目次Contents
▼この記事の要点
- 「器が小さい」人とは、心が狭く余裕がない人のこと。約4割の人の周囲には、器が小さい人がいる
- 器が小さいと、怒りっぽく余裕がない態度をとることが多い。なかなか謝れないため、自分に甘く他人に厳しい印象を抱かれがち
- まじめに相手をするだけ損なこともあるので、器が小さい人を相手にせず、ときにはスルーするスキルが重要。自分が器の大きい人になるという手も
「器が小さい」とはどういう意味?

◆度量(心の広さ)が小さいこと
器が小さいとは一般的に、度量(受け入れる心の広さ)の小ささのことを言います。度量が小さいとすぐにいっぱいいっぱいになってしまうため、心に余裕がなく、それが行動に表れてしまいがち。仕事でもプライベートでも、少々絡みにくい印象を与えます。
〝器が小さい人〟とは、すぐにカッとなったり、ちょっとしたことをネチネチ責めたりなど、何事にたいしても「まぁこれくらいなら大丈夫だろう」と受け止められない、頼りがいのない人のことだといえそうです。
【アンケート】あなたのまわりに「器が小さい」人はいる?
※アンケート20〜39歳の日本全国の女性を対象にOggi編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数120名(未回答含む)。
20~30代の女性100人に、「あなたのまわりに『器が小さいな』と思う人はいますか?」と質問。すると、35%の人が「いる」、65%の人が「いない」と回答しました。
性格上やりにくさやつき合いにくさを感じるような相手は、なるべく少ないにこしたことはありませんよね。それでも、約4割の人の周囲には「器が小さい人」がいるという結果になりましたので、皆さん苦労されているのでしょう。
相手は友人か、職場の人か、それとも家族や親族か…対象は人によりそうですが、身近に器が小さい人がいると、なにかと気疲れも多そうです。
「器が小さい」と思ったときのエピソードをご紹介

人はどのような場面で、相手にたいし「器が小さい」と思うものなのでしょうか。自分がそう思われないためにも、体験談をチェックしておきましょう。
怒りっぽい
「すぐに怒る」(30代・東京都)
「すぐ不機嫌になる」(30代・東京都)
「ちょっとしたことで声を荒らげて抗議する」(30代・富山県)
「少しのことですぐキレる」(30代・千葉県)
「些細なことで腹を立て、人に責任を押し付けている姿を見たとき」(30代・愛知県)
「自分だけが気になるような、普通は怒らないことで怒る」(20代・千葉県)
「間違いを指摘されただけで不機嫌になる」(30代・新潟県)
さすがは「器が小さい」と言われるだけある! と唸ってしまいそうな、怒りっぽさについてのエピソードが多いですね。〝器が小さい人〟は〝キレやすい人〟であると言い換えられそうです。
たとえ器が大きい人でなくとも、一般的には怒るようなことではないちょっとした間違いで、いつまでも腹を立てているような人は敬遠されがち。アンガーマネジメントが下手な人ということにもなるので、周囲に嫌われ、円滑に仕事ができないイメージにもつながります。
自分に甘く他人に厳しい
「自分を棚にあげる人」(30代・青森県)
「自分に甘く人に厳しい」(30代・広島県)
「他人を思いやれない」(20代・静岡県)
自己中心的な態度や発言で、周囲のことを考えられない人も狭量だとらえられます。
いつだって自分中心なぶん、ときには偉そうな態度をとったり、他人を見下すような物言いをしたり。しかしその割に自分にたいしては甘いことが多く、周囲が「あなたにはなにも言われたくないんだけど…」と顔をしかめたくなる人間性もまた、器が小さい人の特徴です。
人によって態度が違う
「年下の人や自分より後から入職した人に対しては偉そう。その割には大して仕事ができない」(30代・埼玉県)
上司にはいつも媚びへつらっているのに、部下や後輩にはふんぞり返って偉そうにしている…なんて嫌われ者の同僚、あなたの会社にもいませんか?
器の小さい人のなかには、裏表が激しい一面をもつ人もいます。上下関係とは別に、お気に入りの人だけ特別扱いしたり、気に入らない相手にはいじめのような態度をとったりなど、〝相手によって態度を変え、自分の立場を優位に運ぼうとするしたたかさ〟は、人として狭量だと思われる原因に。
ケチで細かい
一円単位での割り勘や、「なんでも好きなもの食べてよ!」「ご馳走するよ!」と言っておきながら、財布の中身をちらちら…。ケチな人も、器の小さい人だと思われやすいタイプです。
こちらが非常識なレベルの高額商品ばかり頼んでいるのならまだしも、そうでないのなら、自分でご馳走すると言った手前気持ちよく支払ってくれ! と言いたくなりそう。彼氏がケチで苦労している女性にとっては、悩みの種でもありそう。
謝らない
器が小さい人は、素直に「ごめんなさい」が言えない傾向にあります。
謝るということは、自分の非を認めるということ。器が小さい人は心が狭いぶん、自尊心が高いことも多いです。自分から素直に謝るなんて、プライドが許さないように感じてしまうのかも。
「器が大きい」人の特徴とは

「器が小さい」人には問題点が多いことがわかりましたが、反対に、「器が大きい」人にはどんな特徴があるのでしょうか。
怒らない
「優しい。怒らない」(30代・広島県)
「ミスしても怒らずアドバイスなどをしてくれる」(20代・神奈川県)
「怒らない、何でも受け止めてくれる聞き上手」(30代・愛媛県)
「怒らない。いつも穏やか」(30代・千葉県)
「些細な失敗を責めない」(20代・千葉県)
「嫌なことがあっても怒らない」(20代・岡山県)
「不必要に権利を主張しない」(30代・京都府)
「いつも寛大」(30代・東京都)
「寛大に物事を捉えられるところ」(30代・愛知県)
器が大きい人は、ちょっとしたことでカッとなったりイライラしたりはしません。まずは状況を冷静に見極め、場合によってはヒアリングやアドバイスをするなど、ひとつ上の視点から物事を見定めているようです。あるいは、アンガーマネジメントが得意なのかもしれません。
仕事でミスをしたときや、うまくいかなかったとき…失敗にたいして注意こそすれども、「取り返せるから一緒に頑張ろう。手伝うから安心してね! 気を落とさないで」と声をかけてくれる上司や先輩がいたら、器の大きさに感動してしまいそう。「次は失敗しないように頑張ろう」と前向きな気持ちにさせてくれるのも、相手の器の大きさを感じられるからこそです。
動じない
「急な予定変更にも動じずおおらかな人」(30代・栃木県)
「普通なら動揺するような場面でも取り乱したりしない」(30代・富山県)
「少しキャパオーバーしても、精神が安定している」(30代・静岡県)
普通の人ならば慌てふためいてしまいそうな場面でも、器の大きい人はドンと構えていられます。大局を見て物事を判断できるので、場合によるとはいえ、感情的になることのデメリットをよく理解しているのでしょう。
そのぶん周囲の人は落ち着きを取り戻したり、安心したりできるので、チームのリーダーや幹部にこのような人がいるとありがたいもの。器の小さい人に比べると、器の大きい人は、人の上に立つべき資質をもっているといえそうです。
包容力がある
「おおらかで、荒げる様子がない」(30代・東京都)
「おおらかで精神が安定している」(30代・東京都)
「優しい」(30代・長野県)
「穏やかな人、包み込むような雰囲気がある人、煉獄さんのような人」(30代・宮城県)
「包容力がある」(30代・山形県)
「包容力がある人」(20代・大阪府)
包容力という言葉を引くと、
過ちや欠点なども含め、相手のさまざまな点を受け入れることができる心の広さ(小学館刊行・デジタル大辞泉より一部引用)
と出てきます。器の大きい人は、相手の過ちやミスを責めることなく、寛大に受け止める余裕と優しさをもっているようです。
器の小さい人ならばネチネチと小言を言いそうな場面でも、器の大きい人ならば笑い飛ばしたり、さらりとかわして大人の余裕を見せたりできます。度胸や性格の明るさも必要になるので、誰にでもできることではありません。
このようなタイプには、もともとの性格で先天的におおらかな人と、仕事やプライベートで円滑な人間関係を築くため、後天的に努力をしておおらかになっている人とがいるでしょう。怒りっぽい一面を自覚して悩んでいる人は、今後のためにアンガーマネジメントを意識してみては。
また、「煉獄さんのような人」という回答もありますが、これは人気漫画「鬼滅の刃」(吾峠呼世晴/集英社)の人気キャラクター、「煉獄杏寿郎」のことでしょうか。彼は作中で自分の命があやうい場面でも、後輩や仲間を最後まで気遣うリーダーとして描かれています。
現実ではなかなかいないタイプといえど、〝弱きを助け強きをくじく〟かのような生き様もふくめ、おおらかで優しい性格は、器があまりにも大きい人間像といえるかもしれません。
器が小さい人への「対処法」

器の小さい人は、自分の器の小ささに気づいていないことも多いよう。そのため周囲の人間がストレスを感じたり、フォローに回って大変な思いをしたりすることも…。
ここではそんなとき、どのように対処したらいいかをまとめています。
相手にしない
「気にしないで関わらない」(20代・埼玉県)
「塩対応」(20代・大阪府)
器の小さい人は、自分に非があっても簡単には認めず、責任転嫁しがち。言い訳が上手で、「指示が不適当だった」「自分がしたのではない」など、自分に原因や落ち度があっても平気で責任転嫁します。
そんなときはこちらも、発言を真に受けずスルーしたり、適当に相槌をうってやり過ごすのが吉なことも。不誠実な相手に誠実であろうとしすぎると、こちらばかりが損をしてしまいます。
距離をおく・関わらない
「最低限の関わりしかしない」(30代・千葉県)
「なるべく関わらないようにする」(30代・神奈川県)
「話さない」(30代・青森県)
「そっと距離をおく」(30代・京都府)
「その時は我慢するが、会うのを控える」(20代・千葉県)
「なんだか 自分が損しそうな気がするので、器が小さいと感じた人とは距離をおきます」(30代・千葉県)
そもそも、器の小さい人には関わらないほうがいいという回答も。プライベートでの知人や友人などであれば、面倒臭さを感じた時点で離れることも大事。
とはいえ…たとえば上司や家族など、相手が身近な人だと関わらないというのも難しいでしょう。相手の器の小ささに嫌な思いをしたら、ときにははっきり言うのもひとつの手。
自分が譲れるラインを決め、それを超えたときははっきりと相手に伝え自分の意思を示しましょう。それで離れていくのならそれまでだったということ。
あくまでも怒りをぶつけるのではなく、改善して相手と良い関係を築いていくため、という気持ちをもって伝えることが大切です。
そういう人だと割り切る
「そういう人だと割り切る」(20代・神奈川県)
自分以外の他人を変えようとすることは、本来とても難しく、大きな労力が必要な行為です。器の小さい人に嫌な思いをさせられたときには、「あっ、この人はこういうタイプね」「器が小さいからしょうがない」と、割りきって接するのもひとつの手。つまり、自分が器の大きい人になることでやり過ごすのです。
相手を反面教師にすればいいだけですから、ある意味簡単な方法だともいえるでしょう。自分自身が人間的な成長を得られるというメリットもあるので、「人のふり見て我がふり直せ」で、学びの機会としてとらえるのも〇です。
受け流す
「話は話半分に聴いておく」(30代・神奈川県)
「スルーする」(30代・和歌山県)
器の小さい人は、相手や物事が思い通りになってくれないと不機嫌になりがち。相手のことを考えず自分の都合だけを考えているので、目的が達成できなかったとき腹が立ってくるのです。
これはコンプレックスを隠そうとしていることの表れ。自分に自信がないので、自分を大きく見せることで、ありのままの自分をさらけ出すことから逃げているのかもしれません。何かをやってあげたり助けてあげたりしたときは、見返りを求めてくる場合も。
このような態度をいちいち真に受けていると、こちらの身がもたないかもしれません。笑顔を浮かべつつも受け流し、話半分程度に聞いておくのがよいでしょう。「あぁ、また何か言ってるな」くらいに構えておけば、案外どうでもよくなるかもしれません。
器の大きい人を目ざして…「器の大きさ」と恋愛にまつわるQ&A!

誰しも器の小さい人よりは、器の大きい人になりたいと思うものでしょう。しかしその一方で、ちょっとした場面や日常生活のなかで怒りを感じ、「私って器が小さいのかな…」と悩んだり、彼氏や夫に指摘されたりする人もいるのでは。
ここでは恋愛と「器の大きさ」を絡め、器が小さい人にならないためのポイントをQ&A形式で解説します。
A.あなたの器が小さいのではなく、彼と価値観が異なる部分があるようです。価値観の違いは「別れの理由ランキング」でも一位となっている理由ですので、不可抗力な部分ともいえますね
器の大きい人は相手の得になるよう、その場にふさわしい行動をとるのに比べ、器が小さい人は損得感情で物事を判断しがち。自分が得をするのか損をするのかを素早く計算し、損をすることに関しては首を突っ込みません。
彼は「器が小さい」とあなたを否定することによって、自分の遅刻癖や連絡無精という欠点を否定されないように、自分本位な立ち居振る舞いをしています。そんな彼の価値観をあなたは許せるのかどうか、一度客観的に人間性を見極め、今後について考える必要がありそうです。
遅刻をすることや連絡がないことそのものよりも、自分の過ちを棚に上げてあなたを否定しようとする人間性に、本当の問題があるのでは。注意しても直らないのであれば、下記記事を参考に、別れを視野に入れるべきかもしれません。
Q.彼の器が小さくて悩んでいます。男性と連絡をとるだけでも怒り、仕事の飲み会でも異性がいると逐一報告をしなければいけません。どうしたらもう少し、器の大きい男になってくれるのでしょう?
A.器が小さい人は自分に自信がもてないので、嫉妬や束縛も多くなりがち。なるべく安心させてあげつつ、彼のいいところを褒めて育てるのが〇。ときにはルールが必要なことも
彼は、大事な恋人が他の人に奪われないかと不安でいっぱいなのでしょう。結果、嫉妬心が人一倍強くなり、それを払拭するために束縛も激しくなっているようです。
裏を返せばこれは、彼がそれだけあなたのことを好きで、誰にもとられたくないという気持ちを強く抱いている証拠でもあります。まずは「それだけ想ってくれてありがとう」という感謝の気持ちを伝えつつも、「そんなに好きでいてくれるなら、まずは私のことを信じてほしいな」と、〝あなたにより愛されるためには、束縛ばかりしていてはいけない〟と察させましょう。
器の大きい男性ならば、ちょっとしたことで連絡を強要したり、いちいち嫉妬したりはしないかもしれません。ですがだからといって、あなたがどこでなにをしていても問題視せず、異性と一緒に過ごしていようがなにも気にしないという男性にもまた、それはそれで不安を覚える女性もいます。
大事なのは、お互いが納得できるつき合い方をすることです。カップルごとに正解は異なることをふまえて、「異性がいる飲み会に行く場合は必ず事前に知らせる代わりに、飲み会中は連絡が途絶える時間ができても怒らないこと」など、ふたりの妥協点を探しルールをつくるのもいいでしょう。
カップル間のルール決めについては、こちらの記事でもまとめています。
最後に
器の小さい人を相手にしていると、理不尽なことを言われてモヤッとしたり、ストレスを抱えたりすることもあるかもしれません。無理のしすぎは禁物ですが…かといってこういった人を否定しても、火に油を注ぐ結果になる可能性が。できるだけ、不要な対立は避けたほうがいいでしょう。
どうしても納得できないことがある場合は、「わからないので教えてほしい」という態度で接すること。また、割り切った姿勢で接することも必要です。
「この人は器の小さい人なんだ」「器が小さいから、話が通じなくてもしょうがないな」と思えば、いちいち態度や言葉にイライラすることが減って、逆に関係が改善していくかもしれません。
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ミナ・サントリーニ
ライター・大手占いアプリ所属の恋愛鑑定師。東京都出身。数々の恋愛経験と世界各国を旅した経験を活かし、10年以上、男女問わずあらゆる恋のお悩み相談を受けている。好きなラーメンは家系固麺油マシ。推しはニャンちゅう。