催促とは? 意味を確認
催促はビジネスシーンや日常で時折登場する言葉ですが、正しい意味や使い方は意外と知られていないかもしれません。似た意味を持つ言葉との違いや、催促の仕方について把握し、仕事などに役立てたいですね。
まずは、催促の意味について見て行きましょう。
辞書で意味を確認
▷【催促】読み方:さいそく
物事を早くするようにうながすこと。督促。「矢の—」「返事を—する」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
何かしらの期日や期限までに回答がない、入金が確認できないなどの場合に、その人に対して電話やメールで「早くして欲しい」と伝えますが、それが「催促する」ということです。催促をすることが多いのは、ビジネスシーンかもしれませんね。
催促は、するのもされるのも、気が重いもの。特に「誰かに催促する」のは、できれば避けたいと考える人も多いのではないでしょうか?
催促という言葉の使い方を紹介
ここからは、催促という言葉の使い方を見ていきましょう。
例文で紹介
《ビジネスシーン》
・期日までに入金がなかった顧客に対し、催促メールを送った
・経費申請の承認がまだだったので、課長に催促しなければならない
・2度目の催促メールを送ったが返事がないため、次は電話連絡をしてみよう
《日常生活》
・同窓会に参加するかどうか迷っているうちに、幹事から催促メールが来た
・家賃の振込みを忘れていて、大家さんからやんわりと催促された
・先日サービスの内容について問い合わせたが、まだ返答がないため、催促しようか迷っている
催促は、相手に対して早くするよう促すことを指しますが、強制するわけではありません。ニュアンスとしては「促す」「再度依頼をする」のような要素が強く、やんわりと伝えることが多いでしょう。
催促に似た言葉を紹介!
催促と似たイメージのある言葉を紹介します。それぞれの意味や、催促との違いを把握し、使い分けができるようにしたいですね。
督促(とくそく)
約束の履行や物事の実行を急き立てることを意味する言葉です。また、税金の納付や借金の返済を促す場合も、督促を使います。
《例文》
・期限までに入金がなかったため、督促状を送ることになった
督促は、物事の実行やお金の納付、返済がなければ強硬手段に出ることを相手に通知するニュアンスを含みます。そのため、催促よりも意味は重く、強制力は強めと考えていいでしょう。ただし、督促にも催促にも法的拘束力はありません。
要請(ようせい)
必要だとして、強く願い求めることを表す言葉です。実現することを求めるというニュアンスが強いため、催促のようにやんわり伝えず、率直な言葉を使うことがほとんどでしょう。
《例文》
・来季の監督就任を正式に要請し、了承いただいた
催告(さいこく)
相手方に対して、一定の行為をするよう請求することや、債務者に対して債務の履行を請求することを意味します。催告は催促や督促よりも強制力が強く、警告に近いニュアンスを含むと考えてください。
《例文》
・口頭での催告は履歴が残らないため、内容証明郵便を使うのが一般的だ
ビジネスメールでの催促、書き方は?
ビジネスシーンでは、取引先やお客様、社内の人などに対して催促をしなければならないことがありますよね。催促の手段として多いのは、催促メールを送ることでしょう。ここからは、催促メールの書き方について紹介します。メール作成は気が重いと感じたら、ぜひ参考にしてくださいね。
催促メールの構成
催促メールは、次のような構成で作成することが多いでしょう。
1:挨拶
2:催促の内容について
3:相手に求めることと、その期限
4:相手の状況を気遣う言葉
5:結びの挨拶
メール作成の際、相手のアクションがないのを相手のミスや失敗と決めつけるのはNG。行き違いなどが生じている、あるいはこちらの不手際が原因の可能性もあることを意識して作成するようにしてください。
催促メールの文例
上記の構成に沿い作成したのが、以下の文例です。
「いつもお世話になりましてありがとうございます。先日、今月のご請求書につきまして、送付のお願いをさせていただきましたが、現時点で受理の確認ができておりません。何かしらの手違いでご案内が届いていないかもしれないと思い、再度ご連絡いたしました。
ご多忙のところ大変恐縮ではございますが、○月○日までにご送付いただけますと幸いです。お手数をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。」
文例では、最初に送ったメールが届いていないかもしれないということを示唆していますよね。このような一文を入れることで、相手も返答しやすくなるかもしれません。催促をする際は、相手を気遣うことを忘れないようにしてください。
催促メールの注意点
催促メールの注意点をまとめました。メールを読んだ相手が気分を害したり、必要以上に罪悪感を抱いたりすることがないよう、催促をしたいですね。
メールを送っていいか、事前チェックを
催促をする場合、送る側の不手際があると話がややこしくなってしまいます。特に、相手はアクションを起こしているのに、こちらが気づいていなかったということは避けたいもの。それを防ぐためにも、メールや郵便物、データの再チェックはする方がいいでしょう。
また、こちらからの案内や通知が、きちんと送れているかも確認するといいですね。特に入金が関係することは、ダブルチェックをするなどして、見落としや見間違いを防ぎましょう。
表現に注意
催促メールでは、相手を責め立てたり、強い言葉でアクションを促したりすることはしません。相手に行動を促すのが目的ですから、読んだ人の気分を損ねることがないよう、やんわりとした表現を使います。
また、上述したように、行き違いやこちらの不手際の可能性も意識するのがベター。命令や指示といったニュアンスにならないよう注意したいところです。
最後に
催促という言葉の意味や使い方、似た言葉との違い、催促メールの書き方などを紹介しました。催促は、相手に物事を早くするように急かすことを指しますが、強く促すことはしません。やんわりとした表現を使い、相手の気分を害することがないように伝えるのが基本です。また、行き違いやこちらの不手際の可能性も意識しておく方がいいでしょう。催促は、言葉選びが大切。相手を気遣う気持ちを忘れないようにしてください。
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