【目次】
・「生理前になると眠い…」その原因は?
・生理前のおすすめ眠気対処方法
・生理前の症状を和らげるピルについてもチェック
「生理前になると眠い…」その原因は?
女性ホルモンが影響している
一般的に生理前に眠たくなる理由は、女性ホルモンが影響しているといわれています。
女性ホルモンには、卵胞ホルモンである“エストロゲン”と、黄体ホルモンである“プロゲステロン”があるのですが、生理前になるとプロゲステロンの分泌が増加するのだそう。プロゲステロンが増加すると、基礎体温が普段よりも高くなり、日中眠気が強くなったり、夜寝つきが悪くなったりするのだとか。
「卵胞ホルモンは俗に『美人ホルモン』とも呼ばれることがあるように、女性の美容の味方のホルモンです。卵巣ホルモンがコラーゲンの生成を促し肌や髪につやが出たり、女性らしいボディラインが生成されたり! また、分泌されると、新陳代謝も高まるので、運動がより適切な期間とも言えます。
逆に、黄体ホルモンは体温が高くなることによる身体のだるさや、皮脂の過剰分泌による肌荒れ、むくみといった女性の大敵の要因となり得るホルモンです。精神的にも不安定になりがちですし、ダイエットの時期としても特に苦労する期間となります。こういった症状が、『月経前症候群』と呼ばれているのです」(杉山産婦人科院長・杉山先生)
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PMSの症状は眠気を含め100種類以上
PMSとは先に説明したように「月経前症候群」のことで、生理の1週間程前に起こる体調不良のことを指します。眠気もこのPMSのひとつといわれているよう。
「肌が荒れてしまったり、頭痛や腰痛が発生したりといった身体的な不調から、いらいらしたり、集中力が低下してしまったりといった心に関する不調まで、人によって不調は様々で、100種類以上あるとも言われています」(杉山産婦人科院長・杉山先生)
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妊娠初期症状とも似ている
生理前に起こるPMSの症状と妊娠初期の症状は似通ったものが多いため、よく間違えられることもあるのだそう。
「妊娠超初期にも生理前と同様にホルモンバランスに乱れが生じるため、似たような症状が起こりやすくなっているのです」(杉山産婦人科院長・杉山先生)
症状だけで妊娠したかどうかを判断するのは難しいようですが、妊娠初期特有の症状もあるようなので、眠気だけでなく以下の症状に当てはまる場合は、妊娠検査薬や病院での診断を行うようにするといいようです。
~妊娠初期特有の症状~
基礎体温が高い時期が2週間以上続く
おりものが増え、茶色や卵白状になる
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生理前のおすすめ眠気対処方法
ホルモンバランスの変化を把握する
生理前の眠さ対策をするために、まずは自分の「周期」を知ることが大事だといわれています。
「エストロゲンのピークは『排卵の直前』、プロゲステロンは排卵後5〜7日頃から次の生理まで多く分泌されます。時期を把握することで、ちょっとした不調が出ても、『ああ、この時期だから仕方ないな』と少し落ち着いて状態を見ることができるでしょう。
不調な時期、つまりプロゲステロンが分泌されているときには、休息をこまめにとる、睡眠時間をしっかりと確保する、といった生活習慣を整えることを特に意識してみましょう。逆に、好調な時期、つまりエストロゲンが分泌されているときは、積極的に体を動かすなど『美活』に力を入れてみましょう。更に磨きをかけることができるかもしれません」(杉山産婦人科院長・杉山先生)
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就寝前にパソコンやスマホを触らないようにする
生理前の日中に起こる眠気は、夜、しっかり眠れていないことも一因かもしれません。
通常夜になると“メラトニン”という眠気を誘発する物質が分泌されるのですが、寝る直前までパソコンやスマホを触っていると、ブルーライトにより入眠が妨げられてしまうのだそう。
生理前に限らず就寝前のブルーライトは推奨されていないので、パソコンやスマホには十分注意しましょう。
入浴時間を長めにする
赤澤純代医師によると、シャワーだけで済ましてしまうと睡眠眠障害につながることもあるのだそう。
「ストレスや不調を抱えている人、忙しい人、冷えに悩んでいる人ほど、たいがいシャワーのみ。しかし、シャワーでは身体を温めたり血流を改善することができないばかりか、寝る前のからだが冷えていると睡眠障害につながります。人は体温がストンと下がるときに眠りにつくのですが、体温が低いとこれ以上は下がらず、冷えで眠れない、ということが起きるのです」(赤澤先生)
入浴することで体がリラックスし、眠りやすい状態に。普段忙しくてあまり入浴できていない場合でも、生理前は湯船に浸かって、体をいたわってみてはいかがでしょうか。
もしかして「シャワー」が原因? じっくり入浴で「睡眠障害」と決別しよう
カフェインを摂り過ぎないようにする
生理前、眠いからといってカフェインを摂り過ぎるのはあまり良くないといわれています。
カフェインの覚醒効果は5~7時間程度続くそうなので、飲む時間によっては夜間の眠りに影響を及ぼすことがあるようです。
杉山産婦人科・杉山院長によると、眠気をはじめとしたPMSの症状をなくすことは難しいものの、食事や生活を気を付けることで軽減はできるのだそう。
カフェインの他にも、過度な糖分や塩分の摂り過ぎにも注意が必要だそうです。
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生理前の症状を和らげるピルについてもチェック
ピルは生理のトラブルを改善してくれる
ピルと聞くと、避妊のために飲むと考えている人も多いのではないでしょうか。
しかしピルには、生理前に起こるPMSの症状を改善してくれる働きもあるといわれています。他にも月経痛の改善や月経量の減少、肌荒れや多毛症の改善、卵巣がんや子宮体がんのリスクの低下など女性には嬉しい働きがたくさんあるのだそう。
「PMS、PMDDの治療目的のほかには、避妊目的や月経困難症、過多月経、月経不順、肌荒れなどの治療目的で低用量ピル、超低用量ピルが処方されています。排卵しなくなるので黄体ホルモンが卵巣から分泌されなくなり、PMS、PMDDに対して80〜90%効果を発します。
PMSだけではなく様々な生理のトラブルを改善してくれるものがピルだと考えてよいでしょう」(直レディースクリニック・竹村直也院長)
血栓症の発症リスクがある
ピルを飲むと避妊効果やPMSの症状軽減など女性に嬉しいことが多いようですが、稀に血栓症の発症リスクがあるといわれています。
「重度の合併症として、頻度としては1万人に3〜9人ですが血栓症の発症リスクがあることです。通常の血栓症リスクは1万人に1〜5人ですのでピル内服によりリスクがやや増加しています(ただし妊娠中の血栓症リスクが1万人に5-20人よりも低いです)。血栓症の症状としては、足の腫れや痛み、強い頭痛、視力障碍、手足のまひ、強い胸の痛み、呼吸困難などがあります」(竹村先生)
また飲み始めの副作用として、気分不良や倦怠感、胸の張りや頭痛、不正出血などがあるようですが、1週間から1ヶ月程度で軽快することがほとんどなようです。
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飲み忘れると効果が得られないことも
ピルは24時間ごと、毎日決まった時間に服用することが必須といわれています。
「飲み忘れた場合は効果なくなってしまいますので、しっかりと管理をするようにしてくださいね」(杉山先生)