「直向き」とは?
「直向き」とは、一つの物事だけに心を向けている様子や、忍耐強く一途に打ち込む様子を指す言葉です。形容動詞で、現代文では「直向きだ」、古文では「直向きなり」が終止形となります。
「直向き」の読み方
「直向き」は「ひたむき」と読みます。「直」を「ひた」と読む場合、動詞や動詞の連用形名詞の上について「一途に」「ひたすらに」などの意味を表すか、名詞の上について「まっすぐ」「一方的」「純粋な」などの意味を表すことが一般的です。
現代国語の漢字使用の目安を示す常用漢字表では、「直」の読み方として次を記載しています。
・チョク(直立、直接、実直など)
・ジキ(直訴、直筆、正直など)
・ただ(直ちになど)
・なおす(直す、手直しなど)
・なおる(直る、仲直りなど)
参考:文化庁「常用漢字表」
ひた‐むき【▽直向き】
出典:小学館 デジタル大辞泉
[形動][文][ナリ]一つの物事だけに心を向けているさま。忍耐強く、いちずに打ち込むさま。「直向きな努力」「直向きな情熱」

「直向き」の使い方
「直向き」は日常会話にもよく使用されます。いくつかの例を見ていきましょう。
・彼は直向きに努力をするから、新しい仕事を任せても安心だ
・彼女の直向きな思いを受け止めることは、わたしにとっては重荷だ
・わたしの長所は直向きさです。どのような課題に対しても真面目に愚直に取り組みます
ビジネスやプライベートで真面目さや一途さを表現する際、「直向き」はしばしば使用される言葉です。特にネガティブな意味のない言葉のため、他人を評価するときや採用面接などでも使用できるでしょう。
「直(ひた)」と読む言葉
「直」を「ひた」と読むのは、「直向き」だけではありません。たとえば、次の言葉でも「直」を「ひた」と読みます。
・直走る
・直隠し
・直と
・直道・直路
それぞれの言葉の使い方を例文を通して紹介します。

直走る
「直走る(ひたはしる、ひたばしる)」とは、休むことなく、まっしぐらに走ることを意味する表現です。
・駅までの長い道のりを直走り、なんとか予定の電車に乗れた
・直走りに走り、最終バスに間に合った
実際に走る際にも使われますが、転じて、ひたすら頑張ることを意味する表現として使われるケースもあります。
・若い頃から仕事に直走った結果、不安のない老後を迎えている
・目的に向かって直走ることが大切だ
「直向き」と同じく真面目な印象を与える言葉のため、真面目さや真摯な態度をアピールする言葉としても使われます。
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直隠し
「直隠し(ひたかくし)」とは、ひたすらに隠すことです。
・彼は自分にとって不利な情報を直隠しにした
・事件を直隠しにしたとしても、どこからか話は漏れてしまうものだ
意図的に真実を隠すニュアンスのある言葉のため、ポジティブな場面で用いられることはほとんどありません。状況にもよりますが、「隠蔽(いんぺい)する」などの言葉と置き換えられることもあります。
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直と
「直(ひた)と」は、ひたすらや一途にといった意味で使われる言葉です。
・彼は直とわたしを見つめた
・仕事がうまく行かないと直と思い詰めているようだが、肩ひじ張らずに気楽にするほうが状況は好転するかもしれないよ
また「ぴったりと」や「突然」といった意味で使われることもあります。
・彼女は上司の背後に直とつき、一挙手一投足を見逃すまいとしていた
・風が直と止んだ
状況によって異なる意味を指すため、文脈を正確に把握することが大切です。
直道・直路
「直道(ひたみち)」とは、まっすぐな道やまっすぐである様子を指す言葉です。「直路」と表記することもあります。
・直道を進んだ
・直路のように煙がまっすぐに上がっている
道とは関係なく、一途である様子やひたすらな様子を指す言葉としても使われます。
「直向き」の言い換えに使える言葉
次の言葉も、「直向き」のように一つのことだけに打ち込む様子を指します。
・ひたすら
・ひとえに
・まっしぐら
・しゃにむに
それぞれの漢字表記や使い方を紹介します。

ひたすら
「ひたすら」は、そのことだけに意を用いる様子、それだけに専念する様子を示す言葉です。平仮名表記のことも多いですが、「只管」や「一向」の漢字で表記することもあります。
・彼女はひたすら弁解しているが、言い訳ばかりで本心から悪かったとは思っていないようだ
・研究にひたすら勤しんでいるようだ
なお、ひたすらは形容動詞でもありますが、副詞としても使われるため「ひたすらに研究する」「ひたすら研究する」のいずれも間違いではありません。
ひとえに
「ひとえに」は、ただそのことだけをする様子で、「一途に」や「ひたすら」とも言い換えられます。
・御贔屓(ごひいき)のほど、ひとえにお願い申し上げます
・彼の無事をひとえに祈った
また、原因や理由、条件などがそれに尽きる様子を示すこともあります。この場合は「専(もっぱ)ら」と言い換えられます。
・成功はひとえに君のおかげだ
・失敗の原因はひとえにわたしの力不足にあります
ひとえには「偏に」と表記することもあります。
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まっしぐら
「まっしぐら」は、激しい勢いで目標に向かって突き進む様子を表す言葉です。
・ゴールを目指し、まっしぐらに走った
・彼は出世街道をまっしぐらに進んでいる
「驀地」と漢字で表記されることもあり、古くは「まっしくら」と発音したともいわれています。
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しゃにむに
「しゃにむに」は、ただひたすらに、あるいはがむしゃらにといった意味を示す言葉です。
・目的に向かってしゃにむに努力をした
・しゃにむに突進する様子が、彼の無謀さと若さを示している
漢字では「遮二無二」と表記します。
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正しい漢字を押さえておこう
「直向き」の「直」は「ひた」と読みます。常用漢字表に記載されていない読み方ですが、「直走る」や「直隠し」のように日常会話でもしばしば使われます。
また、「偏に」や「只管・一向」など、言い換えに使える言葉は少なくありません。漢字表記も併せて覚えておくと良いでしょう。
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