「ご配慮」の意味とは?
日常生活に限らずあらゆる場面で、誰かに(何かに)“気を配る”ことは、社会人として非常に大事なアクションですよね。この行為一つで、相手の心証も変わり、お互いがより気持ちよく過ごすことができます。では、配慮をお願いしたい場合、または配慮を受けた際の感謝の気持ちはどうやって伝えたらいいのでしょうか?
今日はそんな「ご配慮」という言葉に焦点を当て、意味や使い方、また類語、英語表現まで丁寧に解説していきます。
◆「ご配慮」の意味、漢字は?
「ご配慮」とは、<はいりょ>と読みます。「配」は“配ること、必要なところへ割り当てること”、また「慮」は“おもんぱかること、考えを巡らすこと”という意味です。つまり「配慮」は、“人や物事に対して気遣うこと、心配り”のことを指しています。それに接頭辞の「ご」をつけ丁寧に表現した言葉が、「ご配慮」です。ビジネスシーンでは、非常によく使われる言葉ですね。
「ご配慮」の使い方は? 例文でチェック
「ご配慮」は、丁寧な敬語表現になりますので、目上の相手や取引先などに対しよく使われる言葉です。では、具体的にビジネスシーンでどのように使われるのか、例文と一緒にご紹介します。いずれもメールなどでは非常によく見る文章になりますので、ぜひ実際に活用してみてくださいね!
「資料提出期日延長に関し、ご配慮いただきありがとうございます」
こちらの状況を考慮し、融通を利いてもらった際などに使えるフレーズです。
「先日のパーティーでは大変お世話になりました。細かやなご配慮、痛み入ります」
「痛み入ります」という表現は、感謝の気持ちをより強く表現できます。堅い表現になりますので、立場が上の方に対し使われることが一般的です。
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「悪天候による配達遅延、誠に申し訳ございません。寛大なるご配慮、ご理解に感謝申し上げます」
相手の理解を得たい場合に使えるフレーズです。「寛大なるご配慮」は、主に社外に向け使われるフォーマルな言い回しになります。
「平素は格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます」
ビジネス文書の冒頭で使われる定型文です。
「お客様と社員の健康と安全を守るため、店内ではマスクの着用をお願いしております。ご配慮いただきますよう、よろしくお願い申し上げます」
昨今の情勢において、上記のようなフレーズは口頭や看板などでも非常に多く見かけますね。
「ご高配」との違いは?
「ご配慮」と似た言葉で、「ご高配」という言葉見たことはありませんか? 主にビジネス文書で見かける言葉になりますが、相手の心遣いや配慮を指し「ご高配を賜りありがとうございます」といったように感謝を述べる際に使うフレーズになります。
「ご配慮」との違いは、「ご高配」は社内の相手には基本的には使いません。また「高配致します」など、自分の行為に対しても使用はできませんので、注意しましょう。
・平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます(冒頭分で使う)
・今後とも変わらぬご高配を賜りますようお願い申し上げます(締めの一文で使う)
「ご配慮」の類語は?
「ご配慮」の類似表現をご紹介します。口語でもビジネス文書でも使えるフレーズもありますので、ぜひご参考になさってください。
「お気遣い」
「お気遣い」はその言葉通り、相手からの気遣いを指します。誰かに親切にされたり、お中元やお歳暮などを受け取った際など、口頭や文書など広く活用できる言葉です。
・この度は素敵なお品をお送りいただきありがとうございます。お気遣い大変恐れ入ります
「お心配り」
「お心配り」とはあちらこちらへ気をかけることを意味します。こちらもまた、相手の優しさや気遣いに対し感謝の意を込めて使います。
・ご出張のお土産いただきました。ありがとうございます。○○さんのさりげないお心配り、わたしも見習いたいと思います
「ご厚情」
「ご厚情」の意味は、目上の相手からの「厚い情け」、「心からの思いやりの気持ち」を意味します。式典などのフォーマルな場面で使われることも多い堅い表現です。
・ご厚情あふれるご祝詞を頂戴し、心から御礼申し上げます
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「ご配慮」の英語表現
「配慮」を英語にすると、“consideration(考慮、配慮)”や“concern(懸念、心配)”、“kindness(親切、優しさ)”などがそれにあたります。口頭でもメールでも使える表現ですので、覚えておくとよいでしょう。
・Thank you for your consideration.
(ご配慮ありがとうございます)
・I really appreciate your concern.
(ご心遣い大変感謝致します)
・Thank you for your kindness.
(気遣ってくださりどうもありがとうございます)
最後に
社会人として、社内・社外問わず、相手への気遣いというものは非常に大事なことです。良好な人間関係が成り立っているからこそ、ビジネスが大きく良い方向へ動くケースは少なくありません。
誰かにそのような気遣いを受けた際は、きちんとお礼をしましょう。また、こちらからお願いする場合も、「ご配慮」と丁寧な言葉を使うことで、相手の心証も良くなるはずです。感謝を述べる際も、依頼する際も、ぜひ上手に活用してみてください!
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