あの人が話すと先方は聞き入れてくれるのに、自分が話すと反応がイマイチ…。そんな経験をしたことはありませんか? 説得力のある人は、そうでない人と何が違うのでしょうか。そこで当記事では、説得力という言葉の意味や、説得力のある人の特徴、説得力を高める方法などを紹介。「説得力を高めたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。
説得力とは?
まずは、「説得力」という言葉の意味をあらためておさらいしておきましょう。
意味
「説得力」とは、「自分の意見を認めさせる力」「相手を納得させる力」のこと。会話や文章などで、自分の考えを理解してもらい、意見に同意してもらう力がある人のことを「説得力のある人」と言います。特にビジネスシーンにおいて、説得力は身につけておきたいスキルの一つ。営業やプレゼンはもちろん、社内の会議や、部下やチームメンバーをまとめる時にも、説得力は必要になります。
類語は?
「説得力」の言い換え表現には、「納得させる力」「訴求力」などがあります。「納得させる力」とは、「自分の考えや行動をしっかりと理解して、受け入れさせる力」のことです。
「訴求力」とは、「販売や広告などで、消費者の購買を促す力」のこと。「説得力」は、相手の心を動かし、行動に移してもらうために必要なスキルともいえます。ですので、使用する場面によっては、「訴求力」を「説得力」に言い換えることができるでしょう。
英語表現は?
「説得力」の英語表現には、「convincing」「persuasive」などがあります。「convincing」は形容詞で、「説得力のある」「納得のいく」という意味です。「persuasive」も形容詞で、意味は「説得力のある」「口のうまい」など。それぞれの英語を使った例文を紹介しますので、参考にしてみてください。
・Your idea is not convincing.(あなたのアイデアには説得力がない)
・Her explanation is persuasive.(彼女の説明は説得力がある)
・My boss is the most persuasive person in our company.(私の上司は社内で最も説得力がある人だ)
説得力のある人の特徴や振る舞いとは?
説得力のある人になるには、どうすればいいのでしょうか? ここでは、説得力のある人の特徴や振る舞いを紹介します。
1:堂々としていて、自信にあふれている
話を聞いている人は、話し手の表情や仕草などの視覚情報からも影響を受けます。例えば、話し手が聞き手と目を合わせず、うつむきながら自信なさげに話していたとしましょう。すると、話の内容が良くても「この人に任せて大丈夫なんだろうか?」と、不安に感じてしまいますよね。
しかし、話し手が堂々としていて、自分の意見をハキハキと話していると、不思議と説得力があるもの。話の内容はもちろんですが、説得力のある・なしは話し方にも左右されるといえるでしょう。
2:相手の立場や感情を汲み取ることができる
相手を説得し、行動に移してもらうには、相手の心を動かすことが大きなポイントになります。そのために、誰にでも同じ話をするのではなく、相手の立場や感情に合わせて、共感してもらえるエピソードを話すことが大切です。
3:実績やスキルが伴っている
説得力のある話ができても、実績やスキルが伴っていないと周囲からの信頼は得られないでしょう。例えば、同じサービスを受けるなら、経験1年の人よりは、経験10年の人の方に依頼したいと思う人がほとんどのはず。説得力のある人は、経験が豊富で、多くの成果を出してきており、高度なスキルを持っているといえます。
説得力のある話し方のポイントは?
続いて、説得力のある話し方のポイントを紹介します。営業やプレゼンをする時はもちろん、人に説明する時や、上司に報告する時にも役立つので、ぜひ取り入れてみてください。
1:ゆっくりと、自信を持って話す
先述しましたが、説得力のある人は自信に満ちた立ち振る舞いをしています。緊張や自信のなさから、目が泳いだり、声が小さくなることもありますよね。しかし、そうした振る舞いをしていると相手を説得することは難しいでしょう。まずは胸を張り、前をしっかりと見据えてハキハキと話すこと。そして、余裕のある表情と自信に満ちた態度を心がけると、説得力が高まります。
ただし、行き過ぎると「上から目線」と捉えられてしまうこともあるため、強い口調は避け、フラットな話し方を心がけるといいでしょう。
2:結論から話す
説得力を高めるには、要点をわかりやすく伝えることも大切です。具体的には、PREP法と呼ばれる構成パターンを参考にするのがおすすめ。PREP法とは、結論(Point)→ 理由(Reason)→ 具体例(Example)→ 結論(Point)の流れで話や文章を展開していくものです。
最初に、結論や要点を話すことで、相手に何の話をしているのかが伝わりやすくなり、具体例を入れることで、結論に説得力が生まれるというメリットも。さらに、結論を2回述べることで、相手の同意を得やすくなるのです。
3:数字を入れて話す
例えば、「作業効率がとてもアップします」よりも、「作業効率が20%アップします」という方が説得力が高く感じませんか? 数字がないと曖昧なイメージで終わってしまい、信憑性に欠けます。ですが、数字を入れて説明すると情報に具体性と客観性が生まれるため、説得力が高まるのです。
説得力を高める方法とは?
その場しのぎではなく、説得力をしっかりと自分のものにするには、日々の努力が必要です。ここでは、説得力を高めていく方法をいくつか紹介します。
1:相手を理解する
説得力を高めるには、説得する相手を深く理解することが大切です。相手がどのような立場で、どのようなミッションを持っているのか、現在どのような問題を抱えているのかなどを把握するようにしましょう。すると、相手の共感や同意を得られるポイントも見えてくるはずです。
2:論理的に考える
説得力のある話ができるようになるには、論理的思考力を身につけることが重要。例えば、結論から話すようにしたり、意見を言う時には根拠も示すようにするといいでしょう。また、「とても生産性が上がります」「早めに終わらせて」など曖昧な表現は避け、「生産性が2倍アップします」「10日以内に終わらせて」など具体的な言葉を使うようにするのも良いです。
3:実績や経験を積む
先述の通り、実績や経験が豊富な人が話すだけで、説得力が高まります。そのため、説得力のある話し方や思考力を身につけるトレーニングを行うのと同時に、実績を積み重ねていくことも怠らないようにしましょう。
最後に
説得力を高めるには、話術のテクニックや論理的思考力、コミュニケーション力など様々なスキルを身につける必要があります。一朝一夕に身につくものではないので、日々コツコツと取り組んでいきましょう。
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