冷ますだけ! ご飯もパスタも炭水化物はハイパー食物繊維に変わり、食べても太らない!?
レジスタントスターチと言う言葉を聞いたことありますか? このレジスタントスターチが、腸活はもちろんダイエットにも効果あり! と今注目を集めています。
そこで今回は、「炭水化物は冷まして食べなさい」(アスコム)の著者であり、腸活先生として知られる文教大学健康栄養学部教授・笠岡誠一先生にお話を伺いました。
笠岡先生にお話を伺いながら、レジスタントスターチが、腸活はもちろんダイエットにも効果があると言われる理由を探ります!
■腸活先生に質問! レジスタントスターチってなんですか?
笠岡先生:炭水化物の糖質(でんぷん)の中に、レジスタントスターチ=難消化性でんぷんという成分があり、レジスタント(消化しにくい)スターチ(でんぷん)を意味します。
▲パスタ冷たいサラダ仕立てなら腸内環境がより良好に!
■腸活先生に質問! レジスタントスターチは何がすごい?
笠岡先生:レジスタントスターチは糖質ではありますが、食物繊維と同じような、いやそれ以上の働きをします。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、腸内環境を良好にするには両方を摂取することが大切です。
水溶性食物繊維は腸の善玉菌の栄養になったり、不溶性食物繊維は腸にたまった有害物質を回収したりと、2種類とも腸内環境を整える上でなくてはならないものなのです。
実は、レジスタントスターチは、水溶性と不溶性、両方の食物繊維の機能を兼ね備えています。そのため、非常に効率よく腸内環境を良好にしていくことができます。
さらにすごいのは、一般的な食物繊維では大腸と肛門を繋ぐ直腸を素通りしてしまうため、直腸に腸内細菌を増やすことは容易ではありません。しかし、レジスタントスターチなら、直腸にもしっかりアプローチして、からだにいい善玉菌を届けることができます。
つまり、レジスタントスターチは、腸全体をくまなく掃除しながら腸内細菌に栄養を与え、腸を隅から隅まで元気にしてしまう「ハイパー食物繊維」なのです。
しかも、同じ量の炭水化物を食べても、レジスタントスターチならばカロリーが半分。腹持ちがいいため、食べすぎを抑えることにも役立ちます。
▲うどんなら冷やしを選ぶべし!
■腸活先生に質問! レジスタントスターチを摂取するために心がけたいことは?
笠岡先生:レジスタントスターチは、ご飯やうどん、ジャガイモや豆類などの炭水化物に含まれていますが、不思議な特徴があります。それは、「冷ますと増える!」ということ。例えば、炊きたてご飯よりも、冷ましたご飯のほうが、約1.6倍もレジスタントスターチの量が増えます。
つまり今後は、お昼ご飯はお弁当にして冷やご飯で食べる!、ラーメンなら冷やしつけ麺、うどんやそばはザルで、パスタならアルデンテにゆで冷製パスタに、ジャガイモ料理はポテトサラダや冷製スープに、夜食にはおにぎりやお寿司を心がけるだけで、レジスタントスターチを摂取でき、腸内環境を良い状態にすることができるわけです。
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炭水化物を冷まして食べると、カロリー半分、腸内環境も元気になるなんて目からウロコ! 笠岡先生によると炭水化物を冷まして食べることで、腸内環境を常に良好な状態に保つことで、脂肪の蓄積も防いでくれるそう!
これはやってみるしかありませんね♡
お話を伺ったのは…文教大学健康栄養学部教授・笠岡誠一先生
1967年、広島県生まれ。文教大学健康栄養学部教授。管理栄養士。食品栄養学修士(東京農業大学)。博士(農学)(愛媛大学)。
山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、文教大学専任講師、アメリカ国立衛生研究所客員研究員を経て現職。専門分野は栄養生理学、食品化学。
レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。テレビや雑誌などメディアでの解説も多い。