【目次】
・【白米】が太りやすいと言われる理由
・【雑穀米】がおすすめの理由
・【太りにくいお米の食べ方】腸活にも◎
・【雑穀の栄養】それぞれの特徴を確認
【白米】が太りやすいと言われる理由
【1】糖質制限ダイエット
「糖質制限ダイエット」とは、米やパン・麺類・いも類・果物など、糖質を多く含む食品の摂取を制限するダイエットのこと。中でも、三大栄養素である炭水化物・タンパク質・脂質のうち、「炭水化物に含まれる糖質」は血糖値を急激に上昇させます。
このとき、血糖を一定の濃度に保つために、調整役として分泌させるのがインスリン。インスリンは“肥満ホルモン”とも呼ばれ、体内で消費されずに余った糖を脂肪にして蓄えてしまいます。
効率的にやせるには、糖質を制限して血糖値を急激に上げない=インスリンの分泌をおさえる必要があるのです。
【2】白米が太りやすい理由
白米や麺など、体に消化吸収されやすい糖質の摂り過ぎは、血糖値を急上昇させることに。
この作用を「食後高血糖」といい、食後高血糖を誘発しやすい食品は「高GI食品」と呼ばれています。
【3】栄養の摂取も大事
教えてくれたのは… 日比野佐和子先生
[医療法人康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾(東京都港区)統括院長。現在、身長160cm・体重52kgで、ダイエットに成功したときの体重をキープ中]
ダイエット中の食事はどうしてもカロリーの数値ばかりに目がいってしまいがちですが、カロリーよりも重要なのは血糖値コントロール。
また、低カロリーの食事ばかりを選んだ結果、栄養のない食事に偏ってしまうのもよくありません。
【雑穀米】がおすすめの理由
【1】さまざまな栄養が摂れる雑穀米
麺よりも腹持ちがいいごはんは、おかずと組み合わせれば食べ順によって血糖値の急激な上昇を抑えられます。
さらに白米よりも雑穀米や玄米などの方が血糖値が上がりにくく、食物繊維が豊富で栄養価も高まるためおすすめです。
【2】スポーツのあとの雑穀米
教えてくれたのは… 栗原 恵さん
[04年アテネと08年北京の両五輪に出場。現役を引退後はスポーツキャスターとして活躍。アスリートフードマイスター3級を取得し、食や美容の情報も発信中]
トレーニング後の30分は「ゴールデンタイム」といい、できるだけ早く栄養補給をすることが大切。鶏むね肉など良質なたんぱく質をしっかり摂ることが理想です。
炭水化物を一緒にとる場合は、雑穀米や玄米など精製度の低いもので、血糖値を急上昇させないようにしましょう。
【太りにくいお米の食べ方】腸活にも◎
【1】消化しにくいでんぷんとは?
教えてくれたのは… 笠岡誠一先生
[文教大学健康栄養学部教授。管理栄養士]
レジスタントスターチとは?
炭水化物の糖質(でんぷん)の中には「難消化性でんぷん」という成分があり、レジスタント(消化しにくい)スターチ(でんぷん)を意味します。
カロリー
同じ量の炭水化物でも、レジスタントスターチならばカロリーが半分に! 腹持ちもよく、食べすぎを抑えることにも役立ちます。
【2】レジスタントスターチの摂り方
レジスタントスターチは、ごはん・うどん・ジャガイモ・豆類などの炭水化物に含まれていますが、不思議な特徴があります。それは「冷ますと増える」ということ!
例えば、炊きたてご飯よりも冷ましたご飯のほうが、レジスタントスターチの量が約1.6倍も増えるのです。うどんの場合は冷やしを選ぶだけ。
※ごはんは冷ましてから食べるべし!
【雑穀の栄養】それぞれの特徴を確認
ここからは、雑穀米に含まれている主な穀物の栄養・特徴をチェックしましょう。
【1】玄米
食物繊維が豊富で、血糖値が上がりにくく脂肪になりにくい玄米。また、タンパク質がカラダに吸収されるときに必要なビタミンも一緒に摂れます。
【2】もち麦
白米の約20倍もの食物繊維が含まれているもち麦。腸内環境を整える作用もあります。粘りがあり、大麦よりもっちりとした食感で女性に人気。
また、脂質や糖質の消化吸収を抑える働きがあるほか、食後の血糖値抑制効果や、悪玉コレステロールを減らしながらも善玉コレステロールを減らさないという特徴も。
【3】大豆
オリゴ糖や食物繊維・たんぱく質・イソフラボンを豊富に含む大豆。薬膳的効能としては胃腸機能の向上・消化不良・膨満感・便秘改善などに役立ちます。
また、アミノ酸のバランスも良く疲労回復をサポートするほか、美肌・アンチエイジングを目指す女性にもおすすめ。
【4】黒豆(黒大豆)
黒豆の栄養成分的には大豆と同等ですが、黒い皮部分にポリフェノールの一種「アントシアニン」という、強い抗酸化作用を持っています。
目にいいとも言われるアントシアニンは、老化の原因となる活性酸素の発生を抑制する性質があり、また肝機能の健康にも役立つことが報告されています。
【5】小豆
冷え性改善に役立つビタミンB1が豊富な小豆。さらにむくみ解消を促すサポニンや、便秘解消に役立つ食物繊維など、嬉しい効果がたくさん。
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【6】とうもろこし
食物繊維が豊富なとうもろこし。ビタミンE・亜鉛・鉄分なども含み、栄養価の高い夏野菜です。
【7】ゴマ(黒・白)
リノール酸やリノレン酸など、人体で合成できない必須脂肪酸が含まれているゴマ。また、疲労回復に役立つビタミンB1もたっぷりです。
ゴマは、ポリフェノールの一種であるセサミンやセサミノールなどの抗酸化成分が多いため、がんや動脈硬化・脂質異常症などの予防効果が期待されています。種実類にはビタミンEも多いので、活性酸素を抑制して免疫力を高める働きも!
たくさんの穀物を一度に摂取できる雑穀米は、お好みの分量を白米に混ぜて炊きます。噛み応えのある豆などの食感で、満足感がアップするのも嬉しいですね。