「挙句」という言葉は、日常会話や文章の中でよく使われます。しかし、正しい意味や使い方を意識したことがある人は少ないかもしれません。
そこで、この記事では、「挙句」の意味や由来、例文、類語、さらには英語表現まで詳しく解説します。
「挙句」とは? 意味と由来を確認
まずは「挙句」の意味について確認していきましょう。
「挙句」の意味
「挙句」は、「あげく」と読みます。辞書の定義を見てみましょう。
あげ‐く【挙(げ)句/揚(げ)句】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 連歌・連句の最後の七・七の句。→発句(ほっく)
2 終わり。結果。末(すえ)。「苦労した―が失敗とは情けない」
3 (副詞的に用いて)結局のところ。その結果として。現在では、連体修飾語を上に付けて用いることが多い。「さんざん迷った―買ってしまった」
「挙句」とは、「最終的に」とか「その結果として」といった意味を持つ言葉だとわかりました。

「挙句」の由来
もともと「挙句」は、連歌(詩の一種)で最後に詠む句(七七の句)を指していました。そこから転じて「物事の終わり」や「終わってからの結果」を示す言葉として使われるようになったのです。
「挙句の果て」の意味と正しい使い方は?
「挙句の果て」という言葉もよく使われますね。ここでは意味と使い方について見ていきましょう。
「挙句の果て」の意味
「挙句の果て」の意味を辞書で確認します。
挙(あ)げ句(く)の果(は)て
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「挙げ句2」を強めた言い方。最後の最後には。とどのつまり。「口論が続き、挙―殴り合いのけんかになった」
「挙句の果て」は、「最後の最後には」という意味を持つことがわかりました。「挙句」を強めた言い方です。
「挙句の果て」を使った具体的な例文を紹介
「挙句の果て」は、主にネガティブな状況や困った結末を表現する際に使われることが多いでしょう。以下に例文を紹介します。
「何度もダイエットに挑戦したが、挙句の果てにリバウンドしてしまった」
努力した結果が望ましくない方向に進んでしまった場合に使われます。

「会議で意見がまとまらず、挙句の果てには議論が白紙に戻ってしまった」
時間をかけたにも関わらず、結果として振り出しに戻ってしまった場面を表現しています。
「彼女は迷いに迷った挙句の果てに、結局何も決められなかった。」
長い間考えた末に、何の結論も出なかったという状況を示します。
「挙句」の類語や言い換え表現は?
「挙句」に近い意味を持つ表現はいくつかあります。状況に応じて適切な表現を選ぶことで、文章のバリエーションを増やすことができますよ。
「結局」
「結局」は、「最終的に」「色々あったが、最終的にはこうなった」という意味で使われます。やや客観的な表現で、結果を冷静に述べる際に適しています。
例文:「結局、彼女の意見が採用されることになった。」
「詰まるところ」
「詰まるところ」は、「いろいろなことを考慮した結果」「要するに」といった意味を持ちます。複雑な事柄をまとめたり、結論を簡潔に述べたりする際に使われます。
例文:「詰まるところ、成功の秘訣は地道な努力にある」
「とどのつまり」
「とどのつまり」は、「最終的に」「結局のところ」という意味を持ちます。特に、思わしくない結果である場合に使われることが多いでしょう。
例文:「とどのつまり、彼は最初からやる気がなかったのだろう」

「挙句」の英語表現
「挙句」を英語で表現する際には、状況に応じたフレーズを選ぶことが重要です。英語では、「結局のところ」「最終的に」といった意味を持つ表現が適しています。
after all
「after all」は、「いろいろあったが、結局」「最終的には」という意味で使われます。特に、意外な結果や期待とは異なる結末を表す際に適しています。
例文:She didn’t want to go at first, but she joined us after all.
(最初は行きたがらなかったが、最終的に彼女は参加した。)
in the end
「最終的に」「結局」という意味を持ち、ニュートラルな表現として使えます。
例文:In the end, we couldn’t make a decision.
(最終的に結論を出せなかった。)
最後に
「挙句」という言葉は、もともと連歌の最後の句を指すものでしたが、時代とともに「最終的に」「いろいろあった結果」といった意味で使われるようになりました。
日常会話やビジネスシーンでも使われる表現なので、適切な使い方を意識しながら活用してみてはいかがでしょうか。
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