我慢禁物! 正しい付き合い方で生理前の心と体にゆとりを
ここ数日何となくイライラする…熱があるわけではないのに具合が悪い…そんな経験はありませんか? もしかしたらその症状は「PMS」と呼ばれるものかもしれません。
PMSってどんな症状?
PMSとは、生理の1週間程前に体や心に起こる不調のことです。
肌が荒れてしまったり、頭痛や腰痛が発生したりといった身体的な不調から、いらいらしたり、集中力が低下してしまったりといった心に関する不調まで、人によって不調は様々で、100種類以上あるとも言われています。
生理中の不調は社会的にも認知されており、生理休暇といった企業側でのフォローも出始めています。それに比べ、生理前に発生するPMSは症状が重い方も多いのにかかわらず、世間的にはまだ広く知られていないのが現状です。
何が原因で発生するの? ホルモンの変化に要注意!
女性を悩ませるPMS。実ははっきりとした原因がなく、様々な要因が考えられています。代表的な原因として挙げられるのは、「女性ホルモンの変化」です。女性ホルモンには、黄体ホルモンと卵胞ホルモンの2つがあり、約1か月の中で分泌量を変化させることで生理や排卵を促す働きをしています。
このホルモンの1つ、黄体ホルモンが生理前に急激に増加することが不調を引き起こすといわれています。受精卵を着床させやすくするなど、妊娠には欠かせないホルモンですが、普段の生活においては不調の原因となってしまうのです。
また、ホルモンの変化だけではなく、生活習慣の乱れやストレスなどが重なることで、症状を引き起こしやすくしたり、症状が重くなったりするとも言われています。
今日からできる! PMS改善方法
症状をなくすことは難しいですが、少しでも軽減できるよう、生活・食事・運動において、次のことを注意してみましょう。
《食事》
・過度な糖分や塩分、カフェインの摂取を控えましょう。
・ビタミンやカルシウム、マグネシウムの摂取を心がけましょう。
《運動》
・軽いランニングなど、一日に30分程度の運動を習慣にしましょう。快適な睡眠や、ストレスの解消にもつながります。
《生活》
・睡眠をしっかりとり、日中の活動時間内でも小まめなリラックスタイムを心がけましょう。
・喫煙やアルコールはなるべく控えるようにしましょう。
ひどい場合には我慢をせずに病院へ
症状がひどい場合には迷わず病院へ行きましょう。我慢をすることは、ストレスにつながり、PMSを増長してしまう…といった悪循環にもなってしまいます。病院で診察し、適切な薬を服用することで、症状の改善を望めるかもしれません。
解消策の1つとして、「ピルの服用」が挙げられます。PMSはホルモンによる影響が考えられるため、ピルを処方してもらうことで、ホルモンの変動を止めてしまう、というのもひとつの手段です。
ピルを服用する際は、副作用に注意して、担当医と相談しながら服用してください。その他にも、頭痛や腹痛といった実際の症状に合わせて、症状を和らげる鎮痛剤などの処方を受けることもできます。
痛みや辛さは人と比較することができず、発熱などの様に程度を測るものさしもないため、我慢をしている方も多いのではないでしょうか。
まずは、日常生活の改善を心がけてみてください。それでもご自身で「辛いな、しんどいな」と感じたら、我慢せずに病院で一度相談されることをお勧めいたします。
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医師 杉山力一
杉山産婦人科院長。不妊治療の名医。日本における生み分け法の権威・杉山四郎医師の孫。
東京医科大学産科婦人科医局では不妊治療・体外受精を専門に研究。その後、1999年より杉山産婦人科勤務。
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