「サマリー」とは?
「サマリー」という言葉を知っていますか? ニュースなどでは「マーケットサマリー」「試合サマリー」などというように用いられます。社会人ならぜひとも押さえておきたい言葉です。ビジネスシーンや医療の現場でも用いられるこのサマリーについて、本記事では理解を深めていきましょう。
サマリーを使う場面や、サマリーと混同されやすいレジュメ、アジェンダ、アブストラクトとの違いを解説します。また、分かりやすいサマリーをつくるポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「サマリー」の意味
「サマリー」とは、「要約」のことをさします。まとめや梗概、概要などとも言い換えられるでしょう。つまり、論文などの文章の重要な部分を簡潔にまとめて表現することをサマリーと言うのです。ちなみに、英語では「summary」と表記します。
サマリーを使う場面とは?
ビジネスシーンなどでは、「この会議のサマリーをつくって後で配布します」など文章に限らず、会議などの内容をまとめる場合にもしばしば用いられます。
また、教育機関の授業などでも「この授業のサマリーを○字でまとめて提出しなさい」などと求められることがありますね。
他にも、医療機関では、より専門的にサマリーという言葉が使われているようです。診療時の患者記録の一つで、患者の病歴や入院時の症状、所見や経過などを要約した内容が記されます。
さらに、週ごとに記録する週間サマリーや月ごとに記録する月間サマリー、退院サマリーなど種類もあるようです。
記録を残すことで、その後の診療を円滑に進めたり、転院や外来時にもスムーズに治療に当たれるようにする目的があります。
レジュメ・アジェンダ・アブストラクトの違い
サマリーを使う場面をなんとなく想像できたでしょうか? サマリーと混同されやすい言葉としてレジュメやアジェンダ、アブストラクトなどがありますが、聞いたことがある人もいらっしゃるかもしれませんね。
特にレジュメは学校の講義で使われることが多いですので、どんなものか分かる人も多いのではないでしょうか? しかし、「それぞれの違いは?」と聞かれるとなかなか説明しづらいところ。ここでは、レジュメ、アジェンダ、アブストラクトの違いについて解説していきます。
レジュメ
「レジュメ」はもともとフランス語です。辞書的な意味はサマリーとほぼ同じで「要約」「大意」といったニュアンスを含んでいます。では、サマリーとの違いは何でしょうか?
一般的には、用途が異なると言われています。例えば先にも例を挙げた学校の授業を思い出してみてください。レジュメは基本的に授業の初めに配布されます。一方でサマリーは授業後に配布されたり、課題として求められたりすることが多いです。
ビジネスシーンにおいても、「これから行われる会議」の内容や進行をまとめたものとして予め配布されるのがレジュメになります。
アジェンダ
アジェンダは、サマリーやレジュメと少し毛色が異なります。「アジェンダ」とは、「計画」「予定表」「協議事項・日程」などのことをさす場合が多く、特に政治的な分野では「検討課題」のニュアンスで使われることが多いです。
授業や会議の内容をまとめるサマリーやレジュメとは異なり、時間や日程などのスケジュールや議論する項目などを記載したものがアジェンダです。
アブストラクト
主に学術論文でこの言葉が用いられます。「アブストラクト」とは「抽象的な」という意味もありますが「抜粋」「摘要」などの意味もある言葉です。
論文の冒頭の文章のことで、論文を読んでもらうための紹介文の役割を果たしています。その論文がどんな新しいことを提唱しているのか、論文の価値は何なのかをアピールするための「まとめ」とも言えるでしょう。
ビジネスシーンにおける分かりやすいサマリーのつくり方
サマリーへの理解が深まったところで、サマリーの実践的な部分について見ていきましょう。ビジネスシーンでサマリーが求められたときには、ぜひ一つの参考にしてくださいね。
1:箇条書きで構成する
サマリーは要約。これが基本の考え方です。長い文章は避けたほうが分かりやすくすっきりまとまります。したがって、文章形式ではなく、基本的には箇条書きで構成しましょう。
2:体裁はシンプルに
内容や書き方だけでなく、用紙や枚数も極力シンプルを意識します。サマリーはあくまで要約なので、1ページ以内にまとめるのが基本です。
3:数値はグラフ化
数字は文字だとなかなか想像しにくいもの。そこでグラフや表を使って一目で分かるようにするのもおすすめです。文章が長くなることも防げますし、視覚的に分かりやすいので自分だけではなく他の人の参考にもなるでしょう。
4:主観的な意見は入れない
サマリーは全体の要約なので、自分自身の感情や意見は含みません。客観的な視点を忘れずに、事実を端的にまとめましょう。
5:適宜エクセルを使用する
エクセルは表計算ができたりすでにマスが作成されたりしているため、計算が必要な場合や項目がいくつもある場合などにはおすすめです。どんなサマリーが必要なのか、サマリーの目的は何なのかによってつくり方も変えたほうが、より分かりやすいサマリーになります。
最後に
本記事では、サマリーの意味から使われる場面、レジュメとアジェンダ、アブストラクトとの違いを紹介しました。あわせて、分かりやすいサマリーをつくるためのポイントも解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
また、日頃から頭の中でサマリーをつくる習慣をつけると良いかもしれませんね。例えば、人との会話の中でも「この話の要点は何だろう」と考えることで、相手が伝えたいことを理解できるのではないでしょうか?
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