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2023.10.28

「インクルーシブ」を知っていますか? さまざまな分野の取り組みを紹介

最近注目を集めている「インクルーシブ(INCLUSIVE)」。お互いの個性を認め合い、尊重しながら共生するという意味があり、さまざまな分野で使われています。今後さらに重視される「インクルーシブ」について、本記事で紹介します。

「インクルーシブ」を知っていますか?

今、さまざまなシーンで注目を集めているのが「インクルーシブ」です。インクルーシブに関連する用語もたくさん登場していますが、インクルーシブ自体を知らない、言葉は知っていても意味は分からないという人も多いのではないでしょうか?

インクルーシブは私たちの生活と関りがあり、世界や日本が抱える課題の解決に欠くことのできない考え方でもあります。各分野におけるインクルーシブについて紹介しますので、その重要性についてぜひおさえておいてください。

「インクルーシブ」とは?

まずはインクルーシブの意味を見ていきましょう。

▷インクルーシブ【inclusive】読み方:いんくるーしぶ
包含しているさま。すべてを含んでいるさま。包括的。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

国籍や肌の色、年齢、性別、障害の有無などによらず、お互いを認め合い、共生することができるという意味合いで使われることが多く、その代表となるのが「インクルーシブ社会」です。

「インクルーシブ」が注目される理由

インクルーシブという理念は、1970年代にフランスで生まれたとされています。当時のフランスは、不況や移民問題などによる社会的排除が問題視されており、その影響からインクルーシブが用いられるようになりました。

その後、さまざまな出来事を経て、「障害者権利条約」が批准されました。現在、世界の様々な国が、インクルーシブ社会の実現を目指しています。

「ダイバーシティー」との違いは

多様性と言えば、「ダイバーシティー」を思い浮かべる人もいるでしょう。ビジネスシーンでよく使われる言葉であり、国籍や年齢、性別、人種などを問わず、人材を活用することを言います。

どちらも多様性を受け入れることを意味しますが、インクルーシブはさらにそれぞれの個性を尊重し、共生する意味合いを含みますので、その点がダイバーシティーと異なります。

コネクトする社会
(c)Adobe Stock

各分野におけるインクルーシブを紹介

インクルーシブは、さまざまな分野で取り入れられ、注目されています。ここからは、各分野におけるインクルーシブを見ていきましょう。

インクルーシブデザイン

海外で誕生したインクルーシブデザインは、日本にも根づきはじめています。インクルーシブデザインとは、既存のものを利用する際に制約がある消費者も含め、すべての人が使いやすくなるよう工夫するデザイン手法のこと。障害を持つ人など、デザインプロセスから排除されてきた消費者の課題解決を起点としています。

最近では、オフィス環境にインクルーシブデザインが導入されるようになりました。偏りが生じないよう、さまざまな人の意見を反映させながら、商品やサービスの開発がされています。

インクルーシブスポーツ

各自治体や教育の現場では、インクルーシブスポーツをメインとしたイベントが開催されています。各人の適正に合った全員参加型のスポーツ活動に参加することで、参加者がインクルーシブに対する理解を深め、多様性を認め合うことにつながるよう、さまざまな工夫がされています。

インクルーシブスポーツには、車イスバスケット、フライングディスクで的を狙う「ディスゲッター9」、パソコンを使ってボールを操作する「eボッチャ」など、さまざまな種類があります。

インクルーシブ公園

公園にもインクルーシブの導入がはじまりました。障害の有無、年齢や性別に関係なく楽しめる遊具はインクルーシブ遊具と呼ばれていますが、これに加え、親と一緒に楽しめる遊具の導入も進んでいます。

手を繋ぐ家族
(c)Adobe Stock

インクルーシブ防災

インクルーシブ防災とは、障害者や高齢者など支援を必要とする人も含め、あらゆる人が避難することができる方法を考案し、お互い協力し合いながらそれを実現させるという取り組みです。

自治体や地域住民で協力し合うこの避難方法は、大分県別府市の取り組みがモデルとなっているため、「別府モデル」と呼ばれています。

インクルーシブ教育

文部科学省によって普及が進められているインクルーシブ教育は、現在の分離教育から過渡期の状態にあると言われています。インクルーシブ教育を実践するには、子供一人ひとりに合った合理的配慮、専門性のある教育支援員の配置、環境整備が欠かせません。

すでにインクルーシブ教育を実践している学校があり、注目が集まっています。インクルーシブ教育を普及させるには、環境整備や体制整備も必要ですが、まずは大人が知識を得て行動することが求められるのではないでしょうか?

それについて「知らない」から、差別や偏見が生まれるとされます。だからこそお互いに能動的に関り、お互いを知らなければなりません。多彩な考え方、価値観に触れながら、どの子供も安心して成長することができる、インクルーシブ教育はその実現を目指しています。

目指すはインクルーシブ社会の実現

多様性を認め合い、お互いに支え合いながら共生することを目指す「インクルーシブ社会」の実現は、SDGsの重要目的の一つとされています。注目度の高いインクルーシブ社会について、見ていきましょう。

インクルーシブ社会について

インクルーシブ社会とは、誰一人排除されず、すべての人が安心して公正に暮らすことのできる社会を意味します。多様性を認め合い、違いを受け入れ合い、すべての人が尊重し合って自然に支え合える、そのような社会の実現を目指し、各方面でさまざまな活動が進められています。

これまでの社会構造では、マイノリティの人々は排除されたり、我慢を強いられたりしがちでした。しかし、そうした人々の存在を知り、ともに生きることを意識することが、インクルーシブ社会の実現を近づけるはずです。

前を向いて歩く女性
(c)Adobe Stock

インクルーシブは今後さらに重要になる

日本がインクルーシブ社会を目指すには、クリアしなければならない多くの課題があり、まだまだ時間がかかると考えられています。しかし、インクルーシブの必要性に対する理解は、徐々に広がっていると言えるでしょう。

すべての人が生きやすくなる社会を実現させるには、継続的な取り組みをし続けることが欠かせません。課題を一つひとつ解決しながら、すべての人が公平に生きることができる暮らしやすい社会に変えていきましょう。

おわりに

インクルーシブは「包括」を表す言葉です。国籍や肌の色、年齢、性別、障害の有無などによらず、お互いを認め合い、共生することができる社会や教育の実現を目指し、各地あるいは各分野でさまざまな取り組みがされています。インクルーシブは今後さらに重視されるでしょう。インクルーシブは未来に関わる重要なこと。まずは知ることから、はじめてみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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