【目次】
・「お取り計らい」の意味や読み方とは?
・使い方を例文でチェック
・類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
・英語表現とは?
・最後に
ビジネスシーンでよく耳にする「お取り計らい」というフレーズ。上司や先輩が使っていて、なんとなく理解はできていても、自分で使えるほど理解度に自信が持てない言葉ではないでしょうか。ここでは「お取り計らい」の意味と、使えるシーン、使い方を、例文を使ってわかりやすく解説します。
「お取り計らい」の意味や読み方とは?
まずは、「お取り計らい」の正確な意味について把握していきましょう。
読み方と意味
「お取り計らい」は、「おとりはからい」と読みます。「取り計らい」は、事が上手く運ぶように手段を講じるという意味の「取り計らう(とりはからう)」という動詞が元になった名詞です。この「取り計らい」に「お」を付けることによって、丁寧な表現になっていますので、「お取り計らい」は、取引先や目上の方に使うことのできる言葉です。
ビジネス等で使う時の注意点
「お取り計らい」という言葉を使うシーンは、主に、「お取り計らい」をお願いする場合と、「お取り計らい」をしてもらった時に感謝を表す場合の、2つのパターンがあります。
取引先や目上の方に、「上手くやってくださいね」というのは大変失礼にあたります。この「上手くやってくださいね」を、角が立たないようにスマートに言うと、「お取り計らいください」となります。
また、事が上手く運ぶように適切に処理してもらった場合のお礼には、「お取り計らい」という言葉を使って、「お取り計らいいただき、ありがとうございます」と、感謝を伝えることができます。
「お取り計らい」は、社会人として円滑な人間関係を築く上で、ぜひ覚えておきたいビジネス用語のひとつです。
使い方を例文でチェック
「お取り計らい」をよく理解して正しく使いこなせるようになると、社会人としての常識を持ち合わせている印象を持たれ、「しっかりしてる人」という信頼にも結びつきます。ここでは、「お取り計らい」をビジネスで使う時の注意点を解説します。
1:「お取り計らいのほど、よろしくお願いいたします」
目上の方に何かをお願いする場合に使える「お取り計らい」の使い方です。「物事が上手く運ぶように処理をしてください」という意味ですが、これをそのまま、目上の方に対して言うのは角が立ちます。こういった場合に上手く「お取り計らい」を使えれば、仕事も人間関係もスムーズに進むでしょう。
「お取り計らい」の後に加えられている「~のほど」は、断定を避けて、やんわりとお願いをする場合によく用いられる言葉です。「ご検討のほど、お願いいたします」というように使われます。
2:「お取り計らいいただき、ありがとうございます」
お願いした事柄に対して、上手く処理してもらった時に使える、感謝を表すフレーズです。「上手く処理していただき、ありがとうございます」というよりも、謙虚さが感じられ、社会人として洗練された言い回しといえます。
3:「お取り計らいくださいますよう、よろしくお願い申し上げます」
上の1の「お取り計らいのほど、よろしくお願いいたします」をもっと丁寧にした言い回しです。
また、文の前半部分が「お取り計らいくださいますよう」と丁寧な表現になっていますので、文の後半部分もそれに合わせて「お願いします」よりも丁寧な印象の「お願いいたします」や「お願い申し上げます」を合わせるとバランスがいいでしょう。
類語や言い換え表現にはどのようなものがある?
「お取り計らい」の類語や言い換え表現にはどのようなものがあるのか、チェックしておきましょう。状況に応じて、類語も使えるようになっておくと便利です。
1:「ご配慮」
「配慮」は、心を配ること、心遣いを意味します。例えば、「ご配慮賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」というように、「お取り計らい」と同じような使い方ができます。
2:「お気遣い」
「気遣い」は、気をつかうこと、心遣いを意味します。「お気遣いいただき、ありがとうございます」というのは、日常でもよく使う言葉です。「お取り計らい」を使うのにハードルが高いと感じる人は、まずは「お気遣いいただき、ありがとうございます」を積極的に使って、言い回しに慣れるといいでしょう。
3:「ご尽力」
「ご尽力」は「ごじんりょく」と読み、目的の実現のため力を尽くすことを意味します。「ご尽力いただきまして、ありがとうございます」というように、相手のしてくれた行為に対して使われます。
英語表現とは?
「お取り計らい」の英語表現もご紹介しておきましょう。「取り計らい」は、くだけた言い方をすると「上手くやる、上手く手配・処理する」です。英語表現では「arrangement」が使えます。
「Thank you for your arrangement.」(お取り計らいありがとうございます)
お礼を伝える際に、使える例文です。ビジネスを円滑に進める上でも、覚えておきたいフレーズですね。
「I would appreciate your arrangements.」(お取り計らいくださいますよう、よろしくお願い申し上げます)
こちらは、お願いをする際に使える例文です。依頼の時こそ丁寧さが求められますので、こちらも覚えておくと便利ですよ。
最後に
「お取り計らい」は上手く使いこなせると、感謝を伝えたり、角を立てることなく依頼ができる便利な言葉です。メールではよく登場する「お取り計らい」ですが、会話では少し堅苦しくて使いにくいと感じられる場合もあるかもしれません。そのような場合には、類語を使って、自然な会話を心がけるといいでしょう。
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