ホルモンとはどの部位のお肉?
牛や豚の「腸」のこと
そもそもホルモンとはどの部位のことなのか、最初に確認しておきます。
ホルモンとは牛や豚の「腸」のこと。「モツ」も内蔵を指しますが、ホルモンが牛や豚の腸に限定した呼び名に対し、モツは牛や豚、鶏の内蔵全般を指します。
ただし、焼き肉屋さんでは腸に限定せず内蔵全般をホルモンと呼ぶことも多いそう。この記事では腸に限定せず、一般的にホルモンと呼ばれる部位について解説していきます。
牛のホルモン
・ミノ(第一の胃)
・レバー(肝臓)
・タン(舌)
・シマチョウ(大腸)
・ハラミ(横隔膜)
・ハチノス(第二の胃)
・ハツ(心臓)
・センマイ(第三の胃)
・ギアラ(第四の胃)
・マルチョウ(小腸)
・コブクロ(子宮)
… etc
豚のホルモン
・タン(舌)
・レバー(肝臓)
・ハツ(心臓)
・ガツ(胃)
・ダイチョウ(大腸)
・コブクロ(子宮)
… etc
ホルモンのカロリー・糖質一覧
牛ホルモンのカロリー・糖質量
ここでは牛ホルモンのカロリーと糖質一覧を見ていきます。すべて100gあたりの値です。
カロリー | 糖質量 | |
---|---|---|
ミノ ゆで(第一の胃) | 116kcal | 0.0g |
レバー 生(肝臓) | 119kcal | 3.7g |
タン 生(舌) | 318kcal | 0.2g |
シマチョウ 生(大腸) | 150kcal | 0.0g |
ハラミ 生(横隔膜) | 288kcal | 0.3g |
ハチノス ゆで(第二の胃) | 186kcal | 0.0g |
ハツ 生(心臓) | 128kcal | 0.1g |
センマイ 生(第三の胃) | 57kcal | 0.0g |
ギアラ ゆで(第四の胃) | 308kcal | 0.0g |
マルチョウ 生(小腸) | 268kcal | 0.0g |
コブクロ ゆで(子宮) | 95kcal | 0.0g |
カロリーの数値は部位によってバラつきがありますが、糖質はレバー以外全体的にほとんど含まれていませんね。
豚ホルモンのカロリー・糖質量
続いて豚ホルモンのカロリーと糖質一覧を見ていきます。こちらもすべて100gあたりの値です。
カロリー | 糖質量 | |
---|---|---|
タン 生(舌) | 205kcal | 0.1g |
レバー 生(肝臓) | 114kcal | 2.5g |
ハツ 生(心臓) | 118kcal | 0.1g |
ガツ ゆで(胃) | 111kcal | 0.0g |
ダイチョウ ゆで(大腸) | 166kcal | 0.0g |
コブクロ 生(子宮) | 64kcal | 0.0g |
豚ホルモンも牛ホルモン同様、糖質はレバー以外ほとんど含まれません。ホルモンもお肉同様、糖質制限中でも食べやすい食品であることがわかりますね。
美容に嬉しいホルモンの栄養
タンパク質が豊富
筋肉や肌、髪、爪など体を作るもととなるタンパク質。お肉に豊富に含まれているイメージがありますが、実はホルモンも例外ではありません。
部位にもよりますが、たとえば牛の第一の胃である「ミノ」には、100gあたり24.5gものタンパク質が含まれています。タンパク質の宝庫と言われる鶏のささみが100gあたり24.6gの含有量なので、この数値はかなり優秀だとわかります。
他にも、ホルモンに詳しくない方でもご存知の「レバー」も、牛・豚共にタンパク質含有量が高めの部位です。牛の横隔膜「ハラミ」、牛・豚の子宮「コブクロ」も比較的タンパク質を多く含んでいます。
ビタミンやミネラルが豊富
部位によって異なりますが、ホルモンにはビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
たとえばレバーには、牛も豚もビタミンAが豊富に含まれています。ビタミンAは目や皮膚、粘膜の成長を促進する栄養。健康のためだけでなく美容やアンチエイジングにも効果が期待できる栄養素です。
鉄分が豊富な部位も多くあります。鉄分は貧血予防や肌のダメージ回復、運動・学習能力の向上が期待できるミネラル。
牛ならレバー(肝臓)やハラミ(横隔膜)、センマイ(第三の胃)、ハツ(心臓)など。豚ならレバー(肝臓)やハツ(心臓)など、他の部位のホルモンよりも含有量が多めです。
その他、糖質の代謝に欠かせないビタミンB1や、糖質・脂質・タンパク質の代謝をサポートするビタミンB2、増血作用のあるビタミンB12、糖質・脂質・タンパク質代謝に関わるナイアシンなども、ほとんどの部位に含まれています。
これらは健康維持・増進はもちろん、ダイエットや肌・髪など美のためにも需要な栄養素。低糖質かつ高タンパク質でもあるため、活用しない手はありません。
ただしカロリーや脂質もそれなりにあるため、食べ過ぎには注意しましょう。
ダイエット中のホルモンの食べ方
塩やレモンでさっぱりいただく
塩よりタレ派! という方は少なくないでしょう。実際タレの濃厚な味わいは、食欲が増し箸が進みますよね。
しかし一般的なタレには醤油やみりん、ニンニクやごま油、砂糖や蜂蜜など、カロリーの高い材料がたっぷりと使われています。
この甘辛いタレがホルモンとの相性抜群なのはよく理解できますが、ダイエット中なら塩やこしょう、レモンでさっぱりいただく割合を増やしてあげましょう。
一口につけるタレがほんの少量でも、塵も積もれば山となります。
ごはんの量は極力控えて
お肉同様、ホルモンと白米の相性も抜群ですよね。
ホルモンには糖質がほとんど含まれないため、ごはんはたっぷり食べてもいいだろうと考えるかもしれませんが、せっかく低糖質な食事にできるチャンスをたっぷりのごはんで無駄にするのはもったいない!
焼き肉屋さんでホルモンを食べる場合も、家でホルモンを焼く場合も、できればあらかじめ食べるごはんの量を決めてからいただきましょう。
低糖質・高タンパク質の食事の機会を、上手に使ってくださいね。
野菜もしっかり食べる
ホルモンを食べるときでなくても、野菜は食事に積極的に取り入れてほしい食材です。
野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維、カリウムが豊富に含まれています。ビタミンやミネラルは、炭水化物や脂質、タンパク質のようにエネルギーになる栄養素ではありませんが、これら栄養素の分解や合成をサポートする重要な役割を担っています。
食物繊維は腸内環境を整えるだけでなく、血糖値の上昇抑制、さまざまな生活習慣病の予防効果がある栄養素。炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルに続く「第6の栄養素」とも言われています。
余分なナトリウムを体外に排出するカリウムは、塩分摂取量が1日の基準をオーバーしがちな現代人にとって大切なミネラルです。
野菜は全体的に低カロリーなうえ、食べ応えもありますよね。ホルモンを食べるときに限らず、常に「野菜はしっかり食べる」ことを忘れないでください。
太らない食べ方でホルモンを楽しもう
糖質量が少なく高タンパク質なホルモン。脂身つきのその他部位のお肉よりヘルシーに食べられるので、ダイエット中お肉が食べたくなったときも食べやすい食材です。ただし、部位によってはその限りではないので食べ過ぎには注意が必要。タレやごはんの量、一緒に食べる食品も意識しながら楽しんでくださいね。
りの
栄養士・運動実践指導者・ダイビングインストラクターとしてフォットネス業界に10年勤務。趣味は筋トレと海外旅行(渡航国数50カ国以上)。現在はWebライターとして世界中でノマドライフを満喫中。著書『拝啓、世界であわてふためく女子たちへ』。