では、桜は見られましたか?
▲「2020年さくら開花前線」ウェザーマップより
今年は新型コロナウイルスの影響で、各地でお花見は自粛モード。お散歩やスーパーのついでにふらっと見たよ! という方が多いかと思います。
みんなと集まって鑑賞できないのは残念ですが、来年桜は必ず咲きます。なので今年のゴールデンウィークは、お家で花より団子を楽しみ、残された春を目一杯感じましょう! 今回は、より和菓子を食べるのが楽しくなる、豆知識をお伝えしようと思います。
◆三色団子
別名、お花見団子とも呼ばれるほど、お花見には定番の和菓子ですね。この三色団子の歴史は、お花見の歴史とも重なります。
現代のようなさくらの木の下で人が集まり、お酒や美味しい食事、お菓子を楽しむスタイルを築いたのは、天下の豊臣秀吉と言われています。さくらがきれいに咲きそろうなか、京都の醍醐寺で盛大な宴会を開いたそうです。その際に来客にふるまったのが、この三色団子の始まり、とされているのです。
さて、三色のピンク、白、緑には意味があることをご存知でしょうか?
諸説ありますが、ひとつは、それぞれの色が季節を表しているという説。ピンクは桜の咲く春、白は雪の降る冬、緑は新緑の夏。秋だけがありませんが、そこには何度食べても「秋ない=飽きない」「商い=飽きない(商売が繁盛する)」と意味をかけているようです。
もうひとつには、待ちわびた春をよろこぶ様子を表しているという説があります。ピンクは桜、白は残った雪、緑は雪の下に芽吹く新芽を表しているのです。季節の移り変わりを1本で感じているのでしょうね。
意味を捉えてみると、とても風流な和菓子です。
◆桜餅
皆さんは桜餅というと、どちらを思い浮かべますか? 実はどちらも桜餅です。桜餅には左の関西風と、右の関東風があるんですよ。
関東風の桜餅は「長命寺」とも呼ばれ、隅田川沿いの長命寺で初めて売られたと言われています。小麦粉を焼いたクレープ状の皮であんこを包んでいるのが特徴。
一方で関西風は「道明寺」とも呼ばれ、大阪の道明寺で初めて作られたそうです。もち米を使った道明寺粉の皮の中にあんを詰めたもので、つぶつぶとした食感が見分けるポイント。
愛知県出身の私は、桜餅と言えば左の関西風を思い浮かべました! 右の関東風も初めて食べてみましたが、しょっぱさと甘みのバランスは関西風と同様に素晴らしく、美味しかったです。
今では両方とも売っている和菓子屋さんも多いので、食べ比べてみると良いかもしれませんね。
◆桜の塩漬け
ソメイヨシノの次は、幾重にも花が重なる八重桜が咲き始めます。八重桜といえば、桜の塩漬けに一般的に用いられる桜です。家に桜の木があったり、きれいな桜の花が落ちていたりすれば、自宅でも作ることが可能。作った桜の塩漬けで桜茶や桜風呂を楽しむと香りや優しいピンク色に癒され、おうち時間を充実させてくれそうです♪
たくさん和菓子をいただいたあとはお散歩をして、運動不足を防ぎ、体型をキープするのを忘れずに! 私も気をつけます(笑)
気象予報士 太田絢子
気象予報士、防災士。中学生のころから気象に興味をもち、大学在学中に気象予報士試験に合格。卒業後は損害保険会社に就職し、交通事故や自然災害に遭った人へのサービス業務に従事。自然災害が多発するなかで、犠牲者をゼロにしたいと思うようになり、気象キャスターへ転身。現在は地元名古屋のCBCテレビ「チャント!」などに出演中。趣味はモーニング巡り、季節の箸置き集め。