「あの先生に出会ったのが、人生のターニングポイントだった」「私のターニングポイントは、このプロジェクトの失敗だ」。ターニングポイントには、良い転機がある一方で、そうではないケースもありますよね。皆さんにはこれまで、どんなターニングポイントがあったのでしょうか。今回は、意味や言い換え表現、気をつけたいターニングポイントを紹介します。
ターニングポイントとは?
ターニングポイントとは、転換点、変わり目、重大な転機を言います。物事や状況に新たな展開や、決定的な出来事が起こる瞬間や節目のこと。個人の人生だけではなく、物語や歴史、組織などさまざまな分野で訪れると言えるでしょう。
ターニングポイントが訪れることで、プラスに働くこともあります。新しいアイデアや方法を模索するチャンスになり、個人や組織を成長させるとも捉えられます。また、その状況や物事を新たな視点で見直すことができ、今までにない解決策を思いつく可能性も。
ターニングポイントを経験することで、スキルや知識を習得し、個人能力の向上も期待できます。
一方で、ターニングポイントで選択したことが誤っている場合、失敗のリスクも高まります。リソースや時間の損失が発生するということも、心に留めおきましょう。
ちなみにOggiには〈「The Turning Point〜私が『決断』したとき」〉という長期連載をがあります。先輩キャリアにインタビューを行い、ご自身のターニングポイントをお話しいただく企画で、働く女性の転機の訪れが、いかに人生に変化を齎すかに着目したインタビュー連作です。ぜひ、ご一読くださいね。
ターニングポイントのつかみ方
ターニングポイントは、不意に訪れたり、劇的に起こるもので、自分ではコントロールできないと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか? 実は、自分でつかむこともできるようです。一緒に見ていきましょう。
1:シグナルを受け取る
なぜか同じ言葉ばかりが目に入ってきたり、似たような経験が短いターンで起こったり、また、偶然同じ人に何度も会ってしまう、このような経験がありませんか? シグナルを受け取るケースは、様々な状況で発生する可能性があります。普段の行ないや目にする情報に意識をむけてみましょう。
2:ピンチを乗り越える
困難や自分の実力以上の力を発揮しなければいけない状況を乗り越えた時に、ターニングポイントをつかめると言えます。困難に立ち向かう能力を向上させ、新たなスキルを身につけることで、適応能力が向上します。ピンチをチャンスと捉え、自分を成長させることが重要です。
3:ポジティブに捉える
どんなことでも、前向きに捉えることは、ターニングポイントをつかむコツと言えます。「私には無理だ」「私にはできない」など、自分を否定したり、マイナス思考では、ターニングポイントが訪れても、気づきにくいでしょう。「大丈夫、私はできる!」と、ポジティブに考えます。自分に自信を持つことも大切ですね。
4:いつもと違うことをする
日常に変化をもたらすことも行なってみるといいでしょう。簡単にできることで言うと、通勤経路を変更してみたり、今まで興味のなかった分野を学んでみたり。ボランティア活動に参加するのもいいかもしれません。少し、時間をかけて遠出をしてみると、その土地で思いがけない気づきを得られる場合も。
言い換え表現にはどのようなものがある?
ターニングポイントには、似たような表現があります。日本語と英語に分けて、使い方とともに例文も紹介します。これを機に、マスターしておきましょう。
1:日本語の場合
節目:物事の区切り目を言います。
・退職は、彼女にとって重要な節目でした。
・20年の結婚記念日は、夫婦にとって大きな節目となりました。
分岐点:物事がどうなるかの分かれ目を表します。
・会議での議論が分岐点となり、戦略を見直すことになりました。
・彼の健康状態が悪化し、新たな治療法を検討する分岐点に立たされました。
転機:他の状態に転じるきっかけ、という意味です。
・結婚は、彼女の人生における幸せな転機でした。
・新しい技術の導入は、企業にとって競争力を高める重要な転機です。
2:英語の場合
climax(クライマックス):最高潮、絶頂、極地、頂点。(劇・小説;試合などの)山場。
・The discovery of the treasure map was the climax of their adventuros jorney.
(宝の地図の発見は、彼らの冒険の旅の山場でした)
peak:(ピーク):物事の最高潮、絶頂、頂点。
His decision to start his own business was the peak of his career.
(自分のビジネスを始めるという決断は、彼のキャリアの頂点でした。
気をつけたいターニングポイント
ターニングポイントには、良い方向に向かうものがあれば、マイナスに働くものもあるようです。ここでは、仕事と仕事以外に分けて紹介します。
1:仕事で訪れるターニングポイント
仕事で訪れる出来事には、事故や災害の体験、仕事の失敗、重大な責任の発生、仕事の量や質の変化、役割や地位の変化、セクシャルハラスメントがあげられます。特に役割や地位の変化では、昇格や昇進といった、一般的には良いとみなされるものでも、本人にとってはプレッシャーに感じてしまい、モチベーションが下がってしまう場合もあります。
2:仕事以外で訪れるターニングポイント
一方、仕事ではなく、プライベートで訪れる場合は、配偶者の死・離婚・夫婦の別居といった家族との離別、自身の病気、結婚などがあげられます。結婚も、一般的にはおめでたいこととして認識されていますが、マリッジブルーという言葉もあるように、当人にとっては、自分の家族を持つという責任の重さから、気持ちがマイナスに働くこともあるようです。
最後に
今回は、ターニングポイントについて紹介しました。自分ではどうすることもできず、偶然に訪れるものだと思われていた方も多いのではないでしょうか。ターニングポイントが発生する状況は、自分で作り出せると言えます。普段からアンテナを高く張り、自分が興味あること以外に、目を向けてみると、意外と「これだ!」というものに出会えるかもしれません。自分のターニングポイントは、自分で決めることができると言えるでしょう。
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