目次Contents
この記事のサマリー
・「根回し」とは、物事を円滑に進めるために事前に説明や準備をしておくことです。
・「根回し」の類語には「事前調整」や「段取りをつける」などがあります。
・「根回し」を進めるには、関係者や懸念点を整理し、伝える順番を考えることが重要です。
「根回し」という言葉は、ビジネスシーンでよく聞く一方で、少し打算的な印象を持たれることもあります。けれども本来は、交渉や会議を円滑に進めるために、あらかじめ関係者に説明したり、必要な準備を整えたりすることを指す言葉です。
この記事では、「根回し」の意味、言い換え表現、英語での伝え方、使う際の注意点まで整理して見ていきます。
「根回し」とは?
まずは「根回し」の意味を確認していきましょう。
意味
「根回し」とは、交渉や会議などで物事をうまく進めるために、あらかじめ関係者に説明したり、必要な準備を整えたりしておくことです。
主にビジネスの場面で使われますが、日常の調整ごとに使われることもあります。例えば、新しい企画を会議で通したいときに、事前に参加者へ説明して理解を得ておくことも、「根回し」の一例です。
辞書では次のように説明されていますよ。
ね‐まわし〔‐まはし〕【根回し】
[名](スル)
1 樹木などの移植の1、2年前に、広がった根を根もとを中心に残して切り、細根の発生を促すこと。
2 交渉や会議などで、事をうまく運ぶために、あらかじめ手を打っておくこと。下工作。「しかるべき部署に―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「根回し」はもともと中立的な語ですが、透明性の低い調整や、関係者の知らないところで話を進めるような場面では、悪い意味に受け取られることもあるでしょう。
反対に、必要な関係者へ事前に共有し、会議や交渉を円滑にするための調整であれば、実務上は有効な準備と考えることができます。

由来や語源
「根回し」には、「樹木を移植する前にあらかじめ根の一部を切り落としておき、新しい場所になじみやすくすること」という意味があり、元来は園芸上の用語です。
これが、「事をうまく進めるために、あらかじめ必要な準備をしておくこと」という意味の由来になります。
参考:『世界大百科事典』(平凡社)
「根回し」が上手な人の特徴は?
職場や日常でも、「根回し」が上手な人はいるものです。「根回し」が上手な人は、関係者の理解を得ながら、物事を進めやすい形に整えています。ここでは、「根回し」上手な人の特徴をいくつか見ていきましょう。

関係者との接点を日ごろから持っている
「根回し」では、必要な相手に適切な順番で話を通していくことが大切です。そのため、日ごろから社内外の関係者と良好な関係を築いている人は、必要な場面で相談や説明をしやすい傾向があるといえるでしょう。
懸念点や影響範囲を見通せる
「根回し」を進めるには、「どこで反対意見が出そうか?」、「誰にどのような影響があるか?」をあらかじめ考えることが欠かせません。
根回しがうまい人は、関係者ごとの立場や懸念点を整理し、誰に何をどの順番で伝えるべきかを考えながら動くことができます。そのため、説明の内容も相手に合わせて調整しやすいのです。
必要な相手へ早めに働きかけられる
問題点や懸念事項が見えていても、実際に説明や調整をしなければ「根回し」にはなりません。根回しがうまい人は、必要な関係者に早めに声をかけ、相談や説明の機会をつくることができます。結果として、会議や交渉の前に論点を整理しやすくなりますよ。
「根回し上手」になるには?
「根回し」で大切なのは、関係者に事前に説明し、必要な理解を得ておくことです。例えば会議やプレゼンで企画を提案する場合は、関係者へあらかじめ内容を共有し、疑問点や懸念点を確認しておくと、本番の議論を進めやすくなります。
また、決定に関わる人へ早めに説明しておくことも有効です。ただし、特定の相手だけに先に話を通しすぎると不信感につながることもあるため、順序や伝え方には配慮が必要です。
また、進行上の問題点や懸念事項をあらかじめ整理しておくことも大切。相手にとって負担や不安になりそうな点を把握し、説明や対応策を準備しておくと、納得を得やすくなります。
類語や言い換え表現とは?
「根回し」と近い表現には、「手を回す」「段取りをつける」「コンセンサスを得る」などがあります。ここでは、それぞれの言葉の意味と違いを見ていきましょう。

手を回す
「手を回す」とは、「手段をめぐらす」「手を尽くして探索する」「ひそかにはたらきかける」といった意味を持つ表現です。「根回し」と重なる場面もありますが、より広く使える表現ともいえるでしょう。ただし文脈によっては、秘密裏の働きかけの意味が強く出ることもあります。
例文:来週の会議に向けて、必要な関係者に手を回しておいた。
段取りをつける
「段取りをつける」は、「物事を行う順序や手順を整え、準備を進める」という意味です。準備をするという点では「根回し」と共通しますが、「段取りをつける」は主に手順や進め方の準備を指し、「根回し」のような対人調整の意味までは含まないことが一般的です。
例文:当日の進行が滞らないよう、事前に段取りをつけておいた。
コンセンサスを得る
「コンセンサス」とは、英語の “consensus” に由来するカタカナ語で、「意見の一致」「合意」を意味します。「コンセンサスを得る」は「合意を得る」という意味です。
「根回し」が事前に働きかけたり調整したりする行為を指すのに対し、「コンセンサス」はその結果として得られる合意を指します。
そのため、厳密には類語ではなく、関連する言葉として理解しておくと適切でしょう。
例文:新規プロジェクトについて、社内のコンセンサスは得ています。
その他、使いやすい言い回し
このほかビジネスの場で「根回し」をやわらかく言い換えたい場合は、「事前調整」「事前説明」「関係者への情報共有」「下準備」などが使いやすいでしょう。
「根回し」には人によって打算的な印象が伴うこともあるため、文脈に応じて言い換えると意図が伝わりやすくなります。
英語表現は?
「根回し」を英語で表したい場合、”lay the groundwork” や “consensus-building process” を使うといいでしょう。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「根回し」に関するFAQ
ここでは、「根回し」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 根回しとはどういう意味ですか?
A. 根回しとは、交渉や会議などで物事をうまく進めるために、あらかじめ関係者へ説明したり、必要な準備をしておいたりすることです。主にビジネスの場面で使われますが、日常の調整ごとに使われることもあります。
Q2. 根回しは悪い意味の言葉ですか?
A. 根回しは、中立的な言葉です。ただし、進め方によっては水面下で話を通すように見え、否定的に受け取られることもあります。
Q3. 根回しの言い換え表現には何がありますか?
A.「事前調整」「事前説明」「関係者への情報共有」「下準備」「段取りをつける」などが使いやすいでしょう。
最後に
あらかじめ関係者の同意を得たり、問題点をつぶしたりする「根回し」をするのは、面倒くさいと思う人も多いでしょう。しかし、「根回し」が上手にできると、ビジネスシーンでとても役に立ちます。
仕事をうまく進められるよう、当記事で紹介した「根回し上手」な人の特徴をうまく取り入れてみてくださいね。
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