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姿勢やストレス…現代人は「ガチガチ肩甲骨」になりやすい
背中の上のほうで、背骨を挟んで左右に並んでいるのが肩甲骨。逆三角の平べったい形をしていることから、羽のようだと例えられることもあります。
そんな肩甲骨の役割とは?
まず、腕の上げ下げ、腕をまわすなどといった腕・肩の動きがひとつ。さらに、背中の筋肉と連動して姿勢や体のバランスを保つのも肩甲骨の重要な役割です。
ところが、デスクワークなどで猫背の姿勢や不良姿勢(正しくない姿勢)が長く続いたり、運動不足だったりすると肩甲骨を動かすための筋肉が緊張して凝り固まりガチガチに…。また、精神的なストレスの影響を受けることでも、肩甲骨まわりを含む肩から背中の筋肉が緊張状態になると言われています。
現代人の肩甲骨は、ガチガチになりやすいのです。
理想的な「肩甲骨の間隔」とは
肩甲骨まわりの筋肉が凝り固まっていると、腕や肩まわりの動きが悪くなって凝りが生じたり、姿勢が悪くなったりします。反対に、筋肉を鍛える・柔軟性を高めることによって、肩甲骨の安定性を向上させることが可能です。その結果、凝りや痛みの軽減、姿勢の改善などの効果を期待できるでしょう。
ちなみに、理想的な肩甲骨と肩甲骨の間隔は、肩甲骨の内側から背骨までの間が左右ともに指3本分だと言われています。日頃から肩が内側に入って背中の上のほうが横に丸まりがちだという人は、この間隔が広がったままの姿勢が定着している可能性があるので、定期的にセルフチェックしてみるのもいいでしょう。
ここからは、運動不足気味な肩甲骨まわりの筋肉を鍛える方法と、筋トレ前後におすすめのストレッチを一挙にご紹介していきます。
【四つ這い】でおこなう自重トレーニング1
まずは、道具を使わないトレーニングから。
STEP 1:四つ這いになる。
▲手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきます。手の人差し指を正面に向け、足はつま先を立てておきましょう。
ひじを軽く緩めて脇を締め、ヘソを引き上げるとお腹に力が入って姿勢が安定しやすくなります。
STEP 2:左手を後頭部に添える。
▲目線は下に向けておきます。
STEP 3:左ひじを天井に向け、上体を左にねじる。
▲左の肩甲骨を中央にグッと寄せるような意識で、ひじを上げます。首がツラくなるところまで顔を上げなくてOK。目線は楽なところに向けておきましょう。
反対側も同様におこないます。〈回数:左右各20回~〉
【うつ伏せ】でおこなう自重トレーニング2
STEP 1:うつ伏せになる。
▲額を床につけます。腕は体側に下ろして、手のひらは上向き。脚幅はマット幅くらいに広げましょう。
STEP 2:腕を床から持ち上げる。
▲腕は体側から外側に離しながら、無理なく持ち上げられるところまでUP! ポイントは真上ではなく、外に広げながら腕を持ち上げることです。
肩甲骨の内側や背中上部の筋肉が使われているのを感じながら、腕の上げ下げを繰り返しましょう。〈回数:20回~〉
【ペットボトル】を使ったトレーニング1:強度☆
次は、自宅にいながらできる筋肉に適度な負荷をかけるトレーニングをおこなっていきます。ダンベルの代わりに500~600mlサイズの中身が入ったペットボトルを2本用意しましょう。
STEP 1:ペットボトルを手で持ち、高く持ち上げる。
▲それぞれの手でペットボトルを持ったら、腕を天井方向に伸ばします。手のひらは内側に向けましょう。
STEP 2:左右交互に腕を伸ばす~戻す動きを繰り返す。
▲ペットボトルを持った手で天井を押すように腕を上に伸ばす~戻す動きを左右交互に、テンポよく繰り返します。
胴体部分がブレないように姿勢を保ちながら、肩甲骨を中心に腕を高く伸ばしましょう。〈回数:30回~〉
【ペットボトル】を使ったトレーニング2:強度☆☆
STEP 1:ペットボトルを横向きに持つ。
▲ペットボトルを横向きに持ったら、手のひらを自分のほうに向けます。ひじは曲げておきましょう。
STEP 2:腕を天井方向に伸ばす。
▲手のひらが正面を向くように、腕をねじりながら天井方向に伸ばします。ひじをしっかり伸ばし、ここでもペットボトルで天井を押すように意識しましょう。STEP 1~STEP 2の動きをゆっくり繰り返します。〈回数:30回~〉
手と肩甲骨で引っ張り合う「肩甲骨まわり」のストレッチ1
後半は、筋トレの前後だけでなく、デスクワークの休憩中、起床後・就寝前などさまざまなシーンでできる簡単なストレッチの方法を紹介します。
STEP 1:あぐらで座り、体の前で手の指を組む。
▲左右の座骨(お尻の下のほうにある尖った骨)に均等に体重を乗せて骨盤を立てたら、背筋をスッと伸ばして座ります。腕を肩の高さに持ち上げ、手の指を組みましょう。
STEP 2:【息を吐きながら】背中を丸める。
▲手と肩甲骨で前後に強く引っ張り合いましょう。背中を丸め重心はややうしろ、あごを引いて左右の肩甲骨の間がグーンと広がりストレッチされるのを感じます。〈回数:5~10呼吸〉
体のうしろでこぶしを持ち上げる「肩甲骨まわり」のストレッチ2
STEP 1:あぐらで座り、お尻の位置で手の指を組む。
▲肩をうしろに引き、左右の肩甲骨を中央に寄せると◎!
STEP 2:【息を吐きながら】こぶしを持ち上げる。
▲左右の肩甲骨を中央に寄せたまま、こぶしを体から離して持ち上げます。腰が反りやすくなるので、姿勢に気をつけながら呼吸を繰り返しましょう。〈回数:5~10呼吸〉
最後に
肩甲骨同士の間が広がっていると胸が閉じて呼吸が浅くなり、目線も下がって、気持ちまで落ち込みやすくなってしまいます。今回はハードな運動が苦手な女性でも比較的取り入れやすいメニューをピックアップしたので、「肩甲骨まわりを全然動かしていない」という人は、ぜひ試してみてくださいね。
ヨガインストラクター・高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®、そのほかにもリフレッシュドライヘッドスパ、パーソナルリンパケアリストといった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。